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「123便墜落事件」特集番組に感じる違和感と疑問(下)=視聴者を特定の結論に誘導する方法? [日航123便撃墜事件]

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「123便墜落事件」NHKの番組に感じる違和感と疑問(下)=視聴者を特定の結論に誘導する方法?

ドキュメンタリーを作るとき。ずるいやり方がある。ドキュメンタリーを作る人間がこんなことを書いてしまうのは問題あるが、最近はそれによって多くの人が騙されたり、間違った情報を信じたりしがちなので紹介する。

ある結論を導き出すために、その結論に結びつくものだけを取り上げるのだ。いろんな人に取材する。そこからいろんな推論ができるが、最初に決めた結論に結びつかない。あるいはそれを否定する証言をボツにして、その結論に繋がる証言だけを採用して編集する。そうすれば見ている人は

「なるほどなあ。証言が全てを裏付けている」

と感じる。また、こんな手法もある。都合のいい証言を集めても、事実ではないことを立証する場合。どうしてもある種の矛盾点が出てくる。それを解説すると「ということは先の結論は違うんじゃないかな?」と思われてしまう。本当に汚い奴はそこで情報を捏造する。それが以前問題になった「あるある大辞典」という番組。新発見と言いながら捏造したデータで番組を作った。

そこまですると違法行為。だが、その寸止めというべき手がある。ある種の誘導をしながら矛盾点が出てきたら、さらりと流し、次に行く。これは活字ではアウト。

「あれ?その推理は違うんじゃない」

と思われ、次に進むのをやめて前の記述を読み直されてしまうからだ。でも、映像の場合は考える隙を与えない。ガンガン次に進める。視聴者は考える余裕がなく、「あれっ?」と思っても、次の話題に引っ張られてしまう。疑問はすぐに忘れ、印象として番組の結論が正しいと思えてしまう。

マイケル・ムーアの映画。彼はその手法をいい意味で使っている。それは何かと言うと誘導だ。映像は説得力があるので、論理性がないことでも見る者が納得させてしまうところがある。論理性より勢い印象。CMがまさにそれである。映像とはそういうものであり、編集、構成でその事件の意味を180度変えることもできる。ある意味で洗脳ツールだ。ドキュメンタリーだけでなく報道も同じ。その政治家を愚かな存在として伝えることも、努力の人として伝えることも簡単に出来る。このところ

「日本は戦後最長の好景気!!」

と報道されると、全くその実感はないが、「アベノミクスが効果を上げているんだ」と思ってしまう人も多い。多くの報道番組で何度も誘導され、刷り込まれているから。

編集の仕事をしている者はそれを知っている。その観点から見たとき「123便」の特集番組はそれらの手法を多様していることを強く感じる。都合の悪い情報は取り上げない。矛盾点が出そうなものはさらりと流す。印象として

「いろいろ手違いがあったんだなあ。誰が悪い訳じゃないんだあ」

と最後には思える構成なのだ。なぜ、そんな番組を作る必要があるのか? 答えは簡単。真相を知られてはいけないので、残念な事故であることを印象つけて、疑問や噂を払拭するのが目的だろう。特に最近のNHKは大本営発表と思えることが多く、政府の広報であるという批判も強い。

首相の演説時に市民から「帰れ」コールが起こった時も、その声を整音し決して放送したりしている。だとすると、同じように123便事件も政府の意向を汲んで...。

「あれは事故ですよ〜。いろんな裏はありませんよ〜」

と思える番組を広報として作ったのではないか?と勘ぐってしまう。だとしたら残念だ。NHKはこれまでに優れたドキュメンタリーも数多く制作している。ETVの番組は今も鋭く現代に斬り込むものがある。が、そのセクションが解体されたとの話も聞く。

とにかく報道やドキュメンタリーはかなり注意してみないと、誘導される。報道は「事実」だと思ったら大間違い。いろんな方法で都合よく変えることができる。とにかく123便に関しては「Nスペ」より青山さんの本の方が現実味があり、詳細な取材だと感じる。もう少し「123便」関係の書籍を読んでみたい。(了)

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「123便墜落事件」特集番組に感じる違和感と疑問(中)=なぜ、この物的証拠を紹介しないのか? [日航123便撃墜事件]

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「123便墜落事件」NHKの番組に感じる違和感と疑問(中)=なぜ、この物的証拠を紹介しないのか?

(前項の続き)元日航CAの青山透子さんの著作「日航123便 墜落の新事実」で紹介された証言にある上野村の住人が目撃した墜落現場上空の深夜のヘリコプターのこと。NHKスペシャルでは全く触れていない。なぜか? 天下のNHKがその目撃者たちを発見できなかった? 

そんなことは有り得ない。今でもその村に行き聞き込みをすれば聞ける話だ。数は多い。では、そもそも、目撃者なんていない? 青山さんの創作? そうも思えない。というのは上野村の小学校で事故後に文集を作っているのだ。

生徒たちに当時の体験を作文に書かせている。記憶が曖昧にならないように事故から1週間と経っていない時期だ。その文集では多くの生徒が事故を目撃。あるいは大きな音を聞いた。閃光を見た。親から聞いたと書き綴っている。そこには具体的な場所も書かれているし、深夜のヘリの音を聞いたことも記録されている。

NHKはなぜ、その文集を取り上げないのか? 他のルポでも文集は紹介されているのになぜ? そして上野村の人たちから複数の目撃証言を聞かないのか? 何よりNHKにかかってきた目撃情報連絡の詳細をなぜ、調べないのか? 先の推理と同じなら警察同様に当時のNHKは杜撰だったということになる。が、この番組を作ったのは数年前。となると、近年でも杜撰な取材をしているのか? そんなことはないだろう。

優秀な人材。豊富な製作費。巨大な組織。大きなネットワーク。テレビ業界のナンバー1だ。いろいろと批判はあるが、取材力、正確さはやはり他の局を抜きん出ている。では、なぜ、そんな初歩的なミスをしたのか? これでは番組内で紹介された警察と同じ。間抜けなミスで大きな失態を演じていることになる。それは変。警察もNHKも優秀な組織である。

となると、共に何らかの理由で真実を発表できない事情があった。あるいは今もあるのではないか? と思えてくる。そうすると間抜けなミスではなく、本当のことを報道できなかったということになる。

そしてNHKの場合。もう一つの疑惑。事実を報じられなかっただけではない。さらに1歩進んで、間違った結論に導こうとして番組を作っているのではないか?と感じるのだ。(つづく)



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「123便墜落事件」特集番組に感じる違和感と疑問(上) [日航123便撃墜事件]

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「123便墜落事件」NHKの番組に感じる違和感と疑問(上)

先日録画で見たNHKスペシャルの「123便」ー普通に見ているとよく取材したドキュメンタリーになっているが、僕自身がドキュメンタリーの仕事もするので、あれこれ疑問が残った。何より番組が掲げた「機体の発見が事故後16時間かかったという理由」が変だ。

①「目撃情報が警察上層部に上がらなかった」

②「自衛隊ヘリのパイロットの勘違い」

③「警察上層部の思い込み」

警察や自衛隊がそんなに間抜けか?と思えてしまう。いくら今から34年前の1985年とは言え、そんな素人のようなミスを起こすだろうか?という疑問。あの頃の警察は今以上に優秀で犯罪解決率が90%近かったはずだ。

(詳しくは先のブログをご覧ください=>https://okinawa2017.blog.so-net.ne.jp/2019-04-13

また、123便事故ではいろんな噂や情報が飛び交っている。もちろん荒唐無稽なものもあるが、乗客の1人が撮影した写真。これは週刊誌等でも紹介された確かなもの。飛行機の窓から外を写した写真にオレンジ色の物体が写っているというもの。番組では一切触れていない。

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番組冒頭で「NHKが総力をあげて取材」と銘打ち。多くの証拠品を並べたものを映し出し紹介していたにも関わらず、引っかかるものが多かった。その後、元日航のCAの青山透子さんが書いた「日航123便墜落の真実」を読んだ。そこに書かれてあったことと比較してみる。

NHKスペシャルの問題点①「目撃情報が警察上層部に上がらなかった」

目撃者にはインタビュー。明快に事故現場を指摘している。警察に電話したが、その情報が上にあげられなかったという。(が、その理由は番組で検証されていない)番組では「目撃者はこの人1人だけ!」とは言わないが、目撃者は数多くいたという表現はない。むしろ、墜落を見た貴重な存在。

「わーさすがNHK。よく目撃者を探し出したな」

という印象を受ける。ところが青山さんの本を読むと、墜落現場近くの上野村では数多くの人が墜落を目撃しており、多くが警察だけでなく、テレビ局にも電話したと書かれている。さらに、NHKにも電話「ありがとうございますと返事された」という証言まで載っている。

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なぜ、NHKは番組でそれを取り上げなかったのか? 個人で取材する青山さんに対して、巨大組織で動くNHKがそれらの証言を探し当てられない訳がない。そして

「警察に電話したが、その情報は上に上がらなかった」

と番組で伝えるなら、NHKも同じではないか? その時の電話情報をなぜ、有効に活用することができなかったのか? その検証をなぜしないのか? 

ただ、他の局や警察も同じだ。上野村の人たち何人もが電話しているのに、墜落現場は別の場所だと報道し、16時間も現場への到着が遅れたのである。つまり、番組で結論づけた「目撃情報が警察上層部に上がらなかった」は警察だけでなく、全マスコミでも情報が上に上がらなかったということなのだ。

となると、①に関して「当時の警察は間抜けだったのかな?」と思えたが「全マスコミも間抜けだったのか?」となる。でも、それは有り得ないだろう。たった1本の電話が忘れられた。上に上がらなかったならまだ分かるが、多くの電話連絡が全て無視された。上に報告されなかったというのは不自然。

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こうなると別の考え方をした方が納得を行く。何らかの理由で本当の墜落地点を報道することができなかった。あるいは別の場所が墜落地点であるという、ある筋からの情報が来ており、それを信じて上野村からの情報は全て間違いであると断定した。その2つが考えられる。

では、ある筋とはどこか? まず思い浮かぶのは警察だ。しかし、その警察も間違った現場を捜索し、見つかりませんとの連絡を何度も上に上げている。

「でも、取り合ってもらえなかった」

と現場警官の証言をNHKスペシャルでも伝えている。さらに、上野村では

「一晩中、墜落地点の上をヘリコプターが飛んでいて、サーチライを当てたりしていた」

との目撃情報が多数あることを青山さんの本は伝えている。そこから考えると、警察では上層部に情報が上がらなかったのではなく、上がっても受け止めなかった。なぜなら、本当の墜落地点を特定し発表することができなかったのではないか?と思えてくる。その理由は何か?

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「行方不明」と報道している間に墜落現場の上空を飛んでいた多くのヘリの存在がある。自衛隊が到着するのは16時間後。何かの作業をしていた。何をしていたのか? 実はその作業を秘密裏に進めるために、本当の墜落場所を報道するのを止めていたのではないか?と思えてくる。

NHKスペシャルでは「上野村から多数の目撃者が本当に墜落現場を警察、マスコミに電話した。NHKにも連絡した」ということを完全に無視。1人だけが警察に電話したという事実だけを紹介しているだけだ。そして、なぜ、上層部に情報が上がらなかったのか?の検証はしていない。さらに自局でも同じ連絡があったことにも触れていない。

上野村の住人が目撃した深夜のヘリコプターのこともNHKは全く触れていない。天下のNHKがその目撃者を発見できなかったのか? そんなことは有り得ない。今でもその村に行き聞き込みをすれば聞ける話だろう。では、そもそも、目撃者なんていない? 青山さんの創作? そうも思えない。というのは決定的な物証が存在する。(つづく)


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