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沖縄戦ー作業報告。1人ブラック企業への道? [編集作業]

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沖縄戦ー作業報告。1人ブラック企業への道?

昨日は結構、作業が進んだ。シュガーローフの戦いまで書いてあったナレーション原稿。作業がその後のパートに進んだので、まずそれを書く。いよいよ、沖縄戦の最終章である摩文仁の丘である。そこまでのナレーションを書く。

僕の映画は必ずモノローグで始まるが、劇映画の場合は編集時のモノローグの尺をとっておいて、あとで俳優さんに来てもらいスタジオで声を録音する。が、ドキュメンタリーの場合はシナリオにナレーションが書かれているわけではない。取材し、編集してから、ナレーションを考えて書く。

また、劇映画はナレーションやモノローグはあくまでも補足的なものとして一部で使うが、ドキュメンタリーではメインであり、その語りで作品が進行する。「プロジェクトX」で言えば田口トモロウさんのナレーションだ。

だが、編集中は当然、ナレーションは入っていない。劇映画の場合はそのパートが少ないので、編集時も「ここにモノローグが入るんだよなあ」とシナリオに書かれたモノローグ台詞を思い出しながら作業すればいい。それがドキュメンタリーの場合はあまりにもナレーションが多いので、編集時に戸惑う。そこで粗編集した後にナレーション原稿を書いた。

それに合わせて尺を決めて、ナレーションの言葉で出て来る映像を入れ込む。でも、それは分かりづらい。ナレーションを読む人によって速度が違うので、どのくらいの尺が必要か? その計算が大変だ。原稿を見ながら自分で読んで見るのだが、画面を見て、原稿を見て、んー少し長いかな?とかいつもイライラ。

誰か、助手がいて、原稿を声を出して読んでもらい、僕が画面を見ているとと言うのなら、やりやすいが、そんな助手もいない。そこで今回考えたのが、ナレーションを全てテロップにして画面に付けてしまう。そうすれば画面を見ながら自分で声を出して読むことができる。簡単に言えばカラオケ・ビデオと同じ。

なぜ、それが今回できたか?と言うと、編集ソフト新型FINAL CUTproXを使っているからだ。専門的な話になるが、旧型の「7」の場合。原稿を用意しても、それを見て新たにFINAL CUTのウインドウに文章を打ち込まなければならない。窓は小さく、作業が大変。だから、文字入れは最後の最後にしていた。

それが新型の「X」はWordに書いた文章をコピー&ペースト出来るようになっていた。打ち込みの必要がない!物凄い時間の短縮。だって、Wordで書いた大量の文章を、FINAL CUTで、もう一度、打たねばならないと言うのは、2倍の時間が必要。それが半分で済む訳だその作業を昨日、行った。

こうすればナレーションの声を入れる前段階で、どこでどんなナレーションが流れるか?目で見て確認することができる。それをエピローグ前まで。と言っても、まだ挿入していないエピソードもある。記録映像もとりあえず入れてあるだけ。その辺を詰めていかねば。

ひと昔前なら編集はリニア編集(詳しくない方、ごめんなさい。説明すると長くなるので!)で、単に映像を繋ぐだけだったが、ノンリニア編集が登場。初期はpremierを使っていたが、FINAL CUTに乗り換え、「7」を10年ほど使った。素材を繋ぐだけでなく、エフェクト、ディゾルブも同時にできる。

昔は、本編集のスタジオに行ってから「そこはオーバーラップで。2秒で.......違うなあ......じゃあ3秒で!」とオペレーターにお願いしてやっていた。1時間数万円のスタジオだ。何度もやり直すと時間がどんどん過ぎていく。Pから「早くやってくださいよ」と急かされる。それがFINAL CUTなら心ゆくまで何度でも直しができる。

ま、その分時間がかかり、ギャラは変わらないので、時給がどんどん安くなると言う首絞め現象にも繋がったが、大事なのは作品クオリティ。時間があれば何ヶ月でも編集してしまう。以前より、かなり色々できるようになったので、ありがたい。ま、こうして「1人ブラック企業」になっていくのだけど....。


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当たり前の沖縄戦史ーそれだけで日本人が知らない事実の連続? [沖縄の現実]

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当たり前の沖縄戦史ーそれだけで日本人が知らない事実の連続?

過去の記録を調べて発見した驚愕の事実とか、封印されていた歴史とか、隠された真実とか言う報道やスクープがある。が、今回の「沖縄戦」ドキュメンタリーはその手のものではなく、すでにマスコミが報道、学者が検証した「沖縄戦」の歴史を紹介するものだ。

しかし、取材していると、すでに事実とされ、書籍にも記され、テレビ・ドキュメンタリーでも描かれている史実をいかに多くの日本人が知らないか?を思い知った。もちろん、僕自身が沖縄について何も知らなかった。が、いろんな人に聞いても、ほとんどが知らない。

「酷いことがあった」「大変だった」

と言う印象はあるが、具体的に何があったか?を知る人はほとんどいない。何より学校の授業では太平洋戦争まで行かない。終戦記念日に放送されたドラマを見たとか、「サトウキビ畑の歌」は明石家さんま主演でかなり話題になったが、そうやって沖縄戦の断片を知るしか機会がなかった。

実際、取材して沖縄戦がここまで酷いものだとは思わなかった。もちろん、戦争なのだから、酷いに違いない。が、その在り方が他と違う。まず、日本軍にとって沖縄戦とは、沖縄を守るための戦いではなく、本土決戦までの時間稼ぎのための戦闘だったと言うこと。

「勝たなくてもい。とにかく長引かせて、持久戦に持ち込め!」

それが軍の方針であり、第32軍はそれを実行したのである。そのために子供から老人。民間人が数多く動員され、戦闘に巻き込まれて死んで行った。さらに住民の避難を考えない軍の行動で、また多くの死者を出している。

つまり、日本軍にとって沖縄の人々は本土を守るための捨て石だった訳である。日本政府は沖縄を犠牲にして本土を守ろうとしたのだ。そんな普通の沖縄戦史を見つめるだけで、驚きと悲しみを次々に感じた。そこから、いろんなこと見えてくるはずである。


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