SSブログ

沖縄で知ったこと。辺野古建設について。アメリカに対して怒っているんじゃない? [沖縄の現実]

DSCN9415.jpg


沖縄で知ったこと。辺野古建設について。アメリカに対して怒っているんじゃない?=事実は報道されていない?

沖縄には7回ほど取材で訪れた。2年がかりだ。その間にいろんな方から、いろんなお話を伺った。戦争体験者のお年寄りばかりでなく、大学の先生、議員さん、活動家、お坊さん、芸術家、事情通と、いろんな方々からいろんな情報を教えてもらった。

辺野古基地の報道。東京にいても伝わってくる。でも、テレビを見ていても分からないことが多い。沖縄で聞くと、市民はアメリカに対して怒っているのではないという。でも、アメリカのための基地だ。アメリカに怒らずに誰に怒っているのだろう?

「日本政府ですよ!」

辺野古反対を表明する知事候補が当選したにも関わらず、市民の反対を押し切り、強硬に工事を続ける日本政府に対して抗議し、怒っているという。事情通に聞くとこう言われた。

「要は日本政府がアメリカ様のためだという建前で工事を強行し、土建屋たちを儲けさせているだよ」

工事は数兆円。それを請け負うのはアメリカの会社ではない。日本の大手建設会社だ。

「その会社にいるのが、菅官房長官の息子だよ!」

調べてみると、その通り。T建設。それも入札で政府の考える工事額とピッタリの値段を出して、仕事を請け負っている。そこに官房長官の息子がいるとなると、誰でも怪しいと思ってしまう。

「つまり、普天間を返してもらわないといけない。代わりの基地だ。と言いながら金儲けをしている奴らがいるんだよ」

ただ、こう思う人も多いだろう。

「沖縄は基地問題で大変だ。でも、中国のことを考えると基地があることで抑止力となつている。基地をなくすと中国が攻めてくるかもしれない....」

これも解説してくれた。

「沖縄にいる兵隊のほとんどは海兵隊なんです。彼らは攻撃のための部隊。沖縄を守るためにいるんではないんだ...」

調べてみた。海兵隊というのは、ノルマンディ上陸作戦等で最初に切り込んだ部隊である。だが、時代の推移と共に戦争のやり方も変わり、その手の攻撃はもう行っていない。最初は空爆からスタート。海兵隊の活躍する場はもうない。なので彼らは自然災害の対応とかに回されて仕事がなくなっている。

しかし、なくすことはできない。給料は払わねばならない。そこで沖縄に駐留させて、日本の思いやり予算で賄う。だから、アメリカは沖縄の基地に海兵隊を置いている。ということらしい。日本を、沖縄を守るということではないのだ。そして、オバマ大統領が日本に来た時にスピーチしていたが、

「米軍は沖縄からグアムへ移転していく」

そのスピーチをNHKが誤訳して放送。

「普天間から辺野古へ移転していく」

と字幕を出した。そして他のマスコミもそれに準じた。「意図的じゃんねえか?」とも思える。要は日本側が

「アメリカ様。そんなことを言わずに沖縄にいてください。新しい基地も作りますから!」

というのが本当のところだという。だから、沖縄の市民はアメリカではなく、日本政府に怒っているというのだ。

実際、基地の返還は行われている。跡地はリゾート地となり多くの観光客が訪れ、収益を上げる。北谷にあるアメリカン・ビレッジがそれだ。当初は「アメリカが未だに沖縄を占領している」と思えていたが、そうではなく「日本の勢力が基地を引き止めている。なぜなら既得権益で潤うため」なのだろう。

そんな風に地元の方々からいろんな話を聞いた。今回の作品は沖縄戦なので、そこまでは描けないが、作品をきっかけに現代の沖縄にも興味を持ってもらえればと思っている。



沖縄戦ビジュアル3.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:地域

編集作業は当初の予定通りに映像を繋ぐことではない。作品の声を聞き、育てて行くこと? [編集作業]

49838134_2373260362748254_6469178692986732544_n.jpg


編集作業は当初の予定通りに映像を繋ぐことではない。作品の声を聞き、育てて行くこと?

あっという間に三が日が過ぎてしまう。世間が休んでいる間に少しでも作業を進めようと思ったのに大した前進がないまま、4日。昨年の疲れが出たのか?集中力がなく、思考ペースも遅い。まあ、盆暮れは日本人が休む期間。その間も働こうというのだから、無理も出てくるか?と思っていたら、4日は深夜まで仕事できず。0時前に体力尽きて、そのまま就寝。かなり早い時間だ。

翌日も午前中に起きて作業を始めようと思ったら、何か調子がいい。前日に早く寝たことで疲労回復したのかも? そんな訳で5日は結構仕事が進んだ。何より頭の回転がいい。まず、太平洋戦争の年表と沖縄戦の年表を作る。大体は頭に入っているが、正確な月日が知りたかった。

現在、使用しているFINAL CUT Xは非常に優秀で、テロップ入れが「7」より簡単で多種多様。いろんなスタイルを実践できる。そこで本来なら最後に入れるテロップをこの段階で作り、すでにタイムラインに並べてある記録映像の間に入れて行く。

「米軍空襲を開始」「艦砲射撃を始める」「上陸開始」「嘉数高地の戦い」「シュガーローフの戦い」「首里城攻略」

すでにそれらの映像をライムラインには並べてあるが、テロップを間に入れることで整理され、分かりやすくなる。さらに沖縄戦以前の説明パート。こちらも詳しく描くと全10巻の作品になるので、簡単に紹介するが、「真珠湾奇襲」から米軍が沖縄攻撃を始めるまでをナレーションで描く予定。その間の戦闘をテロップで入れて行く。

それにより非常にドキュメンタリー色が出てきた。年月のテロップが入ると、歴史の流れが明確になる。今回の作品。体験者の証言が中心だが、それ以前に沖縄戦の流れを説明しないと、証言の背景が伝わらない。そんな風にドキュメンタリーは料理を作る時に、ひとつずつ素材を加えることで、味や風味が広がって行くのと同じで、作品の世界観が広がって行く。

基本の流れはプロジェクト開始の時に決めてあるが、その通りに繋ぐだけでは良い作品にならない。取材というのは運も強く、予定していた人に話を聞けないこともある。逆に思いも掛けない人と出会えて、素晴らしいお話が伺えることもある。必要な記録映像がもらえない。そのまた逆もある。最終的に揃った素材と当初の流れを照らし合わせ進める。

その時に当初の流れを重要視する必要はない。机の上で、紙の上に書いた文章は現場に行く前に作られたもの。大事なのは現場。それを優先させて、活かせる構成にすることが大事だ。これが映画でも同じ。シナリオに書かれていた感動シーンがさほど感動できないということもある。逆にそれほどでもない場面が感動シーンになることもある。編集は上がった映像を大事にし、シナリオにはこだわらず仕上げて行く。

そんな訳で昨日はかなり進展した。作り手の僕にも方向性と全体像が見えてきた。よく言われること。

「監督は最初から完成像を分かっていて作っているんですよね?」

いえいえ、作っている内にいろんなことが見えて来て、作品に導かれて作って行く。作るというより育てるという感じ。作品自体が主張し、方向を叫び出す。その声を聞いて、応援、後押しするという感じだ。それはドラマもドキュメンタリーも同じ。

だから、作り手の僕自体が「こんな作品になるんだ〜」と驚くこともある。でも、シナリオ通りに完成するより、遥かに感動的なものであることが多い。それをお役所的に最初に決めた通りにすると、

「決めた通りだけど、なんか感動できないなあ」

という上がりになってしまう。作品は生き物だ。その声を聞くこととても大事なのだ。本日も編集を続ける。いよいよ明日からは世間も動き出す。


沖縄戦ビジュアル3.jpg
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:地域