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緊急事態宣言で部屋に籠る=これは勉強の機会と考える。人生最後の学びの時間かもしれない。 [コロナウイルス]

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緊急事態宣言で部屋に籠る=これは勉強の機会と考える。人生最後の学びの時間かもしれない。

コロナ騒動。あれこれ仕事が中止、キャンセル、延期になり、自粛要請に従い自宅に籠っている。皆、大変な思いをしていると聞くが、僕の場合。幸いなことに、その手の生活には慣れている。シナリオ執筆、編集の時は部屋に3ヶ月ほど籠る。出版業界でいう缶詰状態。

誰にも会わず、外出も極力せず、パソコンに向かう。何週間も人と話さない。むしろ話してしまうとシナリオや編集の霊が離れてしまう。「みんなで集まってパーと騒ぎたい!」とかいう思いはない。若い頃は「宴会の帝王」と言われたが、今は人が集まるのは苦手。監督らしからぬ性格。

仕事の連絡もなく(少しだけある)締め切りもなく、催促もなく、自由な時間があること。僕の場合。ラッキーと考えることができる。ま、収入がなくなり、経済的には大変。だが、この15年ほど本当に忙しくて、一つの映画が終わると、また次が始まるという連続。

「もっと詳しく調べたい!」と思っても時間に追われて次の作業に進まねばならなかった。また、大量の資料を集めるが、それがそのまま机の上に山のように(ゴミ屋敷への道? ゴミではなく資料だが)積まれている。買ったのに見ていないDVD、読んでない本も多い。

もし、映画製作が続いていたら、死ぬまで整理することも、さらなる勉強をすることもできずに終わっただろう。現代を舞台にした作品なら、そこそこの調査でもシナリオを書けるが、今、一番関心がある「戦争」を題材とするならそうは行かない。「ドキュメンタリー沖縄戦」では太平洋戦争を勉強したが、ヨーロッパ戦線は手付かず。ヒトラーのことも驚くほど知らない自分に気づく。太平洋戦争ももっと深く知りたい。

その意味で緊急事態宣言の中、これまでやれなかったことを徹底してやる時間だと考えるようにした。間も無く60代。人生最後の勉強の機会だ。学校で教えられたことは役に立たない。自分で学ぶしかない。そして、コロナ対策で後手後手の政府。情報隠蔽。国民軽視。まさに戦時中の日本だ。その意味でも「戦争」を見つめることは現在を知ることにも繋がる。


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太平洋戦争をさらに詳しく勉強?「太平洋の嵐」 「パールハーバー」「ミッドウェイ」 [戦争について]

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太平洋戦争をさらに詳しく勉強している。

「ドキュメンタリー沖縄戦」を監督して感じたのは、日米それぞれの視点があるということ。日本映画では「我々は被害者だ」というスタイルで描きがち。自らが加害者でもあるのだが、そこは描かないことが多い。

アメリカもアメリカで昔は「史上最大の作戦」等、「俺たちがナチスと戦い世界を守ったんだ」というスタイルの映画が多かった。しかし、沖縄戦で住民はアメリカ兵に攻撃されながら、日本兵からも苦しめられていた。

言葉だけでは書け尽くせない屈辱や行為を受けている。戦争を見つめるためには複数の視点が必要だと感じた。さらに詳しく知るために、同じ戦闘を別の角度から映画で検証。

●日本映画で真珠湾奇襲からミッドウェイ海戦までを描いた「太平洋の嵐」

●アメリカ映画で真珠湾を描いた「パールハーバー」

●アメリカ映画でミッドウェイ開戦を描いた「ミッドウェイ」

見比べることで、いろんなことが見えてくるはずだ。比較が物事を知るための第1歩だ。


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戦争を知るのに一番いい方法は? 文章より映画?! [戦争について]

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戦争を知るのに一番いい方法は? 

教科書だと文章で「1941年12月、日本はハワイの真珠湾を奇襲。太平洋戦争が始まった」と書かれている。が、それではほとんど何も分からない。日本はどのような奇襲したのか? どんな戦闘があったのか? どんな戦艦や戦闘機で攻めたのか? まるで分からない。当時の写真が添付されていても、スチール写真で分かることは少ない。

本を読んでも同じ。沖縄戦について書かれた書籍をいくつも読んだが、戦場がイメージできない。住民はどんな衣服を着て、どんな表情でいたのか? 伝わって来ない。その点、「はだしのゲン」等の漫画を読むと、いろいろ分かる。日本を爆撃した米軍の戦闘機はどんな形か? 人々はどんな服装で、どんな家に住んでいたのか? 絵による表現はいろんなことを伝えてくれる。

が、漫画も戦場を描くのは難しい。音を伝えることができない。戦車はどんな音を立てるのか? 手榴弾が爆発した時の音は? また、絵よりも映像の方がリアルに伝わる。戦車、戦闘機、空母、火炎放射器、機関銃。人々の苦しみも感じられる。沖縄戦の勉強時もそうだったが、戦争を知るには文章より絵、絵よりも映像の方が伝わりやすい。そう考えて、あの時はまず岡本喜八監督の映画「沖縄決戦」を見た。

そのあとに、あれこれ読めば「あーこの説明があの映画のあの場面か」と分かる。もちろん、映画は監督によってテイストが変わる。日本人は犠牲者だ!という作品にもなるし、「日本人こそが侵略者だ」と描く映画もある。国籍によっても見方が変わる。その意味で戦争を知るには、まず、いろんな国の戦争映画を見ることだと思える。そしてドキュメンタリー。それから書籍。

太平洋戦争を知るなら「トラトラトラ 」「太平洋の嵐」「ミッドウェイ」「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」「ザ・パシフィック」といろいろ見て行くことで分かってくるはずだ。もちろん、その辺は以前に見ている。が、歴史の流れを知った上で見ると違う印象があるはずだ。それをしばらく続けて行く。


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有名になりたいと思ってなかったが、有名になることで多くの人に作品を観てもらえるのが監督業 [映画業界物語]

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有名になりたいと思ってなかったが、有名になることで多くの人に作品を観てもらえるのが監督業。(2014年11月7日)

若い人たち「有名になりたい!」という。有名になり、賞賛されたい。あるいは、「今までバカにしていた奴らを見返したい」という思いがあるからだ。が、僕は昔からそんな思いがない。最近まで自分が思った映画を作り、多くの人がそれを観て、笑ったり、感動してくれれば、僕自身が有名にならなくてもいい。と思っていた。

そんな、ある日。友人でもある、有名女優さんの舞台を見たあと、楽屋に挨拶に行った。その女優さん。誰もが知る国民的女優。その話をするとこう言われた。

「太田さん。それは違いますよ。有名になれば、いろんな仕事の依頼が来る。そして自分がやりたい仕事ができるようになる。だから、有名になることは大事なんですよ!」

...その通りだ。自分のやりたい仕事をすることで、この10年、ずっと苦労してきた。映画の世界で監督業に就くだけでも大変。まして、食って行くのは至難の技。生活のために、嫌な仕事でもやらねばならない。ある友人は隠れてアダルトビデオの演出をやっている。あるいは企業映画を撮れても「なんだ、これは! 誰が観るんだよ〜」というシナリオで監督せねばならないことも多い。

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まして、自分が本当にやりたい企画。作りたい映画を監督できるのは宝くじに当たるより難しい。いや、どんな映画でも監督するだけで至難の技なのだ。友人の中には「監督させてくれるなら、ゲイのプロデュサーと寝てもいいけどなあ」という奴もいるが、ハリウッドと違い、日本ではそれもなかなかむずかしい。

そんな世界で本当に撮りたい映画を作るには、その国民的女優さんがいうように、監督自身が有名になることは大事なのだ。黒澤明監督が「影武者」の製作費が足りず困っていたとき、フランシス・コッポラとルーカスが支援を提案。それでスタートできた。「夢」のときはスピルバーグ。黒澤が世界的に有名だからこそ、そんな提案があったのだ。

世界的に有名でなくても、業界で有名なだけでも、仕事依頼が増える。発言権も増す。自分が本当に撮りたい映画を撮れるようになっていく。監督が有名になるということはやはり大事なのだ。こんなこともあった。僕は毎回、宣伝も担当する。インタビューに答え、舞台あいさつをするだけでなく、ブログやFacebookを書く、動画を投稿。Twitterもやる。

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特に舞台挨拶は毎回ウケて、そこそこお客さんが来てくれる。最近では友人監督のトークイベントにも呼ばれる。FBは「友達」が1700人を超え(注、現在は5千人ほど)ブログは毎日1000件アクセス。ツイッターは2500人(現在は8千人弱)のフォロアー。劇的に数が増えた。そのことで監督作が知られるようになり、各地でヒットする一因となった。

「有名になりたい!」とか全然思ってなかったけど、僕のことを知ってくれる人が増えたことで、映画を観てくれる人も多くなればいいか!と思うようになった。が、知名度が上がるとマイナスが多く。Facebookでは嫌がらせが増えた。ネットでの誹謗中傷も多い。同業者からの妬み、嫌味、批判も増えた。

それでも僕が前面に立つことで、映画をアピールできるなら、映画を観て感動してくれる人が増えるということ。監督にとって嬉しいのは、そこだ。僕が前に出ることで知名度が上がり、より多くの人に声が届くようになれば映画もヒットする。多くの人に感動を伝えることができる。だったら有名になるしかないか?そんなふうに開き直っている。(2014年11月7日)



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マリー・アントワネットの有名な言葉を思い出す! マスク二枚=いつの時代も上流階級は同じ? [コロナウイルス]

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マリー・アントワネットの有名な言葉を思い出した?

18世紀のフランス。国民が飢えてパンも買えない状態の時、彼女は「パンが食べられないなら、お菓子を食べればいいのに」と言ったという。事実ではなく創作だとされているが、マリーアントワネットがどういう人であったか?がよく伝わる言葉だ。

「ベルサイユのばら」の時代。それも異国フランス。リアリティを持ちにくい。いくら高貴な立場の人とはいえ「パンがないから、お菓子」なんてバカなことを言うだろうか? と思っていたが、それに強烈なリアリティを与えてくれる日本人が現れた。

時は現代。日本はコロナ感染。自粛要請が出され、都内の多くの店は営業を休止。そのことで収入が断たれ経営者たちは大変な状態。従業員の給料。バイト料。家賃。光熱費。それらは払わねばならない。給与を払わないと、今度は従業員の生活が成り立たなくなる。会社員は感染が怖いからと通勤電車に乗らないと、給料がもらえない。

1ヶ月も続いたら、多くの店が潰れ、路頭に迷う人も出てくる。生活が困窮し、自殺者も出るだろう。そんな時に政府が国民のために考えたのが「お肉券」次が「お魚券」そして「マスク二枚」発案者は総理にこう言ったと言う「マスクが足りません。これで不安はパーと解消しますよ」だが、不安は怒りに変わり批判殺到。

次にやったのが「自宅で犬とくつろぐ総理の動画」配信。想像を絶していた。どう考えても、あの映像を国民に見せようとは思わない。怒りを買うだけだとなぜ気づかないか? と思った時にマリーアントワネットを思い出した。上流社会の人たちが国民の気持ちや状態が想像できないのは、あの国に限ったことではないと言うことだ。

現在の総理大臣が「お菓子を食べれば」発言以上のことをやって国民の気持ちを逆なでする。時代が変わっても高いところにいる人たちが愚かなのは変わらないと言うことか? あるいはフランスのあの方をぶっちぎる行為をしてしまう日本の総理が凄いのか? どちらかは分からないが、マリー・アントワネットのセリフは創作ではないように思えてしまう。



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太平洋戦争をさらに詳しく勉強している。 [戦争について]

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太平洋戦争をさらに詳しく勉強している。

「ドキュメンタリー沖縄戦」を監督して感じたのは、日米それぞれの視点があるということ。日本映画では「我々は被害者だ」というスタイルで描きがち。自らが加害者でもあるのだが、そこは描かないことが多い。

アメリカもアメリカで昔は「史上最大の作戦」等、「俺たちがナチスと戦い世界を守ったんだ」というスタイルの映画が多かった。しかし、沖縄戦を取材して分かったこと。住民はアメリカ兵に攻撃されながら、日本兵からも苦しめられていた。

言葉では書けない屈辱や行為を受けている。戦争を見つめるためには複数の視点が必要だと感じた。さらに詳しく知るために、同じ戦闘を別の角度から検証する。

●日本映画で真珠湾奇襲からミッドウェイ開戦までを描いた「太平洋の嵐」

●アメリカ映画で真珠湾を描いた「パールハーバー」

●アメリカ映画でミッドウェイ開戦を描いた「ミッドウェイ」

見比べることで、いろんなことが見えてくるはずだ。比較が物事を知るための第1歩だ。


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映画製作が決まり、最初にスタートするのが脚本=だが、ちょっと違うユニークなスタイルがある? [映画業界物語]

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映画製作が決まり、最初にスタートするのが脚本=だが、太田組はちょっと違うユニークなスタイルがある?

脚本ーこれがないと映画製作は始まらない。太田組の場合。脚本は監督である僕が全て書いているので、いきなり仕事が始まる。が、脚本もいきなり机に向かい、書き出せるものではない。

例えば「朝日のあたる家」なら原発につて調べる。取材する。自身が知らないことは書けない。まず、原子力発電について勉強。次に福島の事故について詳細に把握。その影響、被害を調べる。また、福島第1原発以外の原発も取材する。特に同じ太平洋側にあった福島第二原発、東海第二原発、女川原発等はなぜ、大きな被害がなかったか?を調べると福島原発の問題点も見えてくる。

日本だけでなくチェルノブイリ原発、アメリカのスリーマイル島の事故も調べる。そして放射能についても把握。セシュム、プロトニュウム、ストロンチュウム。半減期は何年か? また、原発を推進してきた原子力ムラとは何か? どんな企業を言うのか? なぜ、日本は原発を国策として勧めてきたのか? 何より東京電力とはどう言う会社なのか?を学ぶことが必要だ。

大変な作業ではあるが、この辺は映画製作が決まる前、東日本大震災直後から興味を持ち、2年がかりで自主的に勉強していたので大いに助かった。それらの知識を頭に置きながら、物語を考える。これは事故後に放送された報道番組、ドキュメンタリーをヒントにした。できる限り、事実を元にストーリーを作る。それを基本とした。

シナリオを書くときに大切なことは、興味深い物語を作ることも大事だが、もう一つある。制作費だ。「原発が爆発し破片が砕け散る様をCGで描きたい」なんて考えると、億単位の費用が必要になる。なので、予定している製作費内で賄えるストーリーにせねばならない。金がないので面白い物語にならなかった...ではダメ。その中で最高に興味深く、悲しみが伝わるようにするのが腕なのだ。

脚本が出来たら本来、製作部がロケハンをして、物語にふさわしい場所を探してくれる。が、太田組はそれも僕が担当。と言うか、ロケ地を先に決めてシナハンをすることが多い。その街に相応しい物語を考え、どの場所でどんな事件が起きるか? 場所を先に決めて書くことが多い。どうしてもいい場所がない場合だけ、シナリオが出来てから探す。もし、素敵なロケ場所が見つかったが、そのシーンを撮影するのは難しい場合は物語を直して場所が生きるようにする。

そこまで行ったら、ここからが本来の監督業。決まったロケ地でどのように撮影するか? ショット、カット割りを考える。が、この時期からはプロデュサーの仕事もせねばならない。製作費の割り振り。キャスト費、機材費、宿泊費、食費、交通費をどんな割合にするか? だから先のシナハンのときに安い宿舎を見つけたり、交通の便を確認もする。

そして地元との交渉。こちらに時間がかかり先の監督の仕事の時間が足りなくなることも多い。本来なら、Pと監督がいるので、同時に作業できるが、僕1人で両方するので、真夜中まで地元で打ち合わせ。ホテルに戻って朝までカット割り。シナリオ直し。早朝からメインロケハンということもある。

結果、僕個人は完成後に毎回、過労で倒れるが、製作費の2倍から3倍のスケールの作品ができる。1人で4人分の仕事をすることで人件費節約(4人分はもらわないし)脚本とロケハン。Pを担当することで融通が利く。3000万の製作費なら通常はホームドラマのようなものしかできないが、太田組では6千万から9千万の内容のものができる。

これには悪徳製作会社を排除が絶対。不要な金を抜かない。誤魔化しをしない(通常の製作会社は20〜30%を抜く、酷いところは50%というとこも!)でも、うちは製作費を100%映画につぎ込む。そして何よりスタッフ、キャストが厳しいギャラでもガンバってくれるということが大きい。

長くなったが、撮影までのそれら作業の内。題材を勉強する。取材するという部分。近年、余裕がなく、反省するところ。「ドキュメンタリー沖縄戦」は3年勉強したが、まだまだ時間が欲しかった。その意味でコロナ感染で自粛の今、時間だけはある。今後、手がけたい映画の題材を徹底して勉強する機会と言える。


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戦争を知る監督が作った超大作「太平洋の嵐」オールスターの力作。 [戦争について]

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戦争を知る監督が作った超大作「太平洋の嵐」オールスターの力作。

前回、見たのは15年以上前か? 大森キネカの大スクリーンで見たはずだ。当時は戦争映画に興味がなかったが、お世話になっていた松林宗恵監督の作品ということで見た。それが今、「ドキュメンタリー沖縄戦」を完成させた後に見直すと、あの時は気づかなかったものをいろいろと感じた。

映画自体は戦記もののスタイルで進み、真珠湾奇襲からミッドウェイ海戦までを描く。飛龍が沈む場面。夕陽が海に落ちていくシーンで「終」が出れば、まさに戦記映画。だが、そこで物語は終わらず、さらに5分ほどのシーン。そこで一気に反戦映画となる。戦闘機に青春を人生を賭けた若者たちはなぜ、そんな仕打ちを受けるのか? そこに海軍士官を経験した松林監督の思いが籠る。

しかし、実物大の零戦が何機も登場。空母の甲板もリアルに出てくる。1960年の作品。CGではない。重量感が凄い。戦闘シーンの多くは円谷英二のミニチュアだが、兵士の言葉、動き、様に、やはり戦争を知る世代が作った映画のリアリティと迫力がある。近年の戦争映画。CGで迫力はあるが、戦争を知らない世代の監督が作っているので、何か軍隊や戦争。特攻隊に対する憧れが感じられてファンタジーのように思える。

そんな戦争を知り、戦争を描いた松林監督には晩年とてもお世話になった。今、思うともっといろんなことを聞いておけばよかった。戦場のこと。海軍のこと。戦争映画の撮影現場のこと。それをお聞きする機会が何度もあった。が当時は戦争に全く興味がなく、まさか15年後に「ドキュメンタリー沖縄戦」を監督するとは思いもしなかった。

「太平洋の嵐」はキャストも凄い。三船敏郎、鶴田浩二、田崎潤、藤田進、上原美佐、志村喬、加東大介、夏木陽介、佐原健二。そして僕の「明日にかける橋」にも出てくれた宝田明さんも出演。日本映画の総力戦とも言える作品である。amazonプライム(有料分)で見られるのでぜひ。


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