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「コロナで映画界は壊滅状態ですよ」と言う業界の友人。 [映画業界物語]

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「コロナで映画界は壊滅状態ですよ」と言う業界の友人。

まさにその通りだ。まず、撮影ができない。アクション映画も、恋愛映画も濃厚接触が必要。毎日、検温、感染予防。セット、ロケ地の消毒。そのために対策チームまで設置。その人員のギャラを払わねばならない。

大きなロケバスで移動ができない。小さな車に分かれて乗る。そのためにレンタカー代もかかる。地方ロケ。地元に嫌がられる。「東京から何十人も来られたら感染が広がる!」と恐れられる。宿も拒否されがち。エキストラも集まらない。それでもテレビは無理してやっているが、先の宣言で撮影中止になったところも多い。

多くの映画が撮影延期、中止。スタッフ、キャストの仕事がなくなる。補償はなく、貯金を削って生活する人多数。映画館にも人が来ない。一度も感染が出ていないのに緊急事態宣言で、書き入れ時に休業要請。莫大な収入を失っている。多額の宣伝費が無駄になる。公開延期も同様。映画は*月公開と決まったら、そこに合わせて半年以上前から宣伝を開始。延期すればそれが無意味。そこからまた宣伝せねばならない。そのためにまた多額の経費がかかる。

そんなことがもう1年以上も続いている。やがて潰れる映画館も出てくるだろう。独立系のミニシアターは特に厳しい。それらが潰れると大手しか残らず、隠れた名画やマイナーな名作を見るチャンスがなくなる。公開もできなくなる。安易に作った大手の映画だけが上映される。ミニシアターこそが思いある人たちが奮闘。地域に芸術文化を伝える仕事をしている。そんな彼らが不必要な自粛を迫られ苦しんでいる。音楽や演劇も同じ。

収束時期が見えないのも辛い。今年で収束!とか分かれば、苦しくても、それまで撮影を延期すればいい。来年1月に撮影ができるように、今から準備できる。が、準備しても、1月にはまだコロナが蔓延しているかもしれない。と、その準備がまた無意味。費用も無駄になる。そう考えると中止にした方が被害が少ないことにもなる。僕の予想だと、この秋にも収束が始まると踏んでいたが、逆に感染が増えている。

その理由の1番はオリンピックだ。「五輪やるなら、もう大丈夫だろ!」と緊急事態宣言にも慣れた国民が動き出した。「マスクしているから問題ない!」と街に繰り出す。こうして、過去最高の感染者が何日も続くことなった。小池や菅が利権を優先したため。「安全安心」なんかじゃないのに。結局、彼らがやっているのは、収束させるより感染拡大を願い。日本の経済をズタズタにすることなのだろう。

コロナ禍で依頼もない。そのために多くの映画人が収入の道を閉されている。特に監督や脚本家はアルバイトもできない。同世代はもういい歳なので、居酒屋のバイトも出来ない。いや、その居酒屋が自粛要請で閉めている。飲食業はまだ協力金がもらえるが、映画人には何もない。物凄く手続きが面倒な芸術給付金もあったが、額も知れており1回切りだった。Netflixの支援金は申請殺到。開始数時間で終了。それも監督と脚本家は対象外。

都知事の言う「自宅を病室として使う」は1人暮らしの映画人を死に追いやるかもしれない。コロナ感染での死亡ではなく、餓死と言うこともあり得る。僕も他人事ではない。そんな中で強行しているオリンピック。「苦しかったけど、頑張ってよかったです〜」と金メダルを見せる選手。特別な待遇を受け保護される彼らに拍手を送る気にならない。多くの日本人は今も苦しい。金メダルを噛みちぎってやりたくなる。


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「キネマの神様」=山田洋次監督の苦悩。俳優の存在感は巨匠でも埋められない。 [映画&ドラマ感想]

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「キネマの神様」=山田洋次監督の苦悩。俳優の存在感は巨匠でも埋められない。

今回も巨匠の名人芸を見せつけられ、ラストは涙した。ではあるが、いくつか指摘したい。そもそも今回の主演は志村けん。それが567で亡くなり沢田研二があとを継いだ。

黒澤明監督の「影武者」のときは勝新太郎が主演だったのに降板。仲代達矢があとを継いだ。どちらの俳優もよくやっているのだけど、そもそもが別の俳優のために書かれた脚本。その落差をどうしても感じてしまう。努力の問題ではない。今回もそれを痛感した。

だからこそ、ラスト近くで沢田が歌う、「東村山三丁目」は悲しいと言うより、残念感が漂う。もちろん、志村さんへの賛歌なのだが、それを劇中ですべきだろうか? ジュリーさんは俳優としても素晴らしい(「太陽を盗んだ男」「ときめきに死す」は本当に凄い)でも、やはりこの役ではないと思えてしまう。そこであの歌を歌うと「私は代役」と言っているよう聞こえてしまう。

できれば「勝手にしやがれ」を歌う方が感じるものがあった。そんなことを思いながら見ていると、あ。そうか...と気づく。山田監督の中ではこの役、志村さんでも、沢田さんでもないと分かる。渥美清さんではないか?と感じる。

孫とシナリオを書く時や嫁や娘に悪態を付くのは、まさに寅さんだ。そんな風に考えていて、それができるのは志村けんか?と山田監督は思ったのだろう。黒澤監督も「影武者」だけでなく、「乱」の主役イメージはそもそも三船敏郎。それをどんな名優でも代わりは効かなかったと思える。

それでも撮らなければならないのが映画監督。他人事ではない。沢田研二に渥美清をダブらせて演出する山田洋二さんの思い。ひしひしと感じた。黒澤は三船との決別。山田は渥美清。その失った大きなものを埋めることは他の俳優ではできないのだ。今回、志村けんならまだしも、沢田研二は渥美ではない。せめて鶴瓶さんなら.....巨匠の苦悩を強く感じた。また、別の側面から後ほど書く。


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「時代は変わる」大きく変わる。いつまでも酷暑は続かない? [MyOpinion]

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「時代は変わる」大きく変わる。いつまでも酷暑は続かない?

10年とか20年に1度。「時代の風が変わるな...」と思うことがある。多少、個人的な環境の変化もあるだろうが、そんな時に時代が変わる。

1980年。高校を卒業して横浜へ。映画学校に通った。何の役にも立たないことしか教えてくれなかったが、時代が大きく変化するのを感じた。音楽、映画、ファッション、文化。70年代とは違う波が押し寄せた。映画界で監督は老人と決まっていたのが、20歳前後の監督が次々にデビューした。が、その波は5年ほどで終わり。僕はそれに乗り遅れた。

80年前半は「Drスランプ アラレちゃん」と「うる星やつら」の時代だと思える。あと「オレたちひょうきん族」「笑っていいとも」皆、パロディ主流。それが後半になると「ドラゴンボール」「めぞん一刻」とひたむきな物語がうけるようになる。芸能界もアイドルよりバンド系に。そんな80年台の真ん中。「このまま日本にいても何も展開できない」と留学を決意。ロスアンゼルスの南カルフォルニア大学の映画科を目指す。

2年目。目的の映画科に合格。憧れのジョージルーカスの後輩になれたのだが、この学校も役に立つことを学べなかった。多くを学んだのは6年間のアメリカ生活。その間に日本はバブル経済に突入。世界一の金持ち国家になった。それを外から見つめた。その間、アメリカは自動車産業の不振等から不況が続き、アメリカ帝国の没落を感じた。それが90年頃から、また時代の風が変わる。帰国して日本で映画監督を目指すことにした。

時代は変わったのだが、思惑は大外れ。帰国した途端に日本のバブルが崩壊。そこから20年に及ぶ不況の時代が始まる。それでも帰国後5年で脚本家デビュー。2年後に監督業を始める。ただ、映画監督デビューは帰国から15年がかかった。ただ、そこからの15年はノンストップ。6本の映画を監督。何度も過労で倒れ、医者から「過労死するから休め」と繰り返し言われる年月となる。その間にリーマンショック、東日本大震災、があった。

そして今、帰国から30年。また時代の風が吹き始めている。原発事故で日本は大きく変わった。が、本当に意味では変わらなかったが、なのに今大きな時代の変化が始まった。567はその要因の一つに過ぎない。オリンピック も変化を感じるフォクターの1つ。まだ、言葉で明確に説明することはできないが、80年、85年、90年に感じた以上の変化を感じる。宗教は嫌いなので、お告げとかではない。

分かりやすく言えば、暑い暑い夏が続くが、ふと秋風を感じる。セミの死骸が転がっている。入道雲が鱗雲に変わる。季節を知っていれば「秋が近づいているんだなあ」と思うが、夏しか知らない者でも鋭い人は「あれ、何か違うな」と思う。夏しか知らない人は「何だかんだ言っても、まだまだ暑い日が続くんだよ!」と分かった顔でいうだろう。でも、秋は確実にやってくる。時代も同じ日々はいつまでも続かない。必ず次の季節がやってくる。それを感じる。

いい時代とは限らない。ただ、ここ1年の変化を見ていると、この30年。いや、戦後以来の大きな変化ではないか? 価値観が大きく変わる。そんな大転換があるのでは?という予感がする。だが、そこに至るまでにまだまだ厳しい暑さが続くだろう。時代を変える台風もあるかもしれない。いかに、その期間を耐えて、生き延びるか?が問われるのだろう。分かった顔をして「夏は簡単に終わらないだよ!」なんて言っていると、次の時代が来た時、慌てふためくことになる。そのための準備をする時期なのだ。どんな準備か? 人それぞれに違うのだが...。


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