想い出の街ー横浜。名画座通いの18歳。40年前の物語。 [思い出物語]
想い出の街。横浜。名画座通いの18歳。40年前の物語。
横浜は僕の人生がスタートした街だ。大阪の高校を卒業後。横浜暮しを始めた。映画学校に通いながら、映画監督を夢見て足掻いていた。1980年ー18歳だった。それからちょうど40年。僕が監督した6本目の映画、今、その横浜で上映されている。昨日は映画館で舞台挨拶。毎回、特別な思いがある。
舞台挨拶は2回。間が5時間ほどある。懐かしい伊勢佐木町ー日の出町ー黄金町を歩いてみた。18歳の頃。この辺でよく映画を観た。住んでいた四畳半一間、トイレ共同、風呂なしの下宿アパートからも電車で15分くらい。名画座もたくさんあって、2本立て500円とかだった。
暗闇でスクリーンを見つめながら、「僕もいつか、こんな映画を監督するぞ!」と思っていた。それから40年。本当にいろいろな事があった。何度も谷底に落ちるような人生だった。結局、映画監督デビューまでに25年かかった。が、そのスタート地点の街・横浜で今、自分の映画が上映されている。劇場近所のハンバーガーショップでコーヒーを飲む。当時よく流れていた歌をamazon musicで呼び出して聴いてみた。
サザン、南佳孝、矢沢永吉。あの頃の空気を思い出す。あの頃の風を感じる。街はかなり変わってしまったけど、窓外を見ると、18歳の僕が名画座に急ぐ姿、見えたような気がした...。