60歳を間近にして、あれこれ考える。人生あと20年? [2019]
60歳を間近にして、あれこれ考える。人生あと20年?
未だに50代という実感がないのに、数年後に60歳!と思うと怖いものがある。気分は今も17歳。「大人は信用できない!」と未だに思うことが多い。「お前こそが大人だ」と言われそう。なのに60歳なんて! 80歳まで生きたとして、あと20年。20年なんてあっという間だ。
20年前を考えると、40歳。映画監督デビューする少し前。そこから6本の映画を撮り20年近く。その計算だと死ぬまでにあと6本映画を監督するのか? いや、体力の低下もあるし、数年後には依頼がなくなり、監督業を続けられないかもしれない。80歳前に部屋で孤独死。あり得る。でも、そんな歳なのだ。
とうとう結婚もしなかったし、家庭も持たず、子供もいない。しかし、10代から「映画を作る」ということに全てを注いで来た。獣道を進んで来たので、結婚をし家庭を持っていたら監督業を諦めなければならなかっただろう。1人なら生活苦しくても何とかなるが、結婚していれば嫁や子供を食わせなければならない。監督業は1ヶ月働いたからと1ヶ月生活できる給料が出る仕事ではない。1年タダ働きということもあった。1人だから乗り切れたところがある。ただ、こういう人もいる。
「監督のことを理解してしっかり働く奥さんがいれば、健康も気にしてくれるし、仕事に専念できるでしょう?」
ま、そんな都合のいい人はなかなかいない。そして僕といるのは本当に大変だ。カタギの女性ではボロボロになる。それと若い頃にそこまで理解ある人と出会っていれば僕も無茶が出来な買っただろう。苦労をかけたくないと思ってしまう。モテないことが幸い。失うものがないのでここまで来れた。いつ死んでもいいと思うから、無茶ができる。過労死してもいいから7人分の仕事をし、突き進んでしまう。しかし、60代、70代になると、そんな無茶も体力的にできなくなるだろう。
ただ、80歳まで映画を撮るというのが目標ではない。毎回、遺作のつもり。だから、全力でやる。そう考えればやれるところまでやって燃え尽きるのも人生だ。養う妻や子供はいないので、迷惑をかけることもない。死んで作品が残ればオーケーだ。だが、とりあえずは「ドキュメンタリー沖縄戦」を沖縄で上映せなばならない。そして全国のに沖縄戦を伝えなければならない。沖縄の叫びを伝えなければ。
「ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶」
原発事故の悲劇を描いた映画「朝日のあたる家」(山本太郎出演)太田隆文監督作品
予告編=> https://youtu.be/81I-BLROlxY
12月9日(月)〜10日(火) 沖縄、那覇市、
パレットくもじ(県庁前)市民劇場
9日 ①午後3時〜 ②6時30分〜
10日 午前9時40分〜