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状況把握力とは何か?③ アメリカの危険なエリア、探検に行くという日本人たち。 [MyOpinion]

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状況把握力とは何か?③ アメリカの危険なエリア、探検に行くという日本人たち。

この能力。今の時代はとても大切だと思う。状況を把握し、問題点を見つけ、どう解決して前へ進むか?を考えるために必要な力。この能力に欠けていると、無意味なことに努力して、いつまでも問題が解決しないということになる。

しかし、日本の教育ではそれを育て育むためのものがなかった。1人1人は考える必要はない。状況把握はこちらでやる。その上で指示されたことを的確にやればいいと言う教育。その能力を選抜するのが、日本のシステムなのだ。

事実、義務教育の学科のほとんどは暗記が中心。あとは、与えられた公式に従って数式を解くような勉強。自分から問題点を探し、原因は何であるか?を探る授業はない。そのためだと思うのだが、状況把握力が著しく低い大人が多い。自分でものを考えない。誰かに言われたことしかできない。

子供に対しても「勉強しないさい」としか言えない。今の時代を把握すれば、与えられた勉強だけしていては、子供達が大人になった時に困るのは分かりそうなのだが、何をすべきか大人たちは指導できない。それは現状を把握できないから。なぜ、把握できないか? その種の教育を受けていないからだ。

学校を出て仕事を始めても、会社で上から言われたことをするだけ。自発的に何かを考えて、仕事をする機会は少ない。ただ、自営業の場合は求められる。あるいは、経営者。でも、大手はそれまでの流れに乗っていれば、今すぐ大きな問題が起きるわけではないので、能力のない2代目、3代目でも何とかなる。

しかし、大手でさえも間も無く訪れるであろう大激震を前には、その能力無くしては乗り切れないと思える。それはまた別の機会に語るが、多くの日本人は教育されていないために状況把握力が低い。例えば、海外旅行。アメリカのカフェで、椅子に荷物を置いて料理を取りに行く日本人が多い。

日本ではそれでいい。が、アメリカは犯罪が多い。荷物を置いて離れるなんてとんでもない。「だって、知らなかったんだ」というかもしれない。でも、周りを見れば、そんなことをしているアメリカ人はいない。よく見れば怪しい客だっている。貧しい人も街には多い。知らないだけでなく、そんな状況を把握する力に欠けているのだと思う。

LA留学中。後から来た若い日本人が危ないという地区にグループで探検に行くツアーを計画した。アホだ。危ない地区というのは本当に危ない。殺されるかもしれない。ナイフで脅されたり、銃で撃たれたりというのは映画の中の出来事。現実に起こると思っていない。それは勇気ではなく、サファリパークでライオンがいるエリアで、バスから降りるようなものだ。

そういう僕もアホの1人で、近くまで何度か行った。危険なエリアは近づくだけで、普通ではないものを感じる。五感を研ぎ澄ませていれば、これ以上進んじゃいけない!と感じる。が、その日本人グループはカメラを持っていき、浮浪者の撮影までしたという。動物園ではない。怒った浮浪者に追いかけられたというが、当然のことだ。

アメリカと日本は違うこと。考えれば分かるのに、同じだと考える。いや、考えないで日本スタイルで行くからトラブルになる。荷物を盗まれる。怖い目に遭う。

テレビで内閣支持率が高いと報道すれば、「へーーあんな総理でも支持されるんだね」と信じてしまう。「福島の汚染水はコントロールされている」と聞くと「それは良かった」と思う。「オリンピックで福島を励ます」と言われると「賛成だな」という。日本の状況、福島の状態を考えれば、そんなアホなということを疑わない。もちろん、マスコミが巧妙な情報操作をしていることはあるが、まんまと騙される人もいる。

それも状況把握能力の欠如が関係しているのではないか? 小さなこと。些細な声。自分が見た現実。そこから本質を想像することはできる。でないと、まやかしに踊らされて、時代に置き去りされてしまう。あるいは、ありもしない敵が攻めてくると、脅されて、まんまと利用される。今はそんな時代だ。大切なのは状況を把握する力だと思える。


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沖縄戦ドキュメンタリー日記 編集がやっと進み出す! [編集作業]

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新型の編集機がうまく使えない。あれこれ他にもやることがある。変換がうまくいかないと、いろんな問題があるが、どうにか前へ進み出した。FINAL CUT Xもまだまだ使いこなしていると言うレベルではないが、どうにか作業。ニュータイプではないが、頑張り屋のオールドタイプというところか?(やはり、ブライト?)

編集作業は本当に大変だが、進み出すと楽しい。素材を構成通りに順に並べていくと、作品らしくなってくる。仮のタイトルを入れると、ドキュメンタリーという感じ。ただ、プラモデルとは違い、設計図通りに映像を組み立ててはいけない。まずは、当初の予定通りに素材をラインに並べるが、構成時のように理屈で考えてはいけない。

映像。つまり、絵と感性が大事。同じような絵が続くと観客は退屈する。で、当初の2番手は**さんの父だったが、船の話に変更。証言が女性=>女性と続いてしまうが、証言メインのエピソードが2人続くと、見る気力が削がれる。NHK的な教育臭さが強くなる。で、ビジュアル的な船のエピソードにした。

そのあとは歴史的経緯を記録フィルムで紹介。で、先の**さんの父にするか? その他がいいか? その辺は映像をライン並べてみて決めたい。プロローグの沖縄紹介も、海、リゾート地、観光地、基地とバラエティに富んでいていい。2年間。こまめに撮影した風景が生きて来る。

1〜3回の沖縄取材ではちょっとした映像を撮るのが難しい。ジェット戦闘機とか、オスプレイとか、時刻表で飛ぶ時間を確認することはできない。「来たーーー」と言ったすぐカメラを用意しないとダメ。何度も撮り逃した。よく飛ぶポイントでも来ないこともあるし、そこで1日待つこともできない。

その意味で7回ほど行けたことは大いなるプラス。証言や史跡も大事だが、こんな細かいショットが作品を支えるのだ。何とか今年中に素材並べたを終えたい。


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「幸せって何だろう?どこにあるんだろう?」そんな思いで映画作りを続けている [MyOpinion]

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「幸せって何だろう?どこにあるんだろう?」そんな思いで映画作りを続けている。

「子供たちに伝える大切なこと」が当初、僕の映画のテーマだった。が、その内、「子供たちが幸せになれないのは、親がバカだから」と気づき、テーマは「親子に伝える大切なこと」になった。

それからも何本か映画を撮り、「大切なこと」=「幸せ」と思えて「幸せって何だろう?」ということにも展開した。「向日葵の丘」で常盤貴子さん演じる主人公・貴子はいう。

「幸せって何だろう? どこにあるんだろう?」

それはお金持ちになることでも、有名になることでもなく、自分を応援してくれる友達がいる。想い出を語り合うことができる。そんな仲間がいることも幸せの一つではないか?というテーマだった。そのテーマを引き継いだのが「明日にかける橋」だ。

幸せを守るため、取り戻すためにはどうすればいいのか? そんなテーマで物語を作った。詰まらぬ噂に振り回される人がいる。金持ちに騙される人たちがいる。無神経に誹謗中傷する人がいる。世間に振り回され、人目を気にして大切なことを見失う人たちがいる。そんな中で人はどう生きるべきか? 何を信じるべきか? どう行動するべきなのか?を物語の中で伝えた。

そんな映画を作りながら思うことがある。僕だけでなく多くの映画監督は厳しい状況の中で仕事をしている。監督料は安い。映画だけで食って行けるのは日本で一桁しかいない。1本の映画が完成するまでに最低1年はかかる。

例えばギャラは100万円というと「へーー凄い!」と思う人もいるが、1年は拘束されるので1ヶ月で10万円以下になる。仕事量も多い。ブラック企業もビックリ。土日、祝日はもちろん。Xマスも、盆暮れも働く。今年は大晦日、三賀日も仕事だ。それでも大卒の初任給を稼ぐことはできない。映画の専門学校に行くと、よく聞かれる。

「監督で食って行けますか? 年収はどのくらいですか?」

正直にいうと、映画監督志望の生徒たちが皆、学校を辞めるのではないか?と思うので正直に言えない。それと、もし、金儲けをしたいなら映画監督ではなく、別の仕事をした方がいい。安定した生活をしたければ公務員になった方がいい。そういうと、生徒たちはいう。

「生活が安定しないのは嫌だなあ。でも、監督業もしたいし〜」

映画作りは戦いだ。特に監督業は世の中との戦い。時代との格闘。安定を求めること自体が理解できないが、そんな若い人は多い。ついでに言うなら、大手企業に就職しても今の時代は安定するとは限らない。倒産、リストラ。正社員になれない人も多い。現内閣のお陰で労働力は使い捨て。公務員だって近い将来、大リストラが実施されるだろう。

そんな時代の中で、安定を求める方がおかしなもの。日本はバブル崩壊で経済成長が終わり、あとは没落だけ。それが国の宿命。高く飛び上がるが、やがて落ちて行く。イギリスも、アメリカも同じ。そして2度と飛び上がることはない。生き物と同じ。大人になり、バリバリ働くが、やがて年老いて死に向かう。

もはや安定は保障されない。なら、好きでもない仕事をするよりは好きな仕事をする方がいいだろう。好きなことなら長時間働いても苦にならない。嫌な仕事をするから、長時間働くと苦になる。以前はよく言われた。

「映画なんて不安定な仕事せずに、就職したら?」

でも、今はほとんどの会社が不安定。会社員の友人たちには万が一に倒産したらどうする?と考えて、腕に技術を付けるべく会社帰りに専門スクールに通う奴もいる。そんな時代になったので、あれこれ言われなくなった。それと確かに映画業界の人件費は安い。だが、意味ある仕事がある。

原発事故の悲しみを伝えるために「朝日のあたる家」を作った。そして今回は「沖縄戦とは何だったか?」を伝えるドキュメンタリー。多くの人が共感し、賛同してくれる作品を作ることは意味を感じる。気がつくと多くの人が応援してくれている。もちろん批判し、誹謗中傷を続ける人もいるが、極少数だ。

本当に多くの人が声援をくれる。映画を作ることで喜ばれる。そんな仕事ができること。これもひとつの幸せではないだろうか? 例えブラック企業を超える労働時間で、収入が低くても、1人で7人分の仕事をしても、映画を観て感動したり、涙したり、考えたり、希望を持てたり、故郷の美しさを再発見してもらえること。大切なことだ。

映画だけではない。人に喜んでもらう仕事。正しい情報を伝えること。リラックスしてもらうこと。笑ってもらうこと。健康になってもらうこと。新しい知識を学んでもらうこと。誰かがハッピーになる仕事。それは収入を超えて、その仕事ができる人は、ひとつの幸せなのではないか?と思えている。



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