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「沖縄戦ドキュメンタリー」編集日記 2日目 過去を否定し、ゼロからスタートせねば新しい時代を切り抜けられない? [編集作業]

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「沖縄戦ドキュメンタリー」編集日記 2日目 過去を否定し、ゼロからスタートせねば新しい時代を切り抜けられない?

編集というのは映像を順番に繋げるだけの単純作業ではない。大まかな流れたは決まっているが、繋いで行く内にあれこれ変更がある。このシーンの後にあのシーンと思っていても、流れを見ると「違う!」となることがある。

定型はあるし、理屈で繋ぐが、センスや感性も重要。その全てを駆使して作業する。物凄い集中力が必要。ある意味で刀鍛冶のような仕事かもしれない。最初の1週間はまだ、スローペースで進める。何より自分の気持ちを盛り上げることが大事。

次第に気合が入ってくると、携帯を止め、メールチェックを数日に1度にして、外部との接触を断つ。コンビニでも店員さんと話さない。言葉を発すると、編集モードから外れてしまう。もちろん、そこまでしなくても、素晴らしい編集をする人もいるが、これは僕のやり方。

話すモードと編集モードは脳の違う部分を使うようで、1つを使うと1つが弱体化してしまうようだ。編集というより、執筆という方が分かりやすいかもしれない。作家が小説を書く時に、ホテルに篭り、外部と連絡を断つ。何ヶ月も部屋で書き続ける。それに近いのだろう。

さて、問題はもう一つある。FINAL CUT X。youtubeで使い方を勉強しながら進めている(もっと初心者向きのテキストが欲しい)これがなかなか苦戦。どうしても「7」時代の知識やあり方が頭にこびりついていて、それが新しい方法論を阻害する。だが、その状態。昨日も書いたが、非常に今日的だ。

過去のものが改良されて、その上に新しいものがあるのが、これまでのあり方。カセットデッキに、CD機能が加わるとか。冷蔵庫に野菜室が着くとか。プラス・アルファがこれまでの進歩。それがPCソフトの場合。特に編集ソフトは全く違う存在となる。編集するということは変わらないが、操作やあり方が別物。

これまでのように過去のシステムの延長上にない。使いこなすにはゼロからのスタートだ。だから、子供の頃から積み木を積み上げるようにして、経験や知識を得てきた者にとってこれは驚異。ある意味で自分の経験や努力の否定なのだ。「7」を把握使いこなしても、バージョンアップした「X」には通用しない。まさに現代そのもの。

いくら会社でバリバリ仕事をしてきても、やり手の政治家でも、今の時代に過去の価値観や方法論は通用しない。それと同じなのだ。つまり、現代は過去の実績、経験、知識ーそれらがあることがむしろ邪魔になる。新しいことをする上でマイナスになる時代なのだ。FINAL CUT Xがまさにそれを象徴している。

僕も50代。昔は50歳はジジイと思っていた。あれこれ経験してきたこと、これからは通用しない。その中で若い、経験値がなく、真っ白なキャンパスを持った人たちと共に仕事をし、世の中で戦うには、過去にこだわり、経験を誇示していてはダメだ。多くの人はこれまでの人生を否定されると思うだろう。でも、それが今という時代なのだ。


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