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「そんな作品はいっぱいあるよ!」と業界の友人に言われてドキッ? しかしだ。 [2018]

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この企画をスタートするときに業界の友人に言われた。

「沖縄戦? ドキュメンタリー? そんなのいっぱいあるよ! 何で今更!」

今回は基本DVDにするのだが、沖縄戦といえばDVDやビデオ。そしてテレビでもドキュメンタリー番組がいくつも放送されているはず。友人は続ける。

「新たに作るからはその意味が必要だよね? 新しい事実が見つかったか? これまでと違う視点で描くとか?」

さすが業界人。そこは大事なところ。そんなことがあってこの企画はスタートした。勉強を始め、いろんな本を読んだが、ピンと来ず、ドキュメンタリーを見ようと探す。

え? と意外なことに気付いた。Amazonで沖縄戦のドキュメンタリーを検索しても、その手の作品が2−3しか出て来ない。あとはNHKのドキュメンタリーだ。何で? いろんな団体や業者が作った沖縄戦の歴史を綴ったDVDがザクザク出てくると思ったのに.....。

NHKの番組をDVD化したものも2−3。太平洋戦争のものはあるが、沖縄のみにスポットを当てたものは少ない。意外だった。本当に意外。友人に言われた通りに、その手はいっぱいあると思えた。それがない。近所のTSUTAYAでも調べたが、こちらはゼロだった。

つまり、沖縄戦に興味を持った人がいても、文献で勉強することはできても、映像で学ぶことはあまりできないということ。手に入る数少ない沖縄戦のDVD。購入した。1つが沖縄戦を記録映像で時間順に紹介するもの。特にナレーションとかもなく、米軍の記録フィルムのみで見せる。

次がNHK特集のDVD化。コンピューターを使い当時の記録を解析して分かった沖縄戦の新しい事実を紹介するもの。全体を詳しく説明してくれるものではない。「沖縄戦」をメインで扱ったのはその2つ。なぜだろう? なぜ映像作品が少ないのか?

考えた。1つにはビデオテープの時代には、その手の作品はたくさんあった。が、DVD時代に入り、それらをDVD化して発売しても、さほど売れないので発売終了となったこと。実際、対島丸撃沈事件のアニメ。素晴らしい出来というので見たかったが、DVD化されていないと言われた。

別の視点で考えると、わざわざDVDを買って沖縄戦を知ろうという人があまりにも少ないということもあるだろう。興味を持つ人がいても年配で、DVDというより書籍で調べる。そのために本はたくさん出版されているが、映像が少ない。たぶん、以上のような理由でDVDがほんの数種類しか発売されていないのだろう。

そうなると、今回作る作品は重要だ。沖縄戦を映像で伝えるという企画。実際、僕も書籍で勉強しているが、本当に分かり辛い。ある程度の知識を持った上で読まないと、把握できないところが多い。その点、映像だと見れば分かる!という強みがある。先に見た米ドラマ「ザ・パシフィック」もそうだが、映像は多くの人に伝わる。

子供でも、お年寄りでも、字幕スーパーを入れれば海外でも通用する。これは大いに意味ある仕事だと思えて来た。何より僕自身が沖縄戦とはどんな戦闘であったか?分かっていなかった。が、調べる内に単なる歴史の1ページを知るだけでなく、現代に通じる様々なことが分かって来た。そして日本の将来さえ考えるヒントがあった。

詳しい内容や表現方法はまだ書けないが、そんな作品を現在、製作中である。完成は来年春頃。お楽しみに!


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戦場にいる気持ちになること? [2018]


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ー戦場にいる気持ちになること?

このところ朝から夜中まで沖縄戦、及び太平洋戦争浸けになっている。映画、ドラマ、ドキュメンタリー、文献、写真と、いろんなものを見たり、読んだり。

知識を詰め込むのではなく、当時の戦場にいるような体験をすることが大事なのだ。痛み、苦しみ、不安、憤り、憤慨、絶望、それを感じるためには、戦場にいることをイメージできないといけない。その意味で映画「沖縄決戦」(日本軍側からの視点)ドラマ「ザ・パシフィック」(米軍からの視点)それぞれから描かれた映像作品を見たことは大きかった。

さらに、大田元知事の書いた「これが沖縄戦だ」は非常に詳しく、時間の経緯、戦闘の状況が伝わって来る。が、やはり、複数の視点を確認しないと、より正確なところが分からない。以前、途中まで読みかけて中断したままの本。最後は摩文仁の丘 にある陸軍豪で自決した牛島中将と共に行動したが、生き残った八原高級参謀が書いた「沖縄戦」も読まねばと思っている。

1つの事実も、見る人によって解釈が変わる。1人の発言だけ聞いて、それが事実だと思うのはとても危険。まさに原発事故時にテレビで解説していた御用学者の言葉と同じ。自分たちに都合のいい。スポンサーに迷惑をかけないコメントをしているだけなのだから。

また、その人がどんなに正義感があり、真面目でも、勘違いが間違いということもある。複数の視点が大切。その意味でクリント・イーストウッドは以前に興味深い試しみをしている。硫黄島の戦闘を日米両方から映画にしているのだ。それが「父親たちの星条旗」と「硫黄島からの手紙だ。これまでの戦争映画の多くは片側からしか描かれていない。

敵国は悪。我が軍は正義。特に昔のアメリカ映画はそれだった。対して日本映画では「我らこそが犠牲者」という形が多かった。もともと日本が始めた戦争じゃないか?と思うのだけど、そこを描いた作品は多くない。両国がそれぞれに「俺たちが正義だ。侵略者を倒す」「我らは被害者。こんな酷いことがあった」と主張していた。

が、近年、スタイルは変わって来て両者の悲しみを描く映画が増えた。「ザ・パシフィック」でも、日本兵憎しばかりではなく、残虐なアメリカ兵も描かれ、民間の子供や女性まで銃殺する描写がある。でも、それが戦争だ。正義なんて存在しない。日本は「アジアの解放」といいながら、資源獲得が本当の目的だったし、アメリカも戦争をしたくて、日本を焚き付けたと近年は言われている。

そして、どちらの国も戦争をすることで大儲けした人が存在する。そんな中で結局、多くの兵士が死んで行った。アメリカ人も数多く、沖縄で亡くなっている。もちろん、日本人はその何倍もの犠牲者がいる。そんな戦争というものを、どうすれば実感できるか? 伝えることができるか? まずは自身がイメージできるようになること。

でも、そんな勉強がもう1ヶ月も続いており、気持ちは暗くなり、塞ぎ込んでしまう。そんな戦いがまだまだ続く。時間もないので、土日は休みとは行かない。人に会うと現実に戻ってしまうので、力石徹のように部屋に籠って、沖縄戦の資料を読み続ける。



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