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「ザ・パシフィック」全10話見終わる! 文章では伝わらないものドラマだと実感できる。 [2018]

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沖縄戦プロジェクト通信=「ザ・パシフィック」全10話見終わる! 文章では伝わらないものドラマだと実感できる。

太平洋戦争をアメリカ側からの視点で描いたミニシリーズ(「ルーツ」「将軍」と同様の形式)全10話を見終えた。沖縄は第9話で舞台となり、どのような戦闘があったか?ドラマとして見ることができたの収穫。

当時のことを書いた本というのは山ほどあるが、文章でいくら説明されてイメージし辛いということがある。「想像力がないんじゃない?」という人がときどきいるが、想像力とは自分の経験を元に想像するものであり、知らないものを形作り、イメージすることはできない。

昔、漫画家さんからロスアンゼルスの写真を貸してほしいと頼まれたことがある。彼が書いている漫画の舞台がロスアンゼルスなのだが、「それはニューヨークでしょう?」と言われたらしい。当時、ネットもまだ一般的でなく、調べるのも大変で、彼はまさにニューヨークのイメージで描いていたのだ。

そこでLA留学経験のある僕に頼み、当時の現地写真を元に絵を描こうとしたのだ。アメリカというと多くの人はニューヨークをイメージする。が、LAとニューヨークは全然違う。同じくアメリカ人は日本と中国。或は韓国と混同する。一昔前の日本を舞台にしたアメリカ映画は本当に酷いものだった。

アメリカ人は基本、他国に興味がない。日本のテレビを見ていると「アメリカ人は日本に憧れている」というような番組もあるが、一部の人たちが、フジ、芸者、サムライ、寿司、寺に興味がある程度。アメリカのテレビでは日本のニュースなど、ほとんど放送されない。

同じように東京にいると、沖縄のニュースは辺野古基地問題、オスプレー問題くらいしか報じない。6月23日の沖縄、慰霊の日も短いニュースでしか紹介しない。昨年今年と確認したが、安倍首相が沖縄でスピーチしたという程度。何のイベントだか? 多くの人が平和の行進をしたことも伝えていない。

僕もそんな報道しか知らずに生きて来た1人。現在の沖縄。そして戦時中の沖縄がどうであったか? イメージできない。文献を読んでも教科書と同じで、事実を列挙してあるだけなので、いくら写真が掲載されていてもピンと来辛かった。それがドラマ。米軍兵の視点で日本軍と戦闘する場面を見ると、「ああ、こういうことがあったんだ」と明確に伝わる。

撃たれて足が千切れる若き米兵。万歳突撃をして皆殺しになる日本兵たち。戦闘で精神的に参りおかしくなるベテラン兵、殺してくれと懇願するはらわたがはみ出す沖縄の夫人。文章でいくら歴史的な経緯を説明されても分からない悲しみがドラマだと見えて来る。

歴史を辿るだけではダメだ。戦闘の経緯を説明するだけではいけない。多くの日本映画。戦争を描いたものは、軍の視点で歴史的な流れを説明するだけのものが多い。そこに市民側からの視点のみで、どんな悲しい思いをしたか?が描かれるものは少ない。歴史的な経緯も大事だが、それだけでは現実、そして悲しみは伝わらない。

まず、僕自身がそこを知る。沖縄で何があったか?を知る。それらをイメージできなければ、第三者に沖縄戦を伝えることなどできないのだから。


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