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製作費のない日本映画。何を作るべきなのか?=テレビでは放送できないもの! [映画業界物語]

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製作費のない日本映画。何を作るべきなのか?=テレビでは放送できないもの!

大手映画社の発想はこうだ。「ベストセラーを映画すれば当たる。100万部売れた本なら3割来れば30万人。十分ペイする」これは大昔からの発想。以前はベストセラー小説だったが、今は大ヒットしたコミックが多い。他には人気タレント主演。ジャニーズの***を主役で考える。人気歌手の***を主演に口説く。最近、注目の女性アイドル***の初主演映画。これも古くからのパターンだが、こちらはかなり厳しくなった。

裕次郎、勝新時代から、たのきんトリオまではそれで行けた。が、それ以降はダメ。90年代に大人気だった広末涼子の主演映画も惨敗。俳優だけを目当てに映画館へ行く時代は80年代で終わったのだ。ハリウッドでは俳優人気に頼らず高額の製作費をかけて、大スペクタクル映画を作り客を集め出した。が、日本はそれだけの予算がない。最近では香港、中国、韓国映画の方が豪華絢爛。そんな時代でも人気コミックの映画化。青春ラブコメディとかしか出来ないのが悔しい。

最近、話題作を次々に発表しているNetflix。何が地上波のドラマと違うのか? 今人気の「全裸監督」を見ても一目瞭然。まず、製作費が違う。が、それは置いておこう。あのドラマ。地上波で出来ないSEX、暴力がバンバン出てくる。今のテレビでは絶対に出来ない。これは大きい。これは映画でも同じ。その辺のセンセーショナルな描写は映画でも出来る。が、これは昔から出来る。大事なのは地上波のテレビで見れないものが見れること。

Netflixでも、まだ出来ない題材がある。地上波では絶対に無理。セリフにすることすら出来ない。原発事故だ。違法ではない。原子力ムラや政府の顔色を伺うから作れない。映画界でもタブーだった。が、原発事故があり、映画作家たちはそれを題材にし始めた。僕もその1人。「朝日のあたる家」で原発事故を描いた。これは絶対にテレビでは描けない。今も放映することはできないだろう。だから大ヒットした。大手企業だと事故を起こした東電を英雄にして、原発関係者を美化するような「Fikushima」なんとかいう映画しかできない。

そんなタブーに切り込む題材なら、映画界は新しい展開ができるかもしれない。政界のタブーに挑むという触れ込みだけで、何ら政治の闇を描いていない作品まで。大ヒットして有名な賞まで取った。映画自体は古いドラマの焼き直し。でも、観客はやはりタブーを見たいことは分かった。昨年、公開された僕の作品「ドキュメンタリー沖縄戦」も、テレビでは絶対にできない。NHKのように上部だけ描くしかできない。集団自決を正面から見つめるのはテレビでは無理。あれこれ、いろんな人たちの顔色を見てしまうとダメ。

だから、こちらもテレビ放映とかDVD化ができない。でも、大ヒットしたので今年も映画館で公開された。そこにも観客が望むものが見えてくる。もはや人気漫画の映画化。アイドルの主演映画ではないのだろう。テレビで見れないもの。マスコミが伝えないもの。そんなものを題材にすれば観客は興味を持つ。この1年ほど、ドキュメンタリー映画が熱い。「君はなぜ総理になれないか?」「はりぼて」「ちむぐりさ」「れいわ一揆」まさに、それを描いているからだ。


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メジャーで感動映画が作れない理由=マイナー作品でどう戦うべきなのか? [映画業界物語]

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メジャーで感動映画が作れない理由=マイナー作品でどう戦うべきなのか?

映画監督デビューから16年。信頼するスタッフさんから、こんなことを言われることがある。

「通常、低予算の映画はエログロ、SEX、ドラッグを扱い、家族で見れないものが多い。監督のマイナーな趣味全開とか多くの人が興味を持たないマニアックな作品。対して太田監督の映画はエンタテイメントだし、毎回感動し泣ける。全国のTOHOシネマズで拡大ロードショーしてもいい映画。なのに、こちらも毎回低予算。メジャー企業から資金は出ない。本当にもったいない。どこかがドン!と製作費を出せば大ヒット映画ができるのになあ」

嬉しい話だ。確かにメジャーから億単位の費用は出ない。一つには僕が著名な映画監督でないというのがある。だから、人気漫画の映画化!という話になっても僕の名前は上がらない。ただ、メジャーから声がかかったことがある。なのに、僕はその提案を断った。大手芸能プロのアイドルがメインの青春映画。スポーツもの。多くのメジャー企業が出資する。映画会社も大手だ。「青い青い空」で書道部の話をやったので、それを知る人が声をかけてくれた。

ただ、その芸能プロはあれこれ口を出すので有名。社長が気に入られないと「このシーンは撮り直せ!」みたいなことを言ってくる。その種の映画を担当した友人がいるが、もう地獄のような現場だったと聞く。

俳優は全て会社が選ぶ。原作はベストセラー。シナリオは別の人。スタッフもその会社でよくやる人たち。監督は撮影現場に行ってカット割りをするだけ。それもよくあるパターンを求められる。奇発なものはダメ。変更のアイディアを出してもPが却下。自由にできることは何もない。編集は別の人。とても監督とはいえない。そして関係者の誰にも作品に対する愛はない。

ただ、ギャラは良かった「だから我慢した」と言われた。その種の映画は高額の宣伝費をかけて公開。そこそこヒットする。が、評価する人は少ない。彼を知る業界人は「学生映画撮ってた頃は面白いもの作っていたのに、最近は全然ダメだなあ」という。皆、ガチガチに固められた現場のことを知らずにそういうらしい。彼だけではない。大手の映画はほとんどがそうだ。先のアイドルたちの出演する映画もそのパターンと思えた。

依頼者は僕を高く評価してくれているが、その種の現場をよく知る人ではない。こう答えた。「多分、撮影初日に社長と衝突して終わると思います。いや、準備段階でそうなるでしょう。だから、その手の映画は真面目で我慢づよくて、個性を出そうとしない。温厚な性格の監督にした方がいいと思います」そう、その手の映画は先のガチガチ現場に加えて、P、タレント事務所、スポンサー(製作委員会方式の時は10社以上)があれこれ要望や希望を出してくる。

「この場面はこうした方がいい」「主人公の部屋に自社の食品***を置いて欲しい」「食べるシーンも欲しい」「この友人役は我が社の***にやらせたい」「この港は**で撮って欲しい。社長の持つヨットがある」てな感じ。ど素人たちがあれこれ言いたい放題。A社が言ったこととBプロの要望は被る。それを調整するのが監督の仕事。結局、間をとってよくあるパターンに。個性のない。平凡な物語になる。多くが納得するのはそういうものしかない。

友人はいう「クリエイティブなんて微塵もない。俺は調整係じゃないんだ!」これがもし、監督に知名度があれば、三池崇史監督ならアクション。三谷幸喜監督ならコメディ。岩井俊二監督ならラブストーリー。会社は信頼してまかしてくれる。が、無名だとそうは行かない。特に先のアイドル映画だとガチガチしかあり得ない。だから、お断りした。が、それを聞いたあるスタッフさんに怒られた。

「監督。それを我慢して映画を作り、ヒットしたら、今度は自分が好きな作品を作ればいいじゃないですか? 断ったらダメですよ!」

気持ちはありがたい。でも、大人しく我慢して、思い入れのない物語を監督するくらいならサラリーマンになれていた。「これを作りたい!」と思うから頑張れる。その手の作品を何本も監督した友人のケースも、我慢して完成させても、また同じようなガチガチ現場の依頼しかない。

大宣伝するからヒットするが、誰の記憶にも残らない。結局、同じような人気原作の仕事しか来なくなり、歳とって扱いにくくなると、若手に話が行ってしまう。自分が撮りたい作品に繋がらない。

だから僕は低予算で好きなようにやる。シナリオは自分でオリジナルを書き、キャストも自分で決める。現場では自分のスタイル。編集も自ら。スタッフは信頼できるいつも仲間。「この作品を撮りたい!」という思いがあるからこそ、いいものが出来る。大ヒットはしないが、劇場では毎回、多くの観客が涙する。

そのスタッフさんの気持ちはとても嬉しい。が、大手のやり方ではいいものは作れない。テレビでよく見る俳優がたくさん出ている。人気原作の映画化。面白い作品はあるだろうか? だが、その手の映画には多くの出資が集まる。対して僕には来ない。

この状況を打破するには、メジャーからの依頼を受けてガチガチの現場で耐えて監督することではなく。低予算でも本当に作りたい作品を作り、それを大ヒットさせることだと思える。

が、それには多額の宣伝費が必要。低予算映画の宣伝費はしれている。チラシ、ポスター、舞台挨拶で終わりだ。どんな感動的な作品でも、多くの人に知ってもらわないと見てもらえない。いいものを作るだけではダメ。では、どうすればいい? ここ数年の課題である。


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血圧高く危険なので、減量に挑戦した?=年取ると食べなくても太る! [健康]

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血圧高く危険なので、減量に挑戦した?=年取ると食べなくても太る!

「血圧が高い。いつ死んでもおかしくよ!」と医者に言われる。そんな時は映画製作の真っ最中か、終わったばかりの時だ。映画製作は「不可能実行指令」のようなもの。不可能を可能にする戦い。必ず邪魔する、足を引っ張る奴が出てくる。それを先回りして止めたり、排除しながらの映画作り。イライラが爆発しそうになる。

ある作品ではプロデュサー業で手一杯(つまり、バカと交渉したり、なだめたり、大人しくさせたり)なかなか監督業に力を注げないこともあった。それは本末転倒。「だったら優秀なPを雇うか?別の監督を立てろ!」ということになる。が、僕が両方をするからこそ、通常以下の製作費で映画を作ることができる。

そんなことで血圧が上がる。毎回200を超える。おまけに映画製作時は食わないと体力でないので、よく食う。いや、僕は日頃からよく食う。アメリカ留学時はアメリカ人よりよく食っていた。さすが50代になると以前ほどではなくなったが、今度は中年につきもの。食べなくても脂肪が蓄積されて中年太り。いや、もう中年でもないか? 肥満は高血圧では致命傷となる。激怒した時に血管が切れてコロッと逝くことがある。

この春。減量を決めた。ダイエットなんてカッコいいものではなく減量。間も無く60代。次の映画製作はいつになるか?分からないが、今度こそ撮影中にコロッといくかもしれない。あるいは大島渚監督のように半身不随になる可能性もある。コロッと逝ってもいいが、完成までは生き延びたい。今はコロナ禍で映画製作ができない分、余裕があり、減量と血圧を考える時間ができた。

血圧を下げる薬は飲まない。とても危険。老後に痴呆症になる可能性が高まる。だから、食生活。カリウムの多い食品。野菜。エリンギは毎日食べている。塩分控えめ。そして減量。一番は食事の量を減らす。外食しても定食屋のようなところでとんかつ定食とか食べず、喫茶店のランチ。OLが食べるような量。サンドウィッチとコーヒーのような。夜は自炊だが、コンビニ弁当はやめて(これはかなり前からやめている)野菜中心。でも、ビールとワインは毎日。赤ワインは高血圧にもいい。

さて、約4ヶ月で6キロほど減量。なのに会った人は誰も気づかない! でも、着れなくなったシャツが着れるようになった。血圧も高くない。映画やってないと、そこまで高くならない。減量スタートして最初は空腹に悩まされた。ランチ食べてから、夕飯まで持たない。食べないので血が作られないせいか?貧血気味になる。頭がぼんやりする。専門家に聞くと「そんな時は我慢しないで、血糖値があまり上がらないものを少しだけ食べるといい」と教えてくれた。

最近は空腹感も強くなく、貧血気味になることもない。少しの量で腹いっぱいになる。胃が縮み、体も慣れたのだろう。不思議なもので、食事量をかなり減らしても生活には影響しない。多分、今の生活ではそれほどのエネルギーを必要としないのだ。にも関わらず食べていたということなのだ。だが、もう少し減量せねば。これ以上は食事制限ではなく、運動することで減らすしかない。実はすでに、その方面も始めているが、それはまた別の機会に書く。

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