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「ドキュメンタリー沖縄戦」@横浜 ジャック&ベティ。8月21日(金)終了 [映画館公開]

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「ドキュメンタリー沖縄戦」@横浜

ジャック&ベティで上映中。

〜8月21日(金)終了

連日08:55〜1回上映


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「ドキュメンタリー」は寄り添ってはいけない?=次世代の専門家から教えられたこと。 [戦争について]

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「ドキュメンタリー」は寄り添ってはいけない?=次世代の専門家から教えられたこと。

「ドキュメンタリー沖縄戦」をスタートした時に考えた。身近に沖縄との縁がなかった。親が沖縄出身とか、親戚が住んでいるとか、昔の彼女が沖縄生まれとか、旅行で何度も行ったとか、何かあれば「思い」が生まれる。が、何もなかった。劇映画の場合。まずロケ地を好きになるところから始める。地元の美味しいものを食べたり、懐かしい風景を見つけることで「思い」が育つ。沖縄でもそれを探そうとした。ある若い専門家の方に取材した時。こう言われた。

「僕らは戦後生まれです。戦争体験者からはー戦争を知らないくせに偉そうなことを言うな。お前らは何も知らないだろ!ーとよく言われます。確かにその通りだし、何も言えません。体験者が体験を語り継ぐ事は大切な事。では、僕らは何をすればいい?と考えました。体験者にはできないことがあるんじゃないか? 僕らの世代にしかできない事あるんじゃないか?」

体験者は悲痛な経験をしている。でも、それはその人がいた場所での出来事。北部に逃げた人たちは南部の事情を知らない。また、アメリカ側の事情も当時は分からない。日本軍上層部のことも知らない。でも、自分たち専門家はそれらを資料で調べ把握する。いろんな角度から沖縄戦を見つめることができる。

また、米軍に酷い目に遭えばアメリカが許せない。日本軍に暴行されれば恨みが残る。感情的になり客観的に戦争を見つめるのは難しい。それを求めるのも酷。でも、戦争を知らない自分たちはそれができる。戦争を知らないからこそ出来ることもあるはずだ。彼の言うのはそんなことだと思えた。

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さらに考える。彼は沖縄生まれ。沖縄について詳しい。でも、僕は沖縄について何も知らなかった。親戚も友人もいない。だからこそ、第三者として見つめることができる。劇映画を撮る時は「街を好きになること」から始めたが、今回はドキュメンタリーだ。「思い」を持たずに、真っ白な状態で見つめることが大事かもしれない。そう思えてきた。そのことで伝えられることもあるはず。

テレビで放送されているドキュメンタリー番組。被写体が可哀想な人と言うことがある。例えば貧困。番組がその人に寄り添い同情していることがある。そのことで客観性をなくすことがある。ちょっと考えたら貧困を解決できるのに、番組はそれに触れない。「この人。可愛そうだね〜」と訴える。この種の番組。視聴者に同情させ、泣かせるのが目的。本質や真実を描くことではない。泣かせるためにヤラセもする。その種の番組が先日、終了した。ドキュメンタリーは寄り添うべきではない。事実を歪めてしまう。

「沖縄戦」にはそんな姿勢で挑んだ。だから体験者の言葉だけでなく、米軍の視点も取り入れた。被害者は日本人だけでなく米国人も多くが死に傷つき、心を病んでいた。住民にとって米軍だけでなく日本軍もまた脅威だった。日本人は被害者であり加害者なのだ。それが戦争だと気づく。先の専門家の言葉を思い出す。次世代がしなければならないこと。次世代だから出来ることがあること。感じた。


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