「ドキュメンタリー沖縄戦」沖縄、桜坂劇場 8/11-9/4の上映時間はこれ! [映画館公開]
ドキュメンタリー沖縄戦 知られざる悲しみの記憶
http://sakura-zaka.com/movie_info/35902…
沖縄、桜坂劇場 8/11-9/4の上映時間決まりました
8/8.13:30(上映後、太田監督舞台挨拶)
8/9.12:20
8/10〜14.13:30
8/15.11:30
8/16.11:50
8/17〜20.12:50
8/21.13:10
8/22.11:20
8/23.10:20
8/24〜28.11:30
8/29.14:00
8/30.13:00
8/31〜9/4.14:10
公式HP=>https://okinawasen.com
「西部戦線異常なし」ー反戦映画の古典。全てがここにある! [戦争について]
「西部戦線異常なし」ー反戦映画の古典。全てがここにある!
タイトルは昔から知っている名作だが、若い頃に見たときはひたすら退屈な映画だった。が、考えてみると、これはドイツ映画であり、ドイツ軍を描いた作品。と言うことで見直した。1930年の作品。白黒。ナチスではなく第一次世界大戦の物語。
驚いたのは現代に至る戦争の悲劇を伝えるエッセンスが全て盛り込まれている。戦争がいかに人を狂わせるか? 大人が戦争を始め若者が死んでいくと言うまさにその物語だ。ただ、悲しいのはドイツはこの段階。1930年にそのことを映画で伝えているのに、その10年後にナチスドイツが台頭。この作品で描いている通りの形で、多くが戦争にのめり込み惨劇を繰り返す。
反戦映画の古典。ここに全てが詰め込まれている。沖縄戦とも多くがダブる。戦争映画を作るならこれを繰り返し見るべだ。
宮崎駿、富野由悠季が巨人である理由ー知識が物語を生み出す?「もののけ姫」で痛感したこと? [映画&ドラマ感想]
宮崎駿、富野由悠季が巨人である理由ー知識が物語を生み出す?「もののけ姫」で痛感したこと?
コロナで映画館が休館。宣伝ができなかったので、新作が公開ないものが多い。宣伝は最低でも3ヶ月が必要。それができていないから。そのために知名度のある旧作が映画館で上映。「シン・ゴジラ」「君の名は」「天気の子」「アベンジャーズ」シリーズ「アイアンマン」その流れでジブリ作品の上映も始まった。
ジブリは全て公開時に映画館で見ている。が、「もののけ姫」だけは当時、イマイチ分からないところがあった。宮崎駿が何を描こうとしたか?を突き止めたくて、いつか見直そうと思っていた。いい機会だ。それもDVDはなく大スクリーンだ。
1997年の作品。100億円を超えるメガヒットとなった。今から23年前。僕が30代の頃。もういい歳だったのに、まだまだ見る力がなかったことを痛感した。今見ると、この映画のすごさが本当によく分かる。宮崎駿は巨人。黒澤と並ぶ巨人であることを改めて確認した。
何よりも思ったのが、この作品を作るための取材は当然、なされただろう。が、それ以前にこの物語を作るに至る宮崎の膨大な知識があること。以前にも書いたがハリウッド映画はシナリオに3年かける。最初の1年は取材。2年目が構想。3年目に執筆。だから、中身の濃い、面白い映画ができる。対して日本は執筆依頼!から3ヶ月後に撮影ということも多い。それでいいものが出来るはずがない。
日本映画。若手の脚本家のアクション作品を見ると多くがアメリカ映画「アイアンマン」「ダークナイト」等のストーリーを焼き直し。それを日本のヒーローで書いているだけ。あるいは題材となったものの情報が出て来ないものもある。新聞社が舞台なのに、新聞社らしくない。ありえない展開。取材の時間がないので過去の作品で見た知識だけでストーリー作りをしたのだ。
そこがハリウッド映画に勝てないとこなのだが、宮崎作品を思い出すと取材するという以前に、もともと彼は膨大な知識を持っているということ。だから、「もののけ姫」や「風立ちぬ」のような物語を作り出せる。同じことは富野由悠季にも言える。「ガンダム」シリーズの産みの親だが「ドキュメンタリー沖縄戦」で太平洋戦争を勉強して分かったが、彼はその辺、いやヨーロッパ戦線に関しても非常に詳しいということ。その知識があるから「ガンダム」という物語を作ることができたのである。
机の上で「宇宙を舞台にしたアニメ.......ロボットで戦う。。。。うーん」と考えただけの作品ではない。もともと、戦争関連に詳しい富野がそれを宇宙に移して再構築した物語なのだ。だから、現実感があり、強いインパクトがある。それゆえ40年も続く大人気シリーズになった。アニメの世界の大御所には、彼らのような巨人が存在する。対して日本映画の若手は若い頃から映画ばかり見ているだけで脚本家になる(僕もその一人)若いうちは感性で勝負するが、次第に通用しなくなる。
若い頃にデビューすると、社会経験が少なく。過去に見た映画のパクった作品しか書けなくなる。おまけに感性は老化してくる。作品を生み出すための映画以外の知識がない。黒澤明の作品が今も評価されるのは、彼もまた膨大な知識を持つ巨人だったからだろう。歴史、海外文学、学者のような知識がある。だから、あんな時代劇ができた。対して最近の若手の多くは映画しか見てない。
僕もそんな一人だ。が、調べるのは嫌いじゃない。「青い青い空」では書道を4年ほど勉強。最後には書家の団体で講演させてもらった。「朝日のあたる家」では原発について取材した。そして「沖縄戦」で、気づいたのが太平洋戦争について、あまりにも知らない自分。そして同世代。だったらと、今年初頭から勉強を始めたのだが「戦争」はものすごい広大なジャンルであり、1ー2ヶ月勉強しただけでは足りない。
脚本家には同じ題材を扱う別の映画や漫画を読んだだけの知識で、シナリオを書いてしまう。監督も書かれたシナリオだけで演出する人が多い。自分では何も調べない。だから観客を圧倒する作品ができない。監督に知識がなければ、いくら衣装や小道具の考証が正しくても伝わらないのだ。何より、多くの知識があるから物語が生まれる。映画ばかり見ているだけでは感動作はできないのだ。
そんなこと痛感。まず戦争映画を見まくり、同時に戦争について勉強していくと、いろんなことが見えてきた。「沖縄戦」をさらに把握したくて「太平洋戦争」を調べていたが「いやいや、ヨーロッパ戦線も!」と調べていたら、なんと沖縄とヨーロッパが繋がってきた!想像もしなかったのだが、共通するものがある。あの事件など、まさに沖縄戦だ。そんな中で見たのが「もののけ姫」。納得。まず知識。次に考えること。そこから物語が生まれてくる。
数ヶ月の取材でシナリオを書くだけでは不十分。だが、日本映画の世界は時間がなく、金もない。その中で仕事をするにはお手軽に、そこそこのレベルのものを多作することが大事。ただ、それでは残る作品にならない。そんな時にコロナ禍。緊急事態宣言。仕事がなくなった。撮影は当分できない。時間ができた。多分、僕の人生で最後のチャンスだ。もう少し勉強を続ける。