編集中は血圧も危険値。激怒したらあの世行き!? [映画「乙女たちの沖縄戦」]
編集中は血圧も危険値。激怒したらあの世行き!?
カタギの方は想像もしないと思うので、もう一度、記事にしておく。現在編集中だが、いろんなことを同時に進ませねばならないので神経が切れそうだという話ー何度も書いた。本来、編集時は編集作業のみに絞らねばならないのだが、それ以前から受けていた依頼や仕事と重なることとなった。
また、申告もこの時期。311も今月。さらにウクライナ問題。こちらが限界を超える状態でも、知らない人はあれこれと頼み事や連絡をしてくる。悪意がないことは分かっているが、メール1通、電話1本を編集中にすることが、どれだけ大変なことか?はカタギの方には理解できない。それを責められない。
だが、編集中は精神不安定。思ってもいないことを言ってしまったり、感情的になったりもする。血圧も毎日、危険値。医者に言わすと、その値で激怒すると大変。いつ死んでもおかしくないとのこと。だから、落ち着いて冷静な時にしか返事もできない。
以前「返事くらい5分もあればできるでしょう!さっさと連絡してきたらどうです!」と言って来た人がいる。映画関係者であれば編集がどんな仕事であるか?想像できるはず。なのに「監督は甘えている。ルーズなだけだ。俺が厳しく言ってやろう」と思ったのだろう。だが、映画作りの苦しさも理解できない奴はお断り。カタギなら許したが、映画人ならさようなら。それ以来、仕事をしていない。一生ないだろう。
しかし、数日前に同時進行がいくつも終わり、だいぶん楽になった。血圧も少し下がり写真の値。ふと、幾つの案件が重なったか?数えてみた。なんと11個。その中にはプライベートな件もあり、FB記事では紹介できないものもある。身内の入院手術もあった。その後、トンボ帰してまた編集ができる訳もなく、数日は作業にならない。ようやく編集を再開したらトラブル。スタッフにギャラが振り込まれていない。監督である僕が交渉せねばならない。
そんなことをしていると、完全に編集モードが外れる。いきなり編集が始められる薬があれば打ちたいくらいだった。スポーツ選手がドーピングする気持ちが分かる。これも理解されないが、精神状態を編集に持っていくのは物凄い集中力が必要。全神経を動員して、その世界に入る。だからこそ観客が号泣する作品ができる。編集こそ作品の要。ここでクズにするか名作になるか?が決まる。
そもそも編集は他の作業と並行では進められないし、外部とコンタクするとアウト。本来ならその間はプロデュサー外部をブロック。対応してくれるのだが、今回はそうもいかない。これまで何十本もの編集をして来たかが、今回ほど辛く、気が変になりそうだったのは初めてだ。編集中は冷静ではなく、常識もない。そんな人間はすぐに逆上する。
今回はいろんな時期が重なり、理不尽な頼みをして来た人はいない。こちらも出来るだけ対応したいと思った。が、そこに編集作業が後から重なった。だから責めることはできない。それでも今後は対処法を考えないと、一つ間違えると、全てが終わってしまう。血管が切れてあの世行き。完成後にあの世は構わないが編集中だと心残り。化けて出て作業を続けるしかない。
だが、今は完成まであと2歩。毎日、血圧を測りながら進める。
今は編集中で、精神不安定。 [映画「乙女たちの沖縄戦」]
「鬼滅の刃」で考えるウクライナ=もし、プーチンが鬼だとしても、 [戦争について]
「鬼滅の刃」で考えるウクライナ=もし、プーチンが鬼だとしても、
必ず鬼になった悲しい理由があるはず。「鬼滅」を見て育った子供たちならそれを考える。もし、ウクライナの大統領が鬼だとすると、彼を鬼にした鬼舞辻無惨の存在がきっといる。なぜ、彼は鬼になったのか?なぜ、鬼にされたのか?を考える。
「鬼滅」はただ戦い、悪を滅ぼすだけの話ではない。悪と呼ばれる存在にも理由があり、悲しみがある。それを理解しようとする物語。そんなアニメがなかった時代。「仮面ライダー」全盛期。勧善懲悪。シンプルな物語。悪の秘密結社と罪なき市民の物語。
そこで育った大人は「プーチンは悪」「ウクライナに平和を」という発想に落ち入っていないか?同じ価値観で今を見てはいないか?でなければロシアのことを何も知らないのに「プーチンは悪魔!」なんて安易に言わない。ウクライナの首都がどこで、何語で生活しているかを知らないのに、可哀想な被害者と考える。そしてロシアが悪の組織ショッカーと決めつける。
「ショッカーを倒せば平和が来る。これは正義のための戦いだ!」そんな単純発想になる。子供時代の経験から来てはいないか? その意味でお父さんにも「鬼滅」を今更ながらでも見てほしい。
編集は全集中。別の世界に入り込まねばならない作業。 [映画「乙女たちの沖縄戦」]
編集は全集中。別の世界に入り込まねばならない作業。
「鬼滅」の刀鍛冶さんが、刃をボロボロにした炭治郎を出刃包丁で追い回す場面はよく分かる。日本刀を打つのも全集中。魂を込めて打つ。映画の編集も似たような作業。
精神不安定、感情的になる。だが、今回、あれこれ同時進行せねばならないことが多く、さらに精神的に老い詰まる。喋ると編集モードが外れるのに、喋る仕事。人と会うと作業が中断するのに打ち合わせ。電話もメールもダメ。しっかり切り替えが効かないと常識を外れなことを言ったり、書いたりしてしまう。「鬼滅」の刀鍛冶のように出刃持って暴れるかもしれない。
ヒースレジャーがジョーカー役を演じ、帰って来れなくなり、ドラッグで死亡したのも分からないではない。が、自分が壊れそうな程に追い込め表現をするということを第三者は理解できない。せいぜい「忙しいんだなあ」「ルーズなだけだ」「言い訳してるな」という解釈。ただ、彼らとて意地悪で連絡してくるのではない。また、以前からの約束で対応せねばならないものもある。だが、編集の締め切りも目の前!精神的に普通ではないので、すぐには対応できない。
あれこれトラブルも続いた。本当に気が変になりそうだった。そして、この種の仕事はやはり理解されないことを痛感。次回からは編集の時は全てを止めて、外部との連絡をシャッターアウト。行方不明になるしかない。FBもYouTubeも止めて人知れず隠れて作業する。ネットも繋がない。そして仕事は全てキャンセル。でないと神経が切れ、発狂するかも知れない。あるいはうつ病に...冗談ではなく。編集とはそういう仕事なのだ。
ただ、ここまで、あれこれ重なったこと以前にはなかった。今回のようなことはたびたびあるとは思えないが、次にあったらきっと壊れてしまう。だから理解される努力はもうしない。変人、奇人、いい加減な奴と思ってもらった方がいい。そんな時、コメント欄にバカが皮肉を書き込んで来た。また、あなたですか?いい歳なのに何やってんの?お相手する余裕はない。さようなら。編集に戻る。戻れないかも知れないが、戻らねばならない。