何年も会っていない友人に電話。1980年代の懐かしい話をした。 [思い出物語]
何年も会っていない友人に電話。1980年代の懐かしい話をした。
友人たちはあれこれ忙しく、早朝から深夜まで働いている。もう、何年も会っていない奴もいる。それが今、コロナ感染で遅くまで外で飲んだりしていないはず。場合によっては自粛して家にいる。そう考えて電話してみた。こんなことでもなければ長電話することもない。
学生映画をやっていた頃の友人を捕まえた。1980年代前半。今から、40年も前。僕らは8ミリフィルムで映画を作ってプロを目指した。その時代を過ごした友人と話す。四谷3丁目にあった8ミリ喫茶シャンブル。恵比寿のシネマプラザ・スペース50。名画座の思い出は黄金町、日の出町。新宿東宝で黒澤明特集のオールナイト。懐かしい話に花が咲いた。
が、今、それらの場所はもうない。新宿東宝も今は建て直しシネコンだ。黄金町の横浜日劇はなくなり、前にあった横浜名画座はジャック&ベティとなった。建物だけではない。当時、一緒に学生映画を作っていた仲間もほとんど連絡は取れない。夢破れて実家に戻った者がほとんど。監督志望、俳優志望、歌手志望、作家志望。いろんな友人がいた。
ただ、夢破れたことが不幸で、夢をつかんだ者が勝利者ではない。夢破れることで、それは単なる憧れであり、自分が本当にやるべきことに気づいたり。理解してくれる女性と出会い、子宝に恵まれ幸せな家庭を築いた友人もいる。夢が叶い、その世界で活躍することだけが幸せではない。そこからまた新たな戦いが始まり、血を吐きながら走り続けなけれならないのだ。
金持ちになったが、孤独な人がいる。貧しいが自分がやりたい仕事ができている人もいる。何が幸せなのか? 何が不幸なのか? 夢を追いながら足掻いていた若い頃が一番幸せだったのかもしれない。そんな話を電話で2時間ほど。コロナで自粛でもないと、こんな時間も持つこともなかっただろう。
昨年、同世代の友人が3人死んだ。もう一度、会いたかったと思うがあとの祭り。同じ後悔を繰り返さないために、今という機会を生かしたい。
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