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大学を出た男たち。機械の体をくれる惑星に旅立つ?ーそこで彼らが失ったもの! [「沖縄狂想曲」]

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僕が通った高校は進学校だった。99%が大学進学。僕の友人はほぼ大学に行った。それからほぼ40年。その後、就職した同級生たちも、定年を向ける年齢。その期間、友人たちを見つめて来た。

彼らは映画業界ではなく、普通のサラリーマンになった。その多くを見ていて、感じることが多い。「親父たちのように仕事、仕事の会社員にはなりたくない!」と、皆、趣味を大切にしていた。

が、次第に興味を失って行く。昔の歌、昔の映画、そして昔から好きな球団を応援。新しいものを次第に拒否した。まあ、それが歳を取るということ。脳が老化し新しいものが、受け入れられなくなる。

              *

感じる力も老化して行く。いや「考える」のを止めてしまう。「何で、こんな作業をしなきゃいけない?」「上司は本当にバカだな」「こんな営業して何になる?」皆、入社時に言っていた不満。次第に言わなくなる。

次第に見えてくる。サラリーマンというのは、機械の部品になること。与えられたことを確実にやる仕事だ。余計なことを考えなくていい。いや、考えてはいかない。僕のアルバイト時代。思い出す。店に来たサラリーマン。

ドアを開けるなり「00ジュースの自販機。置いてもらえませんかー?」まず、挨拶してから、社名と名前を名乗れよ!だが、彼らは毎日、何十件も営業しなければならない。次第に麻痺し、1軒でも多くの店を回ることしか考えなくなるのだ。

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高校時代の友人たち。年を取るごとに、気がまわらなくなった。無神経な発言が増える。昔は「俺が〇〇と言ったら、彼はどう思うか?」と考えた。だが、今は思いついたこと、すぐに言葉にする。その究極。今回の病気で痛感した。

「生きているだけで、丸儲け!」

僕が両目を半分ずつ失明。心臓機能が低下。脳の一部が死んだ。そんな時に、そのコメント。友人からだ。障害を負い、これから不自由な人生を送る友人に、そんな言葉を投げかけるだろうか? 

「目が見えなくても、生きているんだから丸儲けだぞー」

励ましにはならない。むしろ、中傷。「お前なんて、生きてるだけで十分だ」にも解釈できる。が、友人は励ましのつもり。サラリーマン生活が長く、相手の気持ちを考えることが出来ない。思ったことをすぐに、言ってしまう。似たようなことを言う友人が複数いた。皆、サラリーマンだった。

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だが、「相手がどう思うのか?」いちいち考えていては、営業部は務まらないのだろう。何が何でも、商品を売り込む仕事。そんな生活が30年。友人が病気になったからと、急に相手の気持ちを考えることは出来ないのだろう。

そうやって絵に描いたような、無神経な中年サラリーマンになる。学生時代はキラキラしていた同級生たちが、無神経なオジサンになる過程を30年かけて見つめた訳だ。出来ないことを、あれこれ要求する上司。真面目に考えてられない。

言われたことだけやる。そうやって、高校時代に僕らが馬鹿にしていた「おじさん」が出来上がるのだ。対して女性は社交的だ。主婦になっても、いろんな人たちと付き合いがある。無神経ではいられない。こうして男だけが、疲れたおじさんになり、妻や子に嫌われる。

家族のために必死で仕事して来たのに、多くの家庭で父は嫌がられる。でも、それも当然。相手の気持ちを考えない親父。思いついたことを平気で言ってしまう。定年で自宅にいるようになると、そのことで熟年離婚。分かる話だ。まさに「銀河鉄道999」機械の体をくれる惑星に、男たちは就職したのである。












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