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「半沢直樹」2013年版。4日で全話見てしまった。=その魅力を解説。悪役編 [映画&ドラマ感想]

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「半沢直樹」2013年版。4日で全話見てしまった。=その魅力を解説。悪役編

見出すと止まらない。1日2話にしようと思ったが、後半に入ると1日で全話見てしまった。テレビドラマはもう見るべきものがないと感じていたが、やはり思い込みで判断してはいけない。これは見ないと現代を語ることが出来ない。

8年前とは言え、視聴率が2桁で大成功という時代。それなのに40%前後を取るのは物凄いことだ。そこに時代の反映がある。それがなければ数字は取れない。いかに多くの人が会社や組織で理不尽を感じ、屈辱を噛み締め、「倍返ししたい!」と思っているかがよく分かる。いろいろ魅力があるが、まずは悪役の皆様の話から行く。

日本の俳優は昔のような個性的な脇役。悪役がいなくなったと思えていたが、このドラマではそれらのキャラがとても大事。見ているだけでムカつく俳優が必要。そして演技力。悪役は力がないと演じられない。そこで番組ではまず、これまでにその種の悪役を演じたことのあるベテラン俳優を大集合。「金八先生」の乾先生、「相棒」の伊丹刑事。これも「金八」ラサール石井、利重剛(近々では「相棒」の犯人。谷村美月ゲストの時)他にもどこかで見た人たち。

そして無名だが、なかなかの俳優が数多く出演。「こいつら許せんぜよ!」と視聴者が思ってこそ、ドラマが盛り上がり、半沢を応援したくなるのだ。その敵のトップが香川照之。さすが先の猿之助の息子。軽めの芝居で大ボスを演じるのは見事。ただ、前半戦・大阪編の悪役・宇梶、ラサールが最初は関西弁なのに途中から標準語になるのはなぜか?シナリオは関西弁で書かれていたはず。あまりに出来ないので標準語でOKにしたのか? 関西人の私はとても気になる。

確かに関西弁は難しい。大阪近辺で育たなければなかなか出来ない。もし、関西弁が無理なら最初から標準語にすればいい。それを途中で変えるのはスタッフ、ディレクターの怠慢。その意味で並行して見ている「どてらい男」の出演者は皆、関西弁がうまい。というか?ネイティブな俳優がほとんど。関西テレビ制作なので地元から選んでいる。「半沢」に出ていた鶴瓶、の師匠・松鶴が猛造の師匠役で出ているが、かなりいい。その辺「半沢」でも関西系の芸人や俳優を起用すれば、あれらの役はもっと強烈になったはずだ。あのお二人がいけないのではない。とてもいい俳優さんだ。ただ、関西弁の役なら最初からできる俳優を選ぶべきだ。あるいはセリフを標準語にすればいいのだ。

このドラマには出ていないが、僕がよく知る俳優さん2人(誰もが知る有名な女優さん)ご両人共に関西出身ではないのに、関西弁が抜群にうまい!驚異的にうまい!多分、リズム感がずば抜けているのだと思うが、次回出演時は関西弁の役を用意したいほど。関西弁は俳優にとって大きな武器。もちろん、東北弁や九州弁もあるが、それらだと全国には聞いていて分からない人が出る。その点、関西弁は馴染みがあるので、ほとんどが理解する。そして標準語では伝えられないものを表現できる。

僕が映画を撮るとき。必ず、関西弁枠を作る。舞台がどこでも関西キャラを登場させる。そのことで笑いを取る。テイストや空気を変える。いろんな展開ができる。ハリウッド映画もよく見ていると、イタリア系のお笑いキャラがよく出ている。イタリアなまりのセリフで、コメディリリーフ。同じ役割なのだ。だが、関西弁は笑いだけでなく、涙も誘う。

僕の前作「明日にかける橋」では板尾創路さんに関西人のお父さん役で出て頂いた。娘(鈴木杏)と社の前での会話。あれは関西弁だから余計に泣ける。娘の彼氏との場面も心に染みる。あれが標準語ではあの感じは出ない。そして関西弁の出来ない俳優があの役を無理して演じたら、感動は生まれなかっただろう。板尾さんのネイティブな関西弁と見事な芝居があの場面を最高のものにしたのだ。

話がそれた。「半沢」の脇も皆良かった。先の板尾さんの話によると「悪役は演じていて楽しい」らしい。分かる気はする。が、「半沢」の番組サイド。ベテラン俳優たちにあれだけ嫌な役を頼むこと、気が引けたのか? どの悪役も見せ場があり、俳優として楽しい場面がある。そして悪いばかりでない面もあって、「エー、俺が悪役やるの〜」と思わないシナリオになっている。ここが憎い。

特に乾先生(誰だか分かるかな?)が最終回の会議で大逆転する場面とか、本当に見事。あのシーンの芝居ができること、役者身寄りに尽きるはず。それくらいにいい役だ。ある意味で香川照之の常務より、美味しい役かもしれない。さて、悪役について長々と書いたが主役の堺雅人についても書きたいが、さらに長くなるので別の機会にする。彼の凄さ。どう凄いか?意外に指摘する人がいない気がする。それは次回に。



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