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どてらい男」立志編ー毎日、見ている。面白さを分析した。 [映画&ドラマ感想]

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放送は1973年からなので、僕が小学校6年生のとき。テレビガイドや新聞の紹介記事でタイトルは知っていた。見始めたのは中学の頃だろう。高校時代には夕方に再放送があった。本放送が週一で夜あるのに、毎日、夕方に再放送。評判が分かる。

45年も前だが、大まかなストーリーは覚えているが、面白さの分析とかはできなかった。「どうなるんだろ?」とワクワクして見ていたのを思い出すばかり。今回、見てみてその辺を確認した。

若い人はタイトルも知らないと思うので、あらすじを紹介する。時代は戦前、昭和10年代。福井出身の山下猛造は尋常小学校を卒業してすぐ、大阪で就職。前戸商店の丁稚となる。だが、その店の主人は二代目。先代に比べて不甲斐なく。諂うばかりの部下たちに囲まれている。そんな中で猛造が様々な困難に向かい合い成長していく物語。

と書くと、「カラテキッド」商人版?かと思うが、かなり違う。まず、2代目の主人と取り巻きは汚い連中。でも、先代の息子の嫁(中村メイコ)と孫(由美かほる)は思いあり、前戸商店を潰したくない。支配人(大村崑)も良識ある。複雑な人間関係の中、猛造は真っ直ぐな性格で常識に囚われない。そのために常にトラブルを起こす。

面白いのは猛造が問題を解決するのに暴力や権力を使わない。2代目主人とぶつかっても、売り上げで勝負するという展開になる。だが、現実は厳しく、簡単に商品は売れない。2代目の嫌がらせもある。現代にも通じる派閥や人間関係の嫌らしさが描かれている。猛造はその中でいろんな人に出会い成長していくのだが、問題はいつも簡単に片付けない。

解決は現実的で論理的。スーパーパワーで商品を売るとか、先代の娘が計らってくれて、ちゃんちゃんということはない。関西が舞台のコテコテ大阪ドラマなのだが、人情に流れることなく、論理性で物語が進む。そこが面白く、意外な気がする。そして大きな危機をやっと切り抜けたら、次の瞬間に2代目の反撃があり、状況がまた覆される。見ていてイライラ。「猛造。頑張れ〜」と思ってしまう。

法廷ドラマにも似た。論理の戦い。名義対文、筋、正当性が重要視され、喧嘩で問題は解決されない。知恵比べ、コンゲームなのだ。この辺は初期のジェフリーアーチャーの小説(「100万ドルを取り返せ」「大統領に知らせますか?」)のようだ。最近で言えば「半沢直樹」あのドラマが大ヒットした今、「どてらい男」を面白いと思うのも、同じ時代背景だと感じる。

腕力でなく、権力でなく、理不尽と戦う。単に嫌な二代目をやっつける話ではなく、ビジネスによる競争だけでなく、理不尽と戦うところがミソ。まんま現代に通じる。現在は猛造が商品をセールスするが、全く売れないで苦戦する話だが、昔の自分がダブる。映画監督を目指し、映画会社を相手にシナリオ営業するが、全く相手にされず、シナリオを読んでもらうだけで一苦労。読んでくれても「これ何?」という反応。どーすればいいんだ!という時代があった。

ムカつくpを殴ってもシナリオは採用されない。同じように猛造も営業先の番頭を殴っても商品を買ってもらえないと我慢。じゃあ、どーする!というところなのだが、僕も当時、どうすればシナリオを読んでもらえるか? どこに営業すればいいか? どんなシナリオを書けばウケるのか? あれこれ対策を考えた。カタギの友人には「世の中、甘く何だよ」と言われたが、七転八頭して5年後にまず、脚本家デビューした。

考えて行動すれば未来は開ける。「夢」は夢では終わらない!と思ったものだが、猛造もまた、挑戦を続ける。そんな思いがダブるところも興味深い。が、いちばんは論理性だ。日本のドラマは感情や恋がメインに来ることが多いが、大阪のコテコテど根性ドラマが論理性の物語。そこが面白い。

***

どてらい男ーシーズン2に突入。見出すと止まらんでー。「コブラ会」に負けてへん。あ、なんか、関西弁になってモタ!モーヤン見てると、元気なる。


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