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「ウルトラセブン」脚本家・金城哲夫が最終回に託した沖縄戦の思いとは何か?② [戦争について]

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『史上最大の侵略』を見てない人がいると思うので、簡単にストーリーを紹介する。ウルトラセブンこと、モロボシ・ダンは長期間に渡って侵略者から地球を守って来たために、体を壊し、命の危険があることを知る。そんな時にゴース星人の侵略。ダンのミスで地球に潜入。地底ミサイルで大都市を攻撃。地球人に降伏を求めて来る。ウルトラ警備隊のアマギ隊員が拉致。敵基地に囚われた。ステーションV3のクラタ隊長がゴース星人の基地を発見。マグマライザーに爆弾を積んで、その基地を爆破しようと計画。

それを知ったダンはアマギ隊員を救うために、傷ついた体のまま、ウルトラセブンに変身。救出に向かう。その直前にダンの正体を知ったアンヌ隊員は他のメンバーにそのことを告げる。「ウルトラセブンは、私たちのダンだったのよ」基地は爆破。ゴース星人の野望を阻止。セブンはアマギ隊員を助けることができた。

が、生き残った怪獣パンドンが登場。傷ついたセブンを痛めつける。キリヤマ隊長の号令でメンバーはウルトラホークでセブンの援護に向かう。。。。という物語。結末はウルトラ警備隊の助けで、セブンはパンドンを倒し、傷ついた体で故郷のM78星雲に帰って行くのだが、さあ、このエピソードで金城哲夫は何を描こうとしたのか?

その前に沖縄戦とはどういう戦いであったか?をまとめてみる。その両方を重ね合わせると、答えが見えて来る。沖縄戦は日本軍がアメリカ軍と戦ったという単なる戦闘ではない。真珠湾やミッドウェイとはかなり事情が違う。敗戦の色が見えて来た日本軍は本土決戦を覚悟。その準備のために、沖縄で持久戦を行い、少しでも米軍の体力を奪い、時間を稼ぐ。その間に本土決戦の準備を整える。勝つ必要はない。

沖縄を捨て石にして本土を守るというのが目的。そのために多くの沖縄県民が戦闘に動員され、あるいは逃げ場を失い犠牲になった。県民の4分の1が亡くなった。それを体験者、専門家の証言で紹介して行くのが、僕が監督した『ドキュメンタリー沖縄戦』

その戦闘の最中、子供だった金城は砲弾の嵐の中を逃げ回った経験がある。多くの友人、親族、近所の人たちが犠牲になった。彼は「なぜ、多くの人が死ななければならなかったのか?」と考えただろう。東京の高校で学びながら「この街の人たちを守るために、沖縄は犠牲になったんだ…」と感じたはずだ。「あの犠牲は必要だったのか?」そんな思いが『史上最大の侵略』に反映されたと思える。さらに金城は切り込む。

(つづく)



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