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「ウルトラセブン」脚本家・金城哲夫が最終回に託した沖縄戦の思いとは何か?① [戦争について]

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現在、再上映中の「ドキュメンタリー沖縄戦」3年がかりで勉強。映画を完成させたとき、ふと思い出したのは子供の頃に見た「ウルトラセブン」の「ノンマルトの使者」ー金城哲夫の脚本作品。ノンマルトは侵略者ではなく、元々は地球人。その地球人こそが侵略者であったという物語。

また、金城の言葉で「ウルトラ警備隊が自衛隊。ウルトラセブンがアメリカの第七艦隊。そして毎回倒される宇宙人が沖縄人に思えてくる….」と悩んでいたというエピソードも思い出す。彼は幼少の頃。沖縄戦の砲火の中を逃げ回った経験があるとも聞いていた。そう考えていて、あの感動の最終回「史上最大の侵略」で金城哲夫が描こうとしたものが見えてきた。悲しみと憤り。子供向けの作品ではあるが、そこに沖縄戦の思いが託されていたのだ。その話をしよう。

「沖縄戦」では戦時中だけでなく戦後の沖縄も調べた。そんな中で見た、具志堅用高さんが出演したテレビ番組、若き日のことを話していた。当時、沖縄はまだアメリカの統治下にあり、東京に行くのもパスポートが必要な時代。様々な苦労をしたと言う。

同じように金城哲夫も沖縄を出て、東京の高校に入学。大学を出て円谷プロに入社。『ウルトラQ』『ウルトラマン』『ウルトラセブン』等の企画立案と脚本を手がけた。僕は当時の作品をオンタイムで見て、再放送も繰り返し見ている。

そして1977年頃に朝日ソノラマから「ウルトラマン」「ウルトラセブン」の資料本が出て、僕は高校生だったが、相変わらず「ウルトラ」シリーズが好きで購入。好きなエピソードの脚本、多くが金城哲夫だったと知る。調べると沖縄出身。先の『ノンマルトの使者』もそういう背景があるんだなと感じた。

その後、あれこれあって、映画監督になり、脚本も自分で書いくようになる。物語を作るとき、机の上であれこれ考えて、書いても観客の心を掴むものはできない。自身の「体験」や「思い」を反映させないと感動作にならない。

今回『ドキュメンタリー沖縄戦』を監督したことで、沖縄戦を詳しく知り、改めて金城哲夫のことを考えていて、最終回『史上最大の侵略』を思い出した。子供の頃から何十回も見たエピソード。50代となった今でも後編は涙が溢れる。何だろう? あの感動は? 他のエピソードとは違う何かがある。ダンのセリフの裏に何かがあるのではないか? 脚本家は安易にセリフを書かない。いろんな思いを込める。

アンヌ、キリヤマ隊長、クラタ隊長、後半の彼らの言葉は、何度聞いても心に突き刺さる。沖縄戦と関係があるのだろうか? その意味を「沖縄戦」を完成させた時に理解した。解説しよう。(続く)




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