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シナリオを書くとき、撮影前に、たくさん映画を見る。伊丹十三、山田太一式アプローチ? [映画業界物語]

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シナリオを書くとき、撮影前に、たくさん映画を見る。伊丹十三、山田太一式アプローチ?

伊丹十三監督は映画撮影に入る前に、ビデオであれこれ映画を見田という。彼の映画日記を読むとそのことが詳しく書かれている。「マルサの女」の前に刑事物を見るのは分かる。国税庁の査察官も、刑事も狙う相手が違うだけで近い仕事だから。

しかし、刑事物、探偵物ではない映画もたくさん見ている。恋愛ものから「ゴッドファーザー」まで見たという。もう、30年以上も前のことだが、その意味が当時の僕は理解できなかった。

脚本家の山田太一さんも、執筆前に似たジャンルの映画を見まくって、その世界に入り込み、その勢いで一気にシナリオを書くと言っている。で、僕も素人時代からそれを実践。執筆前、撮影前には映画をたくさん見る。そんな時、僕が描こうとしているジャンルとは違う映画をたまたま見た。個人的に見たかった映画だが、参考にはならない。

ただ、その時期に見ないと、後で映画館で見るチャンスがない。そんな映画で、書こうとしているシナリオに物凄く役立つアイディアを見つけた。そうだ!これだ!この表現を使えばストレートに伝わる。同時に伊丹監督の意図も分かった。国税庁査察部の映画だからと、それに近い刑事物や探偵物ばかりを見る必要はないのだ。

ホラー映画をよく撮るある監督はシナリオ前に喜劇ばかりを見るという。笑いと恐怖は紙一重だからだそうだ。なるほど、そうかもしれない。他のホラー映画を見てそのネタをパクるより、喜劇を見て、それを恐怖に置き換える方が見たこともない表現になる。

そんなことで僕は、特に執筆前に大量の映画を見るようにした。脳があれこれ物語を考えているときに映画を見ると、日頃と違った見方ができる。恋愛ドラマでも、アクションでも、文芸大作でも、そこに現在描こうとしている物語との共通点を探し、それを取り入れられないか?と考える。

俳優のちょっとした台詞。動き。登場の仕方も、参考になる。音楽、編集、照明、カメラも、次回作に当てはめると......と想像する。伊丹十三監督も同じような思いで、撮影前にビデオを見たのだろう。そして山田太一さんも同様。そんな訳で、今でも僕はシナリオ前には時間ある限り映画を見る。映画館で、ビデオで、DVDで、今はNetflixもある。その世界に入り込み考える。



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