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事実上の最終作。「男はつらいよ 紅い花」を見終える。=リリーシリーズの最終回。寂しさに包まれる。 [映画&ドラマ感想]

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事実上の最終作。「男はつらいよ 紅い花」を見終える。=リリーシリーズの最終回。寂しさに包まれる。

本当は昨夜、見始めたのだが、何だか寂しくなり、残りを今日に残して置いた。日が暮れたら見ようと思ったのだけど、気になって見てしまった。

奄美大島で満男と寅が再会する場面は涙が出た。なぜだろう? 現在公開中の50作目「おかえり寅さん」で満男は何度も「おじさんに会いたい」と言うのだが、結局会えずに映画は終わる。その満男の思いが叶い、おじさんに会えたように感じたからだろう。

ああ、トラさんはまだ元気でいる。満男の前で四角顔をしている。劇中では今回の50作目でも、寅は死んだことにはなっていない。きっと日本のどこかにいるんだよ。と言う設定。でも、観客である僕らは知っている。寅を演じた渥美清はもうこの世にいない。もう、満男がおじさんに会って喜ぶシーンをスクリーンでは見ること。もうできないのだ。そう思うとまた涙が溢れた。

この作品もちゃんと映画館で見ているのだが、リリーとの恋の結末が思い出せなままNetflixで見ていた。リリーシリーズの第1弾「忘れな草」では最後に寅とリリーは喧嘩、リリーが飛び出して行き、そのまま別の男(アラシ隊員)と結婚してしまう。

第2弾の「相合い傘」ではリリーが「寅さんとなら結婚してもいい」と言うが、寅が「冗談だろ」と言い2人は別れる。そして3弾の「ハイビスカス」では寅が「俺と所帯を持つか?」と言うのだが、リリーが「冗談きつい」とはぐらかす。

そう、2人は同じことを繰り返している。そして最終作では、2人は喧嘩して、今回はリリーではなく寅が家を出て行ってしまう。シリーズ第1弾の逆をやっている。

それで言うと、その第1弾でリリーが寅屋に行ったとき、おいちゃん達が寅の歴代女性の話をして盛り上がるが、今回は、寅と満男が同じ話をする。そして最後は寅がリリーを送って行き、一緒にタクシーに乗ってしまうのだが、満男の泉ちゃんシリーズでも、送っていたホームで一緒に新幹線に乗ってしまう。同じ構図になっている。

映画館で見たときは、それぞれの作品が何年も経っているので気づかなかったが、そんな繰り返しが描かれていたのだ。それが意味するものは何か? 人生は同じ繰り返し。人はそこに笑いと涙を顧みる。2弾と3弾で2人は「冗談」ではぐらかし、結婚を避けてしまうが、寅もリリーも「自分なんかじゃダメだ。この人にはもっと素敵な人がいるはず....」と言う思いで身を引いている。

寅が振られた訳ではない。そんな寅とリリーは以降会うこともなく、公開中の50作目にはリリーだけが登場。人生とは何だろう?幸せとは何だろう?それを求め続けたのが、このシリーズだったのかもしれない。そう考えるとまた泣けてくる。



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