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悲しみを伝える第三者の難しさ=原発事故と沖縄戦の共通点 [沖縄の現実]

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悲しみを伝える第三者の難しさ=原発事故と沖縄戦の共通点

「ドキュメンタリー沖縄戦」感想のほとんどは絶賛だった。が、極々一部にこんなのがあった。

「非常によくまとめてある。クオリティも高い。が、***事件を取り上げていない。また、護郷隊の存在も扱っていない。不勉強だ。他がよく出て来ているだけにとても残念」

***事件がない。**の戦闘がないという指摘は少しばかりあった。が、もし、それらを取り上げたらどうなるか? 現在の上映時間は1時間45分。その2つの事件を取り上げたら2時間越え。また、他の人は「***の戦いが抜けている!」という。それも入れると2時間15分。30分。45分。どんどん上映時間が長くなる。

沖縄戦に詳しい地元の方は評価してくれるだろう。だが、東京や大阪の人はどうか?3時間近いドキュメンタリー映画を見てくれるだろうか? 上映時間を聞いただけで敬遠する人が出てくるだろう。また、先の指摘の「護郷隊」。実は取材している。専門家の方からもお話を伺っている。が、「沖縄スパイ戦史」という同じ題材の素晴らしい映画が昨年公開され、全国で上映ヒットした。

同じ題材を繰り返し紹介する意味は少ない。「朝日のあたる家」の時も原発事故に詳しい人から「初心者向きだ。描かれたことは全部知っている」と批判されたが、当時、多くの人はそこまで知らない。何より専門家向きに映画ではなく、テレビで事故のニュースを見るだけの普通の人たちに向けた作品。その人たちに福島の悲しみを伝えるのが目的。それを飛び越えて「全部知っている!」と批判して何の意味があるのか? また、彼らが満足する特別な情報満載の作品を多くの人が観にくるだろうか?

沖縄戦も近い構図がある。「あの戦闘でお爺ちゃんが亡くなった」「あの事件は実家のそばで起こった」そんなことで悲しみは強くなるし、その事件を伝えるべきだ!という責任感も増す。体験していなくても詳しく勉強すれば「この事件は外すべきではない」と感じる。でも、その全てを取り入れると、長くなり過ぎて全国の人が観づらくなることも事実なのだ。

実際、沖縄で作られたドキュメンタリーには2時間越えのものがある。が、情報が多すぎて見終わった時にあまり残らない。作り手の熱い思いは分かる。だが、大切なのは沖縄戦を知らない人に、どう、分かりやすく、伝えるか?なのだ。関心を持ってもらうか?なのだ。なのに原発問題も沖縄問題も、強い関心がある人が一般が興味を持つのを止めてしまっている側面もあるのではないか?では、どうすれば関心のない人たちに知ってもらうことができるのか?(つづく)



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