夢を追う若者たち。それを否定する大人たち①=その背景を考える? [MyOpinion]
夢を追う若者たち。それを否定する大人たち①=その背景を考える?
「俺は会社を作り世界と商売をするぞ!」
と、あたなが言ったする。まわりは必ずこういうだろう。
「どうーせ無理!」「世の中甘くない!」
多くの人はなぜか?夢や目標を否定しようとする。夢を語ると相談してないのに、いろんな人がやってきて説教する、注意してくる。本人たちは助言やアドバイスのつもりなのだが...。その背景には日本人的な考え方がある。
「現実は厳しい」「夢は所詮、夢」
それが大人の発想であり、世間を知っていることだという意識がある。だから夢を語ると、
「こいつは世間を知らない。まだ子供みたいなことを言っているのか?」「現実を教えてやらないければ」
と多くの人があれこれ言って来る。僕自身も経験がある。高校時代に「映画監督になりたい!」といったら、友達や先生、親、大人からもの厳しく批判、否定を受けた。
「世の中、そんな簡単にいかない!」「もっと現実を見ろ!」「小学生みたいなことをいうな!」「お前、才能あるのか?」
と、総攻撃。その後は夢を語らないようにした。それがアメリカ留学し、大学の先生やクラスメートに「夢」を訊かれて答えたときは全然、違う反応だった。
「映画監督か!グレート。がんばれよ」「グッド!いいね!」
「絶対になれるよ。応援する!」
ほとんどが好意的な意見で、背中を押すものばかり。日本は止めようとする人ばかりだったのに、何が違うのか? 僕が留学したのは23歳。日本なら大学卒業、就職の歳。後ろめたいものがあった。大学でそんな話をしたことがある。
「僕はもう23歳だから…」
「何いってんだ。まだ、23歳じゃないか!」
「まだまだ、これから、何だってできるさ!」
と、これまた何人もから言われた。アメリカは楽天家ばかりなのか? でも、とても励まされた。ケンタッキー・フライドチキンのカーネル・サンダースも60歳を超えてからフライド・チキンを始め成功したと聞く。さすが、アメリカン・ドリームの国。
大学で出会った人たちも、皆前向きだった。で、気づいたのは日本は何で夢を語ると否定したがるのか? なぜ、夢を否定する? 厳しい現実を受け入れることを大人の考え方だと思い、特別なことをやろうとすると「いい加減、大人になれ!」などというのか?
日本に帰ってからも、僕は「映画監督になること」を目標にして、アルバイトをしながら、シナリオを書き続けた。相変わらず、友達も、親も、知人も、声を揃えてこういった。
「いい歳なんだから、早く会社に就職しろ!」
そして相も変わらず「世の中、甘くない」と言われた。身のまわりでも、ミュージシャンになりたい! 俳優になりたい! 小説家になりたい!という友人がいたが、1年、2年で脱落。故郷に帰る者。会社に就職する者が出てきて、5年も経つと皆、いなくなった。
「やっぱ、食って行けないから...」「しょせん夢は夢なんだよな....」
そんな言葉を残して消えて行く。大人たちは、そんな彼らを見てこう言う。
「世の中、甘くない。諦めが肝心だよ...」
しかし、それは違う。夢を追いかけた友人たちは全力で努力したがダメで諦めたのではなく、ほとんどが努力不足。見ていると、少しばかり足掻いてみて駄目だと、落ち込んで悩む。その期間の方が長い。そして彼らは自身を批判する大人たちと同じように、他人に対しては
「どーせ無理だ!」「世の中、甘くない!」
と言っていた。「俳優になりたい!」といいながらも、現実は厳しいと思っていたのだ。だからこそ、2年3年で諦めてしまった。だが、数年で俳優や小説家になれる訳がない。そして自分の努力が足りないのではなく「世の中が厳しい。だから無理なんだ」という解釈をした。
僕も何度か挫折しそうになった。いろんな努力をしても、なかなか映画監督になるチャンスは掴めない。でも、人が机の上で考える方法論なんて、ものすごく限られたもの。本当は別のところに、違った方法論があるものなのに、多くはそう考えず「世の中は甘くない。厳しいんだ」と解釈して諦めてしまう。
成功した友人たちを見ると「もう少し、がんばれば、別の出会いがあるかもしれない。別の方法論が見つかるかもしれない」と考えて、諦めなかった。そう、この「諦めない」ということが大切だ。なのに多くの日本人は「世の中甘くない」と決めつけて諦める。それで終わらせる。つまり、自分の努力が足りないのではなく、世の中が厳しいから夢破れたと考える。
実際、僕は5年目で脚本家になるチャンスを掴み、2年後に監督になる。そして、さらに8年後に映画監督デビューする。それから5本の映画を撮り。毎回、日本全国20カ所の映画館、シネコンで公開される。有名俳優も出演。作品は海外でも上映される。
もし、あの頃に諦めていたら今の僕はない。なぜ、友人たちと同じように2−3年で諦めなかったのか? アメリカ時代にもらった言葉に支えられた。
「まだ、23歳じゃないか!」「今からだってできる!」「映画監督。グレート。がんばれ!」「絶対になれるよ。応援する!」
特別の人たちではない、普通のアメリカ人から何度もそう言われた。だが、僕がずっと日本で生活していたらどうだったか?バイトを続けながら、映画監督を目指していたら? ほとんどの大人、そして友人たちがこう言い続けたはず。
「世の中、甘くない」「夢は所詮、夢だ」
「どーせ、無理だ!」「可能性は低い!」
そんな言葉を何年も何年も聞いていると、
「そうだよな。やっぱ無理だよな...」
と思えたはずだ。そして、夢を諦めることこそ、大人だと思い、就職。そして、がんばる若い人を見れば「甘いんだよなー」といいたくなったろう。それが日本社会の構図なのだ。では、なぜ、そんな風になったのか? 次回、分析する。(続く)
①「トラブルが起こっても、見て見ぬふりをする。何事もなかった顔をする」
②「問題を起こした責任者を追求しない」
③「被害に遭った人が責任者を責めると、みんなで被害者を叩き、トラブルに触れず、無かったことにする」
④「トラブルを避け、問題を起こさないこと。人と違うことをしない。新しいことを受け入れず、協調を大事にする」
⑤「実質的なメリット。街全体のプラスより、個人のメンツや付き合い平穏を大切にする」
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