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2本の映画「ひめゆりの塔」何が違うのか? [2018]

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沖縄戦プロジェクト通信ー2本の「ひめゆりの塔」何が違うのか?



沖縄のことを全く知らなかった僕でも、この映画は知っていた。が、見たのは数年前。どうも戦争の映画を敬遠してしまうところがある。当時、見たのは今井正監督版。これは壮絶だった。そして今回、吉永小百合主演の方。舛田利雄監督版を見た。

どうも桝田監督は印象がよくないのは、僕が若い頃にアイドル主演の映画を何本も撮っていたことがあるだろう。「ハイティーンブギ」(たのきん)とか、どうも安易な青春もので、映画ファンがバカにするものが多かった。もともと石原裕次郎の映画を撮っていた人だし、アイドルといえば、そうかもしれない。

が、考えると桝田利雄は「トラトラトラ」の日本側監督でもある。深作欣二と共同。つまり、黒澤明が降りたあとに監督となった人だ。ネットで調べると「戦争映画には特にこだわりを持つ」とのもある。ところが、今回の「あゝ、ひめゆり塔」はあまり伝わるものがなかった。

内容は今井正版とほぼ同じ。違いは冒頭に「対馬丸撃沈事件」を持って来たこと。それはうまい構成だと思うのだが、ひめゆり部隊の悲しみが今井版ほど伝わって来ない。女優たちが綺麗に撮られていて、痛々しさが感じられない。演出というより思いが違うのではないか?

今井正監督が撮ったときは、まだ沖縄が返還されておらず、ロケは本土で行われた。「沖縄で撮りたい」という思いが返還後にリメイクという形となる。執念ともいうべき思いが、今井版の凄惨さにつながっているのではないか? 他にも理由があるかもしれないが、だとしたら、監督の「思い」作品を左右する大事な部分である。

(この映画を観たあと、沖縄のひめゆり祈念館にも行き、当時の関係者にもお話を伺いました)


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