戦争の悲惨とは違い、基地問題の苦悩は伝わりにくい[?] [「沖縄狂想曲」]
今回の監督作品。ドキュメンタリーだ。戦後の沖縄を題材にしたもの。だが、その内容を伝えるのは難しい。前作の「ドキュメンタリー沖縄戦」は沖縄戦を詳しく紹介する作品。ある意味、説明しやすい。
アメリカ軍が襲来し、日本軍が戦い。住民が犠牲になる。その背景にある国の非常な判断。ストレートに伝えられる。が、戦後となると、難しい。戦闘があれば派手だし、興味も引きやすい。対して戦後は米軍による犯罪。基地、戦闘機による被害、事故。
戦時中の話に比べると、地味も見えてしまう。また、傍観者である本島の人間からすれば、「中国の脅威から日本を守るために、米軍は必要」と言う思いがある。実は違うのだが、そんな理論で納得。目を逸らしがち。
そんな沖縄の苦悩。どう描けば自分のこととして、感じてもらえるか[?]今回の作品で最も難しい部分だった。他人の痛みを自分の痛みに感じてもらう表現。それこそが映画の任務なのだ。ニュースでは伝わらないものを体感してもらうこと。大切である。
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