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映画の予算 [映画業界物語]

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映画を作る前。その作品に必要な製作費の見積りを立てる。ただ、その通りの額は集まらない。スポンサーは見つかったが、かなり低い額。ということもある。その額で制作できる予算をPは組む。テレビ番組の場合。そこで決められた現場費で撮影。赤字が出ても補填されない。それは即ちPが無能という証明になる。人件費は別。編集等のポスプロ費も別。決められた枠で撮影が終われば、ギャラは払われ、編集作業も進められる。

ただ、Pが無能でなくても、天災、疫病、災害はある。撮影が中断。新たな出費が必要となることがある。スポンサーが裕福なら追加予算も出るだろうが、出ないことも多い。新たなスポンサー探しをすることもある。結果、制作中断。制作中止ということある。

ドキュメンタリーの場合はどうか? 

そもそもの製作費が安い。その枠内でやる。が、劇映画以上にリスクが高い。インタビューしたくても、先方の都合と合わない。現地インタビューだとクルーが滞在する間に、訪ねられる数は限られる。「来週ならいいよ!」と言ってくれても、その頃は東京だったり。「じゃあ、来週来ます」となると、また交通費、宿泊費、フリーのスタッフ賃金が上乗せになる。「あと1回来れたら、もっといいもの撮れたのになあ」「この素材じゃ不十分だけど、もう来れないなあ」ということがほとんどだ。

僕の場合。かなり強運で短期間で意味ある取材が多くできることがある。と言って3回の現地取材が2回で終わったということはない。毎回、最後は経費が足りなくなり、監督料を注ぎ込み。終わると借金が残っただけ?ということも過去にある。今回はすでに3分の2の取材を終えており、ダウンしたことで予算を再確認する時間ができた。細かく確認していく。無駄使いは絶対にしない。が、突発的事件もある。

取材があと一息で終わろうとする段階。残り経費いかに抑えて使うか? ポスプロならMAスタジオを最新鋭のところではなく、かなり古いところにして安くするとか? 取材費が残れば、その分をポスプロに持って来れるが、それは出来ないことが多い。逆に編集費を現場に持ってかないとならないこともある。

大手だと、取材現場で経費が残っても、それを会社に返すだけ。「それなら何か現地で美味しいもの食って使っちゃおう!」ということになりがち。ただ、僕の場合は余ればポスプロに回せる。作品本位に進められる。が、たいてい、現場費は残らない。ポスプロ費の何を削減して、何を抑えるか? それを現場費に持つて来ることも考える。


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