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映画監督を目指していた若き日のこと?ーどうすれば映画会社にシナリオを読んでもらえるか? [思い出物語]

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映画監督を目指していた若き日のこと?ーどうすれば映画会社にシナリオを読んでもらえるか?

1973年から放送されたドラマ「どてらい男」amazonを通して、あるサイトで配信されている。これがめちゃめちゃ面白い。見ていて元気なる。高校時代に見ていた。先日までの展開。主人公・山下猛造が大阪の問屋に就職。初めての営業で散々な目に遭う。そして「立売堀の将軍さん」と言われる伝説の営業マンに言われる。「こうてくれ!(買ってくれ)と言うて、こうてくれる店なんてない。どーしたら品物をこうてくれるか?考えてみ?」ー思い出したことがある。

アメリカ留学を終えて帰国。映画監督を目指して行動を開始した頃。どうすれば監督になれるか考えた。そこで有名監督たちはいかにして監督になったか?調べた。日本の場合は助監督を10年務めて監督。でも、それは黄金期の話で、1980年代以降はそのパターンは激減。変わって学生映画出身の監督が抜擢されることが続いた。が、それも5年ほどで下火。その後は、別の業界で成功した人が監督したりと言うことが続いた。やはり、監督業は何か作品がないと、認められないようだ。

僕も学生映画をやっていたが、その頃の仲間は皆、夢破れて東京にはおらず、8ミリ機材がもう手に入らない時代。と言ってビデオでやるにはまだまだ機材が高価であり、難しい。仲間も、機材もない。金もない。どうすれば監督になれるか? 映画会社は「監督募集」なんてしない。「デューダ」や「とらばーゆ」にも募集はでない。考えた。実は高校時代に日本の映画事情だけでなく、アメリカの事情も調べていた。スピルバーグやルーカス。コッポラがどのようにして監督になったか?そんな中で印象的だったのがこれ。

USCで映画を勉強したロバート・ゼメキスとボブゲイル(両方とも先輩だ)はコメディの脚本を書き、スピルバーグに送った。それが気に入られて映画化。「1941」である。そこでチャンスを掴んだ2人はスピルバーグの製作であの「バックトウザフューチャー」を作る事になる。シルベスタースタローンは売れない俳優だった。その時代にボクシングの試合を見て閃き、脚本を書いた。ユナイトに売り込む。「俺が主演でこれがやりたい!」それが「ロッキー」だった。

映画を作るのは金がかかる。でも、脚本は原稿用紙とペンがあれば書ける(当時、まだワープロさえ普及していない時代)アルバイトをしながら夜、シナリオを書いた。朝まで書いた。1年がかりで1本。それを営業しよう。どこに営業すべきか? 当時はまだ制作会社なんて知らない。大きいところから当たろうと、東宝、東映、角川、松竹に順に連絡することに。「シナリオを読んでほしい。会社を訪ねたい。時間をいただけないか?」しかし、答えはこうだ。「そのようなことはしていない」「そんな暇な奴はいないんだよ!」

もう、全社に連絡し終わる前にショックで打ちひしがれて塞ぎ込んだ。ハリウッドは先にも紹介したような対応もあるのに、日本は門前払い。いや、電話の段階でアウト。どーすればいいんだ.......。と言うことがあった。「どてらい男」の主人公・猛造は将軍さんの助言で考えた。「どうしたら、品物をこうて売れるんやろ? ワシにできるプラスaって何やろ?」当時の僕も同じだった。「どうすればシナリオを読んでくれるのか?」この後、猛造は奇想天外な手を考え、行動を始める。失敗しながら、ついに注文を取り付ける!

このドラマは実在の会社・山善の創設者をモデルにしている。事実を踏まえた物語。だから、説得力がある。おまけに僕も似たような経験をしている。だから、余計に共感する。しかし、まあ、僕も、思い出すと、よくあんな八方塞がりの状態から、本当に映画監督になれたなあと思える。当時、誰もが「無理」「不可能」「お前、才能あるのか?」「いつまで夢見てるんだ!」「現実を見ろ!」「就職しろ!」と言われて続けた。が、今では6本の劇場映画を監督。

周りの人たちがあれこれ言って、頑張る若者を潰してしまう日本の環境があるだろう。きっと、いろんな世界で可能性がある若者がいるはずなのに、大人たちが潰してしまう。漫画や作家の世界はまだ新人賞等の窓口があり、若手を探す気があるが、映画界は超閉鎖的。それに挑戦したのが、帰国した29歳の時だった。だから「どてらい男」他人事ではない。え? で、どうやって脚本を売り込んだのかって? 長い話になるのでまた別の機会にしよう。今晩も「どてらい」見なければ。



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