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戦時中。日本人は何を考え、何を見つめたのか?=小学生時代の忘れられない思い出。 [戦争について]

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戦時中。日本人は何を考え、何を見つめたのか?=小学生時代の忘れられない思い出。

今も忘れないが、小学生の時。授業で戦争の話になり、ある女子生徒が先生に質問した。「なぜ、戦争はいけないことだと分かっているのに、大人は戦争をしたんですか?」当時、担任は定年の近い女性教師。優しく品のある人だった。が、黙り込み、しばらくしてこう答えた。「そうね。いろいろ難しいことがあってね.....」彼女はそれ以上は説明してくれなかった。そのことが今も鮮明に記憶に残っている。

大人になり、先生が答えられなかった理由が分かってくる。「戦争はダメだ。やってはいけない」といえない時代だったのだ。それどころか日本軍の進撃に国民が大喝祭。それを戦後生まれの小学生にどう伝えればいいのか?先生は悩んだのだろう。1973年頃の話なので公務員の定年が60歳として、先生が58歳だとして、終戦は28年前。差し引きすると、先生は終戦時は30歳だ。

僕が沖縄で取材した方々は当時5歳とか15歳。となると、先生はすでに社会人であり、常識ある大人。記憶も鮮明であり、当時のことをしっかり覚えているはず。今、考えると小学生であった僕らに、もっと戦時中の話をして欲しかった。いや、僕らがもっともっと聞けばよかった。

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が、当時10歳くらいの僕らは、終戦からわずか16年後に生まれたのも関わらず、戦争は遠い昔のことと思い込み。関係のないこと。歴史の1ページだと感じていた。今年2020年から同じだけ年月を戻れば、2004年。映画で思い出すと「ハウルの動く城」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」「世界の中心で、愛をさけぶ 」「スパイダーマン2」 「Mr. インクレディブル」「いま、会いにゆきます」がヒットした頃。ついこの間だ!

世間の出来事でいえば「オレオレ詐欺が流行」「冬のソナタがヒット」「イチローメジャーリーグで活躍」「チョー気持ちいい」が流行語。アテネオリンピック開催。やはり、ついこの間のこと。先生も同じように当時のこと覚えていたはず。ー空襲や食糧難。ラジオから流れる大本営発表。そのころの話。聞いておけばよかった。が、僕らは戦時中のことよりテレビ番組の「レインボーマン」「キカイダー」の展開に興味があった。先生がまだご健在だとしても、今年で100歳を超えている。そうだよなあ。「沖縄戦」で取材させてもらった女性が当時15歳、今年93歳だと聞いた。

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こうして戦争を体験した人たちから、当時の話を聞くことはできなくなっていく。もちろん、書籍はある。が、「沖縄戦」を取材して分かったのは文章で伝わることはわずか。体験者の肉声には敵わない。そして、歴史としての戦争は知ることはできても、その時代に何を感じていたか?は人それぞれ。町の空気や人々の心理を知るのは難しい。

日本人はどのようにして戦争に賛同。どのように推進したのか? でも、最初から反対だった人。途中でヤバイ!と気づいた人もいたはず。そして信じていたものが全て崩れ去った玉音放送。その時の気持ち。それらを見つめていくことで、軍国教育や大本営発表がどのように効果を上げ、人々が誘導されていったか?をリアルに理解することができるはず。そこを詳しく描いた映画はほとんどない。そこを知りたい。国民がどのように戦争に巻き込まれるのか?知りたい。ー


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