「ドキュメンタリー沖縄戦」間違えた批判する人たち=お答えしよう! [映画館公開]
「ドキュメンタリー沖縄戦」間違えた批判する人たち=では、お答えしよう!
「ドキュメンタリー沖縄戦」とても好評だ。多くが高い評価。「見るべき映画」と感想を書いてくれている。が、もちろん批判的なものもある。賛否両論。映画は自由に批評すべきだが、明らかな勘違いもある。そこから興味深い事実も見えてくるので紹介する。
①「沖縄は見捨てられたと言うが、戦艦大和も沖縄を護る為に出撃したのではないですか?」
②「日本軍は沖縄を見捨ててなんかいない。もし、そうなら軍を沖縄に派遣しないはずだ!」
この種の意見は少なからずある。「沖縄を捨て石にしていない」「見捨てていない」ま、ある種の団体が特に主張しているのだが、同じことを言う個人もいる。が、その人たちは沖縄戦を詳しく知らないのだろう。先に上げた2つのコメントも映画を見ていない人だ。宣伝や解説だけを聞いて「見捨ててなんかいない!」と聞きかじった知識で批判している。
映画を見て貰えば「沖縄が捨て石になったこと」様々な証言で理解できる。が、先の批判について答えよう。「戦艦大和も沖縄を護るために出撃」と言うが、その大和は沖縄戦で活躍したのだろうか? 実際は沖縄に着く前に、出航して間も無くアメリカの戦闘機によって撃沈。それは軍部も承知の上だった。映画「連合艦隊」や「太平洋の翼」でも描かれているが、当時もう巨大戦艦は無用の長物であった。
山本五十六が考案した戦闘機による真珠湾奇襲。そこから戦争は新しい時代に入った。戦艦同士の戦いではなく、航空戦が主流になった。ミッドウエイ海戦も同様。にも関わらず日本は時代遅れの巨大戦艦を作ろうとした。映画「アルキメデスの大戦」でも描かれているが、今の時代で言うと「万博をやって景気をよくしよう!」というのと同じ。1970年の成功を2000年代に再現しようと言うのだ。時代錯誤甚だしい。それが大和なのだ。
しかし、大和は僕の子供の頃から人気があり、皆プラモを作った。その後は「宇宙戦艦ヤマト」が登場。大和は日本が誇る最強の戦艦と言うイメージが定着したのだろう。だが、実際は時代遅れの産物でしかなく、当時の軍部もそれを把握していた。ただ、国の総力を注いだ大和を使う機会がない。使わずに終戦を迎えるのも恥ずかしい。そこで沖縄を守ると言う名目で出撃。燃料は片道のみ。結果、沖縄に到着することもなく、あっけなく撃沈されている。
これは史実であり、いろんな映画でも描かれている。そのことを批判した人はそれを知らずに「大和、世界最強!」と言うイメージで間違った認識を持ってしまったのだろう。また、2つの目の批判も史実を知らないようだ。「沖縄を見捨てた」=「でも、軍隊を派遣している」=>「守るためだ」と言う思考だろう。が、沖縄に派遣された第32軍の使命は「できる限り戦闘を引き延ばし、米軍を消耗させ、本土決戦の準備時間を稼ぐこと」だった。
「見捨てた」と言うから「だったらなぜ、軍を派遣した!」となる。だから「捨て石にされた」と言う方が正確。沖縄に軍を派遣しないとアメリカ軍があっという間に沖縄を占領。本土に侵攻する。それを止め、時間稼ぎをするのが目的。つまり2番目の批判は「でも、軍を派遣」=>「見捨てててない」と聞きかじった情報だけで判断したのなら、その目的が何か?を把握するべきだった。せめてグーグルで「沖縄戦」を検索してからにしてほしい。
とは言うものの。僕も沖縄戦についてはまるで知らなかった。批判する人たちの方が間違った知識でも、まだ、沖縄について知っていると言える。僕のように何も知らなかった人。彼らのように聞きかじった間違った認識を持つ人。そんな人たちにぜひ「ドキュメンタリー沖縄戦」を見てもらいたい。歴史だけでないものが見えてくるはずだ。
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