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監督業と脚本家業。それぞれにどんな仕事をするのか?=両方やるとどうなるのか? [映画業界物語]

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監督業と脚本家業。それぞれにどんな仕事をするのか?=両方やるとどうなるのか?

物語を作る。というのはどういう作業なのだろう? 10代の頃からやっており、今では仕事になっている。が、今もしっかりと把握している訳ではない。映画製作では基本、脚本家が物語を作りシナリオにする。監督はそれを演出ーつまり、配役を決め、どう映像にしようか?と考え、撮影する。この基本パターンでは監督は物語は作らない。上がって来たシナリオに対して、「もっとこんな感じ!」「ここはこうしてほしい」という意見はいう。直しはお願いするが、物語を作るのは脚本家だ。

僕は監督業だが、脚本家デビューが先。まあ、それ以前、学生映画をやっていた頃から両方やっていたが、自分が演出する作品は全て自分でシナリオを書く。シナリオというのも2種ある。原作があるもの。オリジナル脚本。原作があるものは、脚本家が映像にふさわしい話に直して、2時間ほどで描けるようにシナリオ化する。日本映画はこのパターンが多い。ベストセラー小説。漫画が原作になる。

対してオリジナルは原作がない全くのオリジナルストーリーを脚本家が書く。テレビドラマはこのパターンが結構ある。昔で言えば山田太一、倉本聰、市川森一という作家はほとんどオリジナル。90年代以降なら三谷幸喜、野島伸司らが有名。というか、それ以降の若い作家はよく知らない。が、ドラマはオリジナルが多い。対して映画は原作がないと、企画会議で落とされることが多い。原作のファンが映画館に来ることで、ある程度の収益を見込むからだ。

さて、僕の場合は映画だが、デビュー作の「ストロベリーフィールズ」から、劇映画としての最新作「明日にかける橋」まで全てオリジナル脚本だ。原作はない。自分で物語を考えて、自分で演出する。「凄いなあ」と言ってくれる人もいるが、脚本家だけ。監督だけだと大した力がないので、両方を足すことで及第点をもらっている。多分、僕の書いたシナリオを他の人が演出すると、いいものができないし。他の作家が書いた脚本を僕が演出してもダメだろう。

というのは、通常は監督がシナリオを読み、あれこれイメージして映像化する。それは監督によって様々。だから、同じ脚本でもA監督だと感動的な映画になるが、B監督だと滑りまくり!ということもあり得る。が、僕の場合は自身で演出するので、自分の演出力が発揮できる設定で書く。そして執筆の段階で、演出やカメラワークも決めてある。ロケ地も書く前に確認する。でないと、「広大な荒野を主人公が行く」と書いても、東京近辺でそんな場所探すのは大変。地方ロケなら、その街の良さを引き出したいし、作家があれこれ想像して書いても現場は大変。

おまけにいくつかの役は俳優もイメージして書いてしまうので(その俳優にしかできない台詞まわしや行動を書き込む)ギャップが少ない。これが女優A子を脚本家はイメージしているのに、監督は自分の趣味でB子をキャスティング。そうなるとA子なら言える台詞でも、B子は何か説得力に欠けたり....ということも出てくる。

昔の歌謡曲は都倉俊一が作曲、阿久悠が作詞。歌はピンクレディのようなパターンが多かったが、今はバンドが中心で、自分で作詞作曲、自分で歌うというアーティストが多い。その方が思いが強く伝わるからであり、人気がある。映画も同じで、脚本家の先生が書いたものを、監督があれこれ解釈して演出するというのは昔の歌謡曲タイプ。今の時代、今の観客により強い思いを伝えるには、両方をやった方がいいのでは?と思える。

そんな意味もあり、脚本と監督の両方をやっている。あー物語作りの話を書こうと思ったのに、そこまで行かなかったなあ。続きはいずれ。


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