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「あれじゃダメなんだよなあ」とヒット映画を批判する先輩の本心とは? [映画業界物語]

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「あれじゃダメなんだよなあ〜」とヒット映画を批判する先輩の本心とは?

大ヒットした映画を見た先輩監督。「あれじゃあ、ダメなんだよなあ〜」その台詞。映画界ではよく聞く。先輩だけではない。友人監督も後輩もよくいう。「あれじゃダメなんだよなあ〜」この言葉を分析してみた。「あれじゃダメ」=正解は他にあるのに間違ったものを選んでいる。映画の場合は「ラストシーンがよくない」「別の形で終わらせるべき」「面白くない」「キャスティングがよくない」「ストーリーがよくない」等を指摘することが多い。

さらに分析すると「あれじゃダメ」というのは「俺は正解を知っているんだ。その正解を選択していない。分かっていないな」という意味でもある。しかし、入試問題ではない。映画の表現で「正解」なんてない。にも関わらず彼らは「あれじゃダメ」と言い、その心は「俺は正解を知っている」????どういうことだろう?

つまり、「俺ならこうする」「俺がやればより良くできる」=それを言い換えたのが「あれじゃ駄目」と言う表現。正解を知っているのではなく、自分の趣味、自分の価値観、方法論の方がよくなるという自身の思いに過ぎない。それを実践して、観客にアンケートを取り「こっちがよかった!」という結果が出た訳でもない。「俺は別の表現をする」という自己主張に過ぎない。

それを「俺なたらこうしたい」とは言わず「あれじゃ駄目」という。「俺が正解だ」という主張するのだ。でも、「俺」が正しいかどうか? どうやって決めたのか? 同じシナリオで映画を作らないと、それを実証できない。別のジャンルでも同じようなものを作れば証明できるが、そんなことをした人はいないだろう。なぜか? その言葉の本当に意味は別にある。その手の台詞を言う監督は、頻繁に映画が撮れる観客にいないことが多い。

監督志望だが、1本も映画を撮ったことがない。つまり、あれじゃ駄目。と上から目線で言いながら、実は映画が撮れない自分がいて、高額の製作費を使って映画を撮る監督がいる。悔しい。嫉妬する。あの場面ー俺ならこう撮るのになあ。と言う思い。それを「あれじゃ駄目だよ」と表現する。多くの監督は僕を含めて傲慢であり、自分が一番だと思っている。だから、そんな言葉が出てしまう。

その作品が本当に素晴らしくても、自分の環境を顧みると低予算映画しか撮れないことを痛感。あるいは1本も監督していない。その悔しさからメジャー作品。ヒットした作品を否定したい。「俺に監督させればもっといいものを撮ってやるのによ〜」でも、そう言うと自分の現実を認めたことになる。惨めだ。だから、上から目線で、自分の位置を上に置いて「あれじゃ駄目なんだよな〜」と自分を守りながら「俺がやればすげーんだよ」とアピールする。

僕も昔は似たようなことを思っていた。映画の世界だけではない。どこでも同じだ。自分を高いところに置き、頑張っている人を批判。自身を正当化する。だが、その種の人は努力していない。



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