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映画監督は日頃どんな生活をしているのか? [映画業界物語]

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映画監督は日頃どんな生活をしているのか?

映画監督業と言うと、撮影現場で怒鳴っている怖い人のイメージを持つ人が多い。黒澤明監督のメイキング等の印象だと思うが、日頃はどうしているのだろう? 次回作となる原作本を読んでいる? 毎日DVDを見ている? 部屋で犬と戯れている?(これは総理や!)何れにしても優雅なイメージだが、監督業だけで食える人は多くない。何か副業をしたり、他の仕事をすることが多い。

また、何もせずに素敵な物語が湧き出してくる訳ではない。よく「才能があるから、次は****なストーリーをやってみようか?とか思い、バーと作ってしまうのだろう」と思われがちだが、才能なんて存在しない。日頃から、いい映画を観るだけでなく、絵画、音楽、ダンス、彫刻、舞台、コンサートと、素晴らしい作品を見ることで感性を磨き、題材となるものを探し、調べ、取材する。

伊丹十三監督は「お葬式」で大儲けしたが、その多くを税務署に持って行かれて「税」に興味を持ち調べ、「マルサの女」を作ることになる。「ミンボーの女」を作ったことで暴力団員に顔を切られた経験から「マルタイの女」を監督する。その後、亡くなる前は宗教と医療問題の取材を続けており、その筋の組織に殺されたという噂もあるが、毎回、危険な題材に切り込んでいた。

監督たちは興味を持つと、あれこれ調べる。時々、調べもしないでテレビニュースやネットの噂だけでシナリオを書き映画にしてしまう監督もいるが、やはりそれではリアリティがない。あれこれ取材して、その題材について2時間くらい講演できるくらいの知識と理解を持ってこそ、映画化できる。なので、日頃からいろんなことに興味を持つ。だが、あれこれ調べたが映画にはならないなーということも多い。

「朝日のあたる家」の時は、映画にするつもりで原発事故を勉強したのではない。毎日、図書館に行き、事故当時の新聞、雑誌をかたっぱしから読んで、時間経過の表まで作った。当時はまだ東電がメルトダウンを認めてい。なのに遠方でプルトニュウム反応が測定されたり、その辺の謎を追求。反原発デモの取材にも行って、いろんな人から話も聞いて、真相が見えてきたが、テレビでは本当のことを伝えていない。こりゃ何かしなきゃ!と思えたのがきっかけ。

Facebookやブログではその辺のことを書かないことが多い。仕事ではなく趣味の部分でもある。次回作に政治ドラマを考えてはいないが、山本太郎や小沢一郎の動向には注目するし、あの総理の背景も調べてしまう。でも、そんな知識や情報が蓄積されることで、いつかその手のドラマを撮ることになったときに生きる。製作が決まってから勉強しても遅いのだ。映画監督だけでなく、脚本家も同じ。

これはスポーツ選手が日頃から体にいいものを食べる。食生活に気をつけるのに近い。ジョギングしたり、腕立て伏せして体を鍛えるのと同じ。だが、時々「映画監督って、仕事ないと毎日、ゴールデン街で飲んでいるんでしょう? 気楽でいいなあ」という人がいる。いつの時代の話だ? ま、近い人もいなくはないけどね?


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