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映画は教育で伝えない大切なものを伝える。戦争を体験させてくれる「この世界の片隅に」 [映画&ドラマ感想]

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映画は教育で伝えない大切なものを伝える。戦争を体験させてくれる「この世界の片隅に」の意味?

「この世界の片隅に」完全版を見た。4年前にオリジナル版を劇場で見ており、中身はほとんど知っているのに、あの時以上に打ちのめされ号泣した。

物語は太平洋戦争前。広島に住む19歳の女性が結婚し、呉で夫の家族と暮らし始める。戦争が始まり終わるまで。その生活ぶりを描く。戦争ものの舞台は通常、戦場となるが、この作品は国内、それも地方が舞台。そこで当時の日本人は日本の家庭はどんな生活を送っていたのか?淡々と絵がかれて行く。

僕の世代は何だかんだで、戦争を背景とした映画やドラマを見ている。「悪名」「兵隊やくざ」シリーズ。「どてらい男」もそう。戦中戦後が舞台になった物語はたくさんあった。「人間の条件」や「戦争と人間」も観た。が、次第にドラマはトレンディになり、映画は戦争の悲しみというより、死に行く兵士の悲しみを描くようになり。今では英霊を讃える物語ばかりだ。

あの時代。日本人はどんな暮らしをしていたのか? どんなに貧しかったのか? それを伝える物語はほとんどない。今の若い子たちは戦時中をドラマでさえ見ることがなくなり「戦争」と言われても自分に関係のない出来事と思うようになる。むしろ、「国を守る」というカッコイイ行為にさえ考える。勘違いと想像が進む。それを後押しする人たちもいる。

そう考えると、今の時代に戦時中を伝える「この世界の片隅に」はとても重要な意味を持つことに気づく。今の若い人たちに戦争とはどういうものか?体感してもらうことが出来る。本来は教育でするべきなのだが、教育は国の方針でコロコロ変わる。当てにはならない。映画やドラマ。漫画や小説。歌。そんなものが伝えるしかない。「この世界」という映画が作られたことの意義は物凄く大きい。

映画は娯楽ではあるが、物凄く意味のあるなくてはならない存在だと思えた。「この世界」を観た多くの人たちは戦争を望まない。戦争を止めるはずだ。だが、その映画は戦争の悲惨さを伝えるのではなく、戦争の勇気や格好良さを描くこともできる。作り手が心を捨ててはおしまい。そんな映画人の1人として、僕にできることは何か? それを自身に問いかけること。今、やらねばならないことだと考える...。



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