「大人って何で馬鹿なんだろう？」と子供心に思ったこと。大人になって理由が分かった？（上）

「大人って何で馬鹿なんだろう？」と子供心に思ったこと。大人になって理由が分かった？（上）

子供の頃。正月などに親戚や近所の人が集まり、新年会のようなもので大人と話すと、いつも嫌な気持ちになった。「勉強してるか？」ほとんどの大人がそう訊く。「まあまあ」というと「そうか！」で、会話終了。僕の成績に興味がある訳ではないようだ。

質問するくせに、答えに関心はない。「勉強することが、なぜ、大切なのか？」「どんなふうに役立つのか？」話してくれた大人はいない。あるとき、有名な大学を出て一流企業に勤める大人に質問した。「なんで勉強しなければいけないの？」彼はこう言った。

「まあ、高校時代は勉強するのが嫌だと感じるけど、我慢して、しっかり勉強して、大学に入ってから４年間。思いっきり遊べばいいんだよ」

当時、１０代だった僕はその意味を明確に分析することはできなかったが、生意気にも「何なんだ？この大人たちは？」と感じた。今、考えると分かるが、質問に答えていない。

そんなことが毎年続くので、正月はできるだけ大人たちと関わらないようにした。家にはいない、部屋に閉じこもるとか。大人たちと話をしても疑問を感じるばかり。本来なら人生経験もあり、それなりの大学を出た人たちなのに、話して得るものがなかった。

その頃から僕は「大人はバカだ。大人は信用できない」と思うようになり。今でも「だから、大人は.....」という。が、僕自身がもう大人になっていた。大人どころか50歳を超えたおじさんの域。なのに今も「大人は信用できない」と思ってしまう。「大人はバカ」という疑問。最近になって解けた。学生時代の友人と話していて、あのときの感覚を思い出した。

「消費税のアップについてどう思う？」と質問しても「そんなこと俺たちが考えても仕方ないだろう？　どうにかなる問題じゃないし！」と言われた。彼の話を聞いていると、テレビで見たこと。昔話。趣味の話。全て事実ばかり。そこに意見はない。「◎◎◎と思った」とか、「●●●ではないかと考える」という表現がない。

つまり、考えるということをしていない。彼は結構、いい大学を出て、それなりの会社で働いている。でも、考えることを停止している。理由は彼の話の中にあった....。（つづく）