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楽しみにしていたタランティーノの新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」=少し長いが解説をどうぞ! [映画&ドラマ感想]

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楽しみにしていたタランティーノの新作「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」=少し長いが解説をどうぞ!

ようやく観ることができた。多分、一般の人が見れば「なんじゃこれは〜」という映画だろう。ま、その意味ではマニアックなタランティーノ的作品ということで理解できるかも?だが、今回は個人的にいろいろ思うところがあった。

舞台は1969年のハリウッド。

落ち目の俳優(デカプリオ)と彼のダブルでもあるスタントマン(ブラピ)を中心に、女優のシャロンテートやロマン・ポランスキー監督、大スターのSマックイーンら実在の人物も登場(もちろん俳優が演じている)するハリウッド物語。

僕がこの映画を知ったのはアメリカの映画サイト。Facebookで「いいね」を押してあるので、毎日流れてくるのだが、そこに一枚の懐かしい写真。ハリウッドのプッシー・キャット・シアター。と言っても何のことか分からないので説明する。この映画チェーンはアダルト映画を専門に上映するところで、僕がLAに留学した頃はまだ残っていた。日本でいうと日活ロマンポルノに近い存在。

ダウンタウンから行くと、ハリウッド・ブルーバードに入ったあたりのフィリーウェイとの交差したあたりに1軒。そしてチャイニーズ・シアターの近所にも1軒あった。僕が帰国するあたりから無くなり今はもうない。ビデオデッキの普及でHな映画を自宅で見れるようになったのが理由。そのチェーンは1960年代からあったようだ。

その映画館のスチールがアップされていて「おー」と思ったが、解説を読むと、「これは当時の写真ではなく、タランティーノの新作のためにハリウッドにある建物を改造して当時の映画館を再現した」と書かれおり、さらにビックリ!それこそが「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」だ。

さらにシネラマドーム

こちらはハリウッド通りの南にあるサンセット通りにある有名な映画館。ウエストウッドのビレッジ(これも映画館)が予告編に登場。ワクワクしていた。それら映画館は留学中に何度も訪れている。という興味もあり楽しみにしていた。

ところが、期待の(?)プッシーキャットシアターはピントの合わない背景として、その近所をブラピが車で通り過ぎるだけ!そのシーンは2回あるが数秒。先のスチールで見ると別の建物に看板をつけ、ポスターを貼り、上映中の映画のタイトルを表示。ものすごく手間をかけていたのに、あれでは誰が気づくの?という感じ。

さらに当時の映画「トラトラトラ」

の巨大ビルボードも撮影所の場面で出て来るのだが、これも一瞬で気づく人は少ないだろう。まあ、そんな贅沢なセットをいくつも用意。何じゃこれは!というよく分からない物語が進む。が、映画ファンなら知っていると思うが、女優のシャロン・テートはあの事件で有名。そうまさに「シャロンテート事件」の犠牲者なのだ。



カルトグループのボス・チャールズ・マンソンとその子分たち(小さなオウム真理教のような集団)が自宅に乱入。妊娠中のシャロンを惨殺した事件だ。夫のポランスキー監督は「ローズマリーの赤ちゃん」をヒットさせたばかりの注目の鬼才。たまたま、ロンドンにいたので無事だったが、そことが原因なのか?のちに幼女強姦事件を起こし、今もアメリカに入国すると逮捕される。

その後、監督した映画がナスターシャ キンスキー主演の「テス」。劇中でシャロンがウエストウッドの映画館に行く前に本屋に寄るが、そこで取り寄せたのが「テス」の原作本。そして、映画館で自分が出演している「サイレンサー破壊部隊」を見る。この辺がタランティーノ。

さらにブルースリーも登場。

ちょうど彼は「グリーンホーネット」のケイト(加藤?)役で活躍していた頃。タランティーノはリーも大好きのようで「キルビル」でユナ・サーマンが着ていたのは「死亡遊戯」のリーの衣装と同じデザイン。

リー役の俳優も「燃えよドラゴン」等を見て勉強したようだが、リーが奇声(あちょーというあれ)を上げるのは「怒りの鉄拳」(1972年)以降で、1971年製作の「ドラゴン危機一髪」でさえ奇声は上げない。なので69年にリーが「あちょー」というのはおかしいが、あれがないとブルースリーと分からなくなるということかもしれない。

あと、ブラピとの対決シーンで、リー役の俳優が本人の細かい動作(鼻を触る等)をしているが、リーは相手に飛びかかる前に声は上げない。あれではチンピラの奇声。そんなところが少し気になる。

劇中でデカプリオたちが見るテレビドラマ。多くは本物のドラマで「FBI」はめっちゃ懐かしい。長年続いたシリーズなので、僕も中学の頃に見ていた。あと、車で走るときに流れるカーラジオのFM。あれ子はもう、めっちゃLA。住んだことがあれば誰しもそう感じる。

僕が生活したのは80年代後半の6年くらいだが、同じ時代にタランティーノもLAにいた。というより彼は生まれも育ちもLAなので、その辺の思い入れがよく分かる。

最後に「シャロンテート事件」

をどう描くか?心配だったが、なるほど!という感じ。そこにタランティーノの愛を感じた。そんな意味でLAとハリウッドと映画とテレビドラマが好きな人はとても楽しめる



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