精神病は本当に理解されづらい。間違った知識が今も蔓延している。 [健康]
精神病は本当に理解されづらい。間違った知識が今も蔓延している。
親しい友人である時から奇妙な発言をするようになった奴がいた。本当にいい奴なのに、何かにつけて僕を批判する。攻撃する。それも友人として立場で発言せず、上から目線。まるで僕を生徒か弟子のような批判をするのだ。同じ年、同じ男性、特に彼の方が経済的に成功しているとか、有名になったとか、何か優越感を持つようなことがあるのならまだ分かるが、何もない。
会うたびに上から目線。命令口調。蔑む態度。自慢話。長年の付き合いだが耐え難くなり距離を置いた。が、昔は本当にいい奴で、何が彼を変えたのか? 疑問に思った。それこそ悪魔に憑かれたという感じなのだが、そんなバカなことはない。過去の件で恨まれているとか、仕事がうまくいかず荒れているとか、彼女に振られたとか、いろんなことを考えたが、思い当たらない。
それこそ「悪魔憑き」まで考えて、いろんな文献を読み漁った。そこで見つけた記述。まさに友人の言動、行動にあてはまるものだった。そう、彼は精神病だったのだ。「統合失調症」ーしかし、精神病とはそのような症状が出るものとは全く知らなかった。テレビドラマで「狂った犯人」というのが時々出てくるが、大抵はわめきながら刃物を振り回して暴れるというもの。あれだと思っていたが、全く別物。
そこから興味を持ち、もう10数年ほど「精神病」の勉強をしている。あれこれ本を読んだり、機会あるごとに専門家のお話を伺ったりするだけだが、結構詳しくなった。その後、仕事をしていて、この人ちょっと変だなとか、こいつ最悪だなあ。許せねえ!という人たち。調べると精神病であることが多かった。
ある制作会社の社長は双極性障害。撮影のお手伝いに来てトラブルを起こし続けた女性は境界性パーソナリティ障害。その女性をやたら庇い、事件を大きくした男性は共依存だった。彼ら彼女らは病気なので、おかしな行動を取り、人を傷つける発言をする。悪意がある訳ではない。だから、ムキになって争ったり、対決しても何ら得るものはない。まず、相手が病気だということに気づかないと、無意味な争いが続くばかり。そんな話をすると、多くの友人はいう。
「俺の周りにはそんな奴。1人もいないけどなあ〜」
違う!気づいていないだけ。精神病とはどういう症状かを知らないだけ。以前の僕もそうだったが、精神病というと
「叫ぶ」「暴れる」「日記に、死ね死ね死ね死ねと書いている」
そんな間違った認識を持っているから本当の患者に気づかないだけだ。統合失調症は200人に1人いると言われる。境界性パーソナリティ障害は40人1人とも言われる。
「狂っている」
と思うから間違える。精神病は気が狂う病ではなく、多くは「情報処理能力の欠如」なのだ。また、機会があれば詳しく書きたい。
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