「Zネーション」シーズン4。完全に進路を見失っている? [映画&ドラマ感想]
「Zネーション」シーズン4。完全に進路を見失っている?
第6話まで進むが、相変わらず何がしたいのか?分からない。「Lost」風の謎謎謎の展開を目指しているとも解釈できるが、要は脚本家が新しい目標を思いつかないので、全てを謎にして目先のサスペンスでお茶を濁しているだけだと思える。シーズン5で終了したのも頷ける展開だ。
脚本家たちは30〜40代だろう。スピルバーグ、キャメロン、ロメロの映画を観て育った世代であり、映画マニア。技術はあるが、技術しかない。僕が19歳の時撮影現場で先輩に言われた言葉。
「太田は何になりたいの? 技術系(カメラ、照明)なら遊んでいちゃいけない。バンバン仕事して技術を覚えなきゃ。でも、演出に進みたいなら、遊ばないとダメ。仕事なんてしていちゃいけない」
これはあとあと、大納得した。演出、脚本というのは映画を観ているだけではダメなんだ。いろんな人と出会い、いろんな経験をしてこそ、物語を作れる。傷ついたり、苦しんだり、悩んだりすることが大事なのだ。が、最近の人たち。漫画家でも、脚本家でも、演出家でも、作品はよく観て勉強していて、技術はうまいが模倣が多い。
そして人生が描かれていない。人生体験のない者に人生は描けない。「Z」の脚本家たちはまさにそれなのだ。マーフィー、ルーシー、10K、ドクというキャラクター人形を使ってゾンビごっこをしている。手持ちカードを使い果たし、この先、ドラマをどう進めればいいか?思い付かない。
そんな状態だろう。ただ、もし、僕自身がその脚本を書いていたら?と考えると、確かに大変なものはある。シリーズものは決められたルールの中で少しずつ新しい要素を取り入れて進める。1シーズンは12話。数合わせのためにあまり意味のないエピソードも必要だ。「Z」は「W D」と同様。メインキャラを次々に交代させることで新鮮味を出してきた。
が、新しい敵がクリエイト出来ない。ゾナも第2話で崩壊させたし、なんか凄い組織がいるんだぞ〜という展開だが、まだ考えついてないように思える。それがドラマのパワーを著しく落としているのだ。物語は目標に向かって突き進む時に面白さが生まれる。少々退屈な展開だが、もう少し観ていく。
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