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ありもしないことを信じ込んで主張を続ける人たち=体質か病気か?それとも芸術家の資質か? [MyOpinion]

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ありもしないことを信じ込んで主張を続ける人たち=体質か病気か?それとも芸術家の資質か?

「思い込み」というのは誰にでもあるもので、「冷蔵庫にビールが入っているはず!」と思っていたら、なくてガッカリしたような経験は誰でもあるだろう。だが、それは勘違いレベルのもので、事実でないことを「事実だ!」と言い張り、どう説明しても理解しない人もいる。

学生時代の友人で「クライド・レイ」という歌手を「グライド・レイ」だと言い張る奴がいた。その歌手のシングル・レコードを見せてジャケットに印刷された名前を見せて「クライド」だろ? というとこう言われた。

「このレコードの印刷が間違っている!」

だったら、どこで「グライド」だと知ったのか? 見たのか? と問いただすと?

「そんなことは覚えていないが、グライドだ!!」

と言い張る。他の雑誌等を調べても全て「クライド」ーもう、友人の思い込みでしかないのだが、彼はそう言い張る。印刷物というのは、名前に対して非常に厳しく、正確に記述する。いくつもの出版社で「クライド」になっており、彼のいう「グライド」という記述は一つもない。

ある種の病気ではないか?と思ったが、彼は他のことで言い張ることはなかった。その後、映画の世界で仕事をして、クリエーターには「思い込みの強い人」が多いことを経験する。言い出したら聞かない。間違っていても、言い続ける。これはある種の能力なのかもしれない。

例えば俳優。演じる時に「自分は欲得に塗れた政治家だ」「私はこの女性を愛している」とか思い込む。そのまま、相手役に本当に恋して結婚してしまう人さえいる。ヤクザを演じると、日頃の素行までヤクザのようになってしまう役者さんもいる。

小説家、漫画家、音楽家、皆、近いところがある。悪く言えば勘違い。よく言えば成り切る、その世界に入り込んでしまうという感性があるからこそ、作品を作ることができる。が、ご存知のように芸能界には頭のおかしな人も多い。先の「思い込み」の能力とそれは紙一重なのだ。

例えば境界性パーソナリティ障害の女性は、ターゲットを決めて行動的に接近、様々な努力をして愛情を求める。だが、それが受け入れられると、こう思うようになる。

「この人は私のために何でもしてくれる人だ....」

そうして夜中に長電話をしたり、仕事中に「会いたい」と連絡してきたり、終電の後に「会いに来て」と言い出したりする。それを拒否すると「裏切られた」「騙された」と大騒ぎして攻撃を始める。「今、薬を飲んだ。さようなら」とメールしてくる。これも「思い込み」である。

いくら仲良くなったからと、仕事を放り出して駆けつける男なんているはずがない。「愛があるか?」は関係ない。非常識だ。でも、思い込みが強く「何でもしてくれる人」と考えてしまう。また、統合失調症の患者の中には

「私は宇宙人に拉致された!」「神が世界を救えと言っている!」

と言い出す人たちがいる。その思考形態は以前に説明したが、簡単にいうと情報処理能力の欠如である。そのために間違った答えを出してしまうのだ。少しだけ説明すると、電話をしていると、変なノイズが入る。患者の中にはこう考える人がいる。

「何だろう?」=>「盗聴されているのか?」=>「でも、僕のような平凡な会社員男性を盗聴して何になるのか?」=>「もしかしたら、僕は物凄い能力を持っていて国家がそれを利用したい。その力を調査するために盗聴しているのだ」=>「そうだ。僕には超能力があるんだ」=>「皆、気づいていないが僕は素晴らしい存在なのだ」

という具合である。まず、盗聴であるかどうか?は分からないのに、それを超能力まで持って行く。物事を妄想で繋いで現実だと思い込む。それが統合失調症の症状の一つ。しかし、俳優が自分が戦国武将と思い込むほどに役に入り込むのも近いものがある。が、それが暴走したケースは「俺はスターだ」「天才だ」という勘違いに繋がる。

売れない役者が小さな役でテレビに出演。大勘違いして「シナリオを直せ」「この衣裳では演技ができない」「共演者を変えろ」とか言って、降ろされた話を何度か聞いた。知り合いの中にもそんな輩はいた。これも先と同じ。

「役をもらった」=>「俺は認められた」=>「やはり俺は素晴らしい実力があるんだ」=>「ようやく、それが分かる監督がいた」=>「この作品で俺はブレイクする」=>「そのためにも最高の演技をせねば!」=>「なのに、このシナリオは何だ!」=>「衣装も違う!」=>「俺に相応しくない!」

という具合だ。ほとんど病気だが、彼は真面目にアルバイトしながら、俳優を目指し、劇団活動をしている。プライベートでもおかしなことはしない。だが、10代で売れたアイドルには似たようなケースが多い。年上のマネージャーを顎で使い、無理難題をいい、身の丈に合わないことを要求。事務所が売り出したから人気が出たことを理解せず「俺の才能だよ」と思い込んでしまう。

長くなったので、まとめる。「思い込み」は誰にでもある。芸術関係ではそれが「武器」となる。が、一つ間違うと精神病と同じ状態になる。「思い込み」と「洞察力」についても比較してみたいが、それは別の機会に。何か面白い結論が出て来ると思う。


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