俳優は超能力者?!=撮影のたびに驚愕する名女優たちとの思い出② [映画業界物語]
俳優は超能力者?!=撮影のたびに驚愕する名女優たちとの思い出②
一番最初に「凄すぎる!」と思った俳優さんは、三船美佳さんだ。僕が監督するドラマに出てくれた時。あの世界のミフネ、三船敏郎さんのお嬢さんだ。ある撮影で、状態を説明するときに、どうしても言葉にできなくて困った。大概のことは言えるのだが、それは理屈ではなく、リズムだった。仕方なしに。
「三船さん。意味わからないとは思うけど、ここはパパパン。パン。パパパンって感じなんですよ」
と話した。監督失格。ちゃんと説明しろよ!と言う感じだが、三船さんは、
「何か、分かったような気がします。一度、やらせてください」
と本番に挑んだ。それが、何と、僕のイメージ通りに演じてくれたのだ! 何で分かったの? あんな説明で???と訊くと、
「何か、そんなことを求められているのかな?と思って!」
と笑う。超能力者かと思った。なぜ、言葉で説明できないものを理解して演じてしまえるのか? そんなことがあって僕の監督デビュー作である「ストロベリーフィールズ」の出演もお願いした。
この後もいろんな俳優さんと仕事をしたが、第1線で活躍している人たちは同じ力を感じる。下手な説明を理解してくれるだけでなく、何も言わなくてもこちらが求める通りに演じてくれる。「明日にかける橋」の鈴木杏ちゃんも本当に凄かった。天才だと思った。
あと「ストロベリーフィールズ」に出てくれた谷村美月さんも天才少女。あの映画の後に大ブレイク。今もテレビ、映画、舞台と活躍中。女優は20歳を過ぎたら厳しい時代を迎えるが「ス」から14年。今だに彼女は引っ張りだこ。今放送中の「相棒」新シーズンのオープニングエピソード前後編の犯人も演じていた。
女優さんの話ばかりなので、男性陣も!と思うが、文章がすでに長くなったので、その辺はまたの機会に。とにかく、俳優というのは超能力者に近い。というのが僕の持論。だから、感動を伝えることができる。
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