「さとうきび畑の唄」という沖縄戦を描いた感動のドラマがあった。=でも、今はその手の作品は制作できない? [映画&ドラマ感想]
「さとうきび畑の唄」という沖縄戦を描いた感動のドラマがあった。=でも、今はその手の作品は制作できない?
昨日は「チビ」編。証言者の言葉に何度も涙する。戦時中、沖縄でそんなことが起こっていたこと。50年ほど生きているが全く知らなかった。学校の授業でも習わない。映画やドラマでもほぼ描かれない沖縄戦の事実。胸に突き刺さる。
編集しながら戦争を体験した方々の話を再度、聞いているのだが、なぜ、そんな事実が多くの日本人に伝わっていないのか? もちろん、書籍はある。が、なかなか読むことはない。報道番組でも終戦記念日になると、その手の報道はある。NHKでも新しい事実が分かったり、話題になると特集番組を放送する。
だが、その時だけ。それも部分的な報道なので沖縄戦全体が分からない。そう考えると、2003年に放送されたTBSの「さとうきび畑の唄」は凄いことだった思える。主演が明石家さんま。共演に黒木瞳、坂口憲二、仲間由紀恵、上戸彩、オダギリジョー 仲間由紀恵、と豪華キャスト。さらに「さとうきび畑の唄」を森山良子が劇中で歌う。視聴率26.4%
あとあとまで、さんまさんがバラエティ番組で「ザワワザワワ〜」とギャグにしていたので知る人は多いだろう。さんま&上戸彩という人気者が出演することで若い世代も多く見たはず。視聴率26%を乱暴に計算すると2600万人位が見た事になる。それだけの日本人が沖縄戦とはどういうものであったか?を断片的にでも知ったのだ。
作品自体。お涙頂戴の戦争ものにはならず、過酷な戦争をしっかりと描いていた。それでいてさんまのキャラが生かされていて、ドラマとしても面白く見れる。戦場の描写はお茶の間で見ることもあり、軽めに描くかと思いきや「戦争のはらわた」を思い出す(意識した?)もので残酷さをしっかりと描いていた。
これが沖縄戦.....これが戦争......そう感じられるドラマだった。最近の戦争ものは「お国のために戦った。愛する者を守るために戦った兵士....」というものが多いが、このドラマはそれとは違う力作だった。が、もう16年も前の作品。これを今、作ることも、再放送することもできないだろう。
もう一度、戦争をしたい!という人たちがマスコミに圧力をかけ、その手のドラマや報道。特集は非常にやり辛い時代になっている。だからこそ、その手の戦争の悲惨さを伝える作品が必要なのだが、それが難しい時代。そんな中、沖縄戦のドキュメンタリーを僕が担当できることは、幸運であり、やり遂げなければならない仕事と思える。
「チビ」編を終えて、最初から見直してみると、結構いい形で沖縄戦の流れがまとめられており、この映画を見れば沖縄戦の概要は分かる。もちろん、いろんな事実があるので、その全ては取り上げられない。が、証言者のインタビューを中心に戦争の展開も説明されており。
記録映像もふんだんに使用しているので分かりやすい。現在、手に入るその手のDVDはほとんど見たが、それらに負けない中身はありそうだ。ちなみにドラマ「さとうきび畑の唄」ー内緒だがYouTubeに上がっている。それで見ることが出来るので興味ある方はぜひ。検索すると簡単に見つかる。話題になると削除されるので、こっそり見て欲しい?
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