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沖縄戦ドキュメンタリー作業報告 米兵より日本兵が怖かった? [編集作業]

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沖縄戦ドキュメンタリー作業報告 米兵より日本兵が怖かった?

昨日も戦時を体験した80代の方々の証言インタビューの作業をしていた。取材当時も驚いたのだが、映像を見て改めて驚く。

「アメリカ兵より日本兵の方が怖かった...」

は? 逆じゃないの? と思えた。日本兵は全国から集められた兵士であり、沖縄を守るために32軍としてやって来た人たち。アメリカ兵は日本を打ち負かし、占領するために上陸して来ている。そのアメリカ兵より、なぜ日本兵が怖いのか?

「最初、アメリカ兵は怖い。捕まったら腕を切られて、鼻を削がれて、殺されると聞いていました。それがいざ捕まったら、食べ物をくれる。怪我の治療をしてくれる。暴力を振るわれたことはありません」

そう証言する方が何人もいた。それに対して日本兵は豪(洞穴のような場所で防空壕等としても使っていた)に隠れている民間人を追い出し、自分たちがそこに隠れたり、米軍からもらった食料を奪いに来たり、スパイだと言われて撃ち殺されたりと言うことが頻発していた。

「私は米軍が作った病院で働かされました。そこには負傷した日本兵がたくさんいて、アメリカ人が治療していました」

何だか分からなくなる。が、その後もあれこれ調べて背景が見えてくる。日本兵は敗北に次ぐ敗北。十分な食料も、武器もないまま戦っていた。敗残兵となった者は豪に隠れ、地元民から食料を奪っていたのである。

それに対してアメリカ軍は捕虜の食料や衣料品まで用意しており、降伏した兵士、民間人で、傷ついた者には医療を、そして食料を供給したと言うのだ。その事実からアメリカが良心的というつもりはない。散々日本人を殺して、家を焼き、田畑を踏みにじり、それで怪我した人たちを治療しても「偉い!」とは言えない。しかし、それが沖縄戦の現実なのだ。

攻めて来た敵から食料をもらい、自分たちを守りに来たはずの日本兵からその食料を奪われ、隠れていた豪を追い出される。誰が正しい、悪いではない。その事実が理不尽な沖縄戦を象徴しているのだ。そして、その先に、またいろんなものが見えてくる。作業を続ける。



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