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映画屋の仕事はリアルな嘘を作り出すこと。 [「沖縄狂想曲」]

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映画屋の仕事はリアルな嘘を作り出すこと。

実際には存在しない恋愛を作り上げ、観客にハラハラさせ、応援させ、最後は2人を結びつけて感動させる。これがドラマ。主人公にどんな設定にすれば、観客は感情移入するか? どんな困難を与えれえば、応援したくなるか? そうやって観客の心理を操るのがドラマというもの。

最近は報道が同じ手法を使っている。ありもしない殺戮を作り出し、視聴者に「なんて、酷い!許せない」と思わせ。事実とは違う情報を流して「**国、頑張れ」と応援させる。これをニュースでやられたら、ほとんどの視聴者はイチコロ。完全に信じてしまう。

その点、こちらは映画屋。その種のテクニックを熟知している。映像合成や編集で、いくらでも誘導できることも知っている。だから、最近のニュースは酷すぎて見ていられない。ただ、興味深いのはドキュメンタリーで悲しみを伝えるべきシーンで、NHKの番組などは全く悲しみが伝わらないことが多い。

沖縄戦を描いた番組を見ても「こうして多くの住民が戦火に巻き込まれて行ったのです」とナレーションで語り。戦車から火炎放射する米軍の映像を映し出す。が、そこで「沖縄。大変だったんだなあ」という感情が生まれない。他人事のように「へー」と思うだけ。

以前はそれがドキュメンタリーだと思った。が、現代の報道であれだけ嘘の悲しみを煽ることができるのに、現実の悲しみを描けない訳がない。制作サイドに「沖縄戦の悲惨さを伝えたくない」という意図があったのではないか? ここ最近の「NHKスペシャル」では、「プーチン酷い!」「ウクライナ、頑張れ」と思える番組が多い。なぜ、それを「沖縄戦」でやらなかったのか?

意図して「悲惨」や「屈辱」を感じさせないようま演出だったのだろう。歴史の流れに沿って説明するだけで、記憶に残らないように「米軍、許せない。沖縄県民。かわいそう」という感情が沸き起こらないように作っていたのだ。

米軍に対する配慮、当時の日本軍に対する配慮(その子孫もいる)日米関係にヒビが入らないように、また、もう一度戦争したい団体に対してさえも配慮しているように思えてくる。あえて、悲しみ、屈辱、憤り、理不尽を感じさせないように作っているのだろう。

だったら、その辺は今回の作品で私が描く!そもそもが劇映画の監督。NHKが避けて通る感情部分を描くのは18番。作り出すのではない。そこにある本物の悲しみを伝えればいいのだ。それでこそ、戦争が伝わる。理不尽を描いてこそ「戦争は止めねば!」と思えるのである。


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