「カムイ伝」第2部ー全12巻。読破中。 [読書]
「カムイ伝」第2部ー全12巻。読破中。
第1部は百姓と武士の軋轢を中心に描いた物語だったが、今回は武士同志の軋轢を描く。笹一角こと草下竜之進が「武士でも百姓でもない第三の生き方を探す」というセリフがあるが、それを実践する物語になっている。前作で多くの個性的なキャラが死んでいるので、彼らは当然出てこない。そこは寂しい。が、生き残ったメンバー。竜之進、正助、カムイ、赤目、テブリ、スダレ、等は登場する。現時点で出ていないのは夢屋とクシロだけだ。
第1部は何度かの一揆があり、そこで盛り上がるが、今回はそうしたドラマティックな展開がなく、武士たちの陰謀が機軸になっている。地味ではあるが、武士の世界。政治の世界を描くのなら、それは必要だ。かなり昔に第二部は読んでいるが、その地味さと、複雑な物語で何が展開しているのか?分からず、第二部は失敗?と思えたりしていた。が、今、この歳で読むとなかなかの文学作品になっている。
この後、本来は第3部があるはずなのだが、著者は未だに執筆していない。そして絶筆宣言をしている。1960年代から描き続けた漫画。著者はさすがにもう嫌になるのは分かる。が、読者としては、物語の結末はどうなるのか?気になる。が、まずは第二部の最終章を読んでから、あれこれ考える。
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