「ドキュメンタリー沖縄戦」とはどんな映画？＝学校の授業では絶対に教えない真実

「ドキュメンタリー沖縄戦」とはどんな映画？＝学校の授業では絶対に教えない真実

の製作には３年かかった。８度、沖縄に行き、体験者、専門家の方々のインタビューと戦跡等の取材を行った。東京に戻ると、資料本や資料DVDを徹底して勉強。沖縄戦とはどのようなものであったか？を把握する作業を続けた。知るに従い、沖縄戦とは言われているものとは全く違い、想像を絶する悲惨な事件の連続。戦争を超えた悲劇であることが分かって来た。

が、一般的には「太平洋戦争で唯一の地上戦」と言うことにされている。僕自身も最初はその面のみで長年認知していた。「アメリカ軍が沖縄に上陸。日本軍がぼろ負けして、住民も多くの被害を受けた」この１行で書ける内容が沖縄戦だと思い込んでいた。と言うのも、あまりにも沖縄戦が伝えられないと言う現状が大きい。教科書では長年、先の１行のような記述でしか説明されておらず。３学期で太平洋戦争自体を駆け足で教える授業しか出来ないと言う背景もある。

また、広島、長崎の原爆投下、東京大空襲、真珠湾奇襲、ミッドウェイ海戦等のように繰り返し映画化、ドラマ化されると実情を多くが知ることができるが、沖縄戦を舞台にしたものは非常に少ない。「ひめゆりの塔」は有名で３回もリメイクされているが、あれば沖縄戦の一端を描いた作品。あの１本で沖縄戦は理解できない。一部でしかない。また、岡本喜八監督の「沖縄決戦」があるが、知名度が低いこと。また、沖縄戦の全てを注ぎ込んだ内容だけに、１度見ただけでは把握できないと言う問題がある。それほどに沖縄戦は多種多様であり、様々な事件と戦闘が存在する。

そこで「ドキュメンタリー沖縄戦」は多くの人たちが分かるように、沖縄戦の全貌を伝えると言うことをテーマにした。後で知ることになるが、初心者向けとも言える分かりやすい沖縄戦ドキュメンタリーはこれまでになかったらしい。それぞれの事件や戦闘を詳しく描いたものは数多くあるが、全体が分かると言うのもが意外になかったのだ。また、米軍が撮影した記録フィルムを使用することで、米軍側の事情、背景も紹介している。これも今までにない視点と言われた。日本軍、住民側の視点で描かれがちな沖縄戦。アメリカ軍はどう言う具合だったのか？を知ることができたと言われた。

僕自身。アメリカ側は武器も食料も十分にあり、貧しい日本軍は簡単に打ち果たされたのだと想像していたが、そうではなかった。アメリカ軍も大きな犠牲を出し、気の狂うような戦いを強いられていたのだ。その辺の事情が見えてくることで「戦争」とは何か？が見えてくる。そして、沖縄住人の多くがアメリカ軍に火炎放射で焼き殺されたものと思い込んでいたが、実は日本軍からも踏みつけに合い、犠牲を強いられていたことも分かる。

日本軍は沖縄住民を守るために派遣されたわけではなく、本土防衛準備の時間を稼ぐことが使命だった。軍の都合で住民が犠牲になる。いや、アメリカ軍上陸前から住民を強制的に徴用。軍に協力させていた。多くの場合、賃金も払わず。戦場にまで動員。そのために死んだ住民が数多く存在する。さらには住民がアメリカ軍に捕まり情報漏洩等を恐れた軍が、住民に自決を命じた事件も多発している。つまり、沖縄戦はアメリカ軍に攻撃されるだけでなく、日本軍からも理不尽な命令を受け、振り回され、多大に犠牲者が出た戦闘なのである。そのために当時の人口で言うと４人に１人が死んだ計算になる。

そして、「沖縄戦」を知ることは歴史を知るだけでなく、政府がやっていることはコロナ禍の今も同じであることに気づく。７６年経っても日本政府がやることは同じであることも分かる。さらに、アメリカという国恐ろしさも見えてくる。「沖縄戦」は過去だけではなく、現在、未来を伝えてくれる。今月より各地の映画館で再公開が行われる。残念ながら東京はどこの劇場も余裕なしとのことで、現時点で上映は予定しないが、大阪、京都、横浜、沖縄はすでに決定している。DVDは残念ながら発売できないようだ。ぜひ、この機会に見て欲しい。学校の授業では絶対に教えない歴史。NHKでは放送できない真実。この映画でお伝えする。

#横浜シネマリン　6/19(土)〜6/25(金)　初日、監督舞台挨拶
#第七藝術劇場　(大阪)　6/19(土)〜25(金)
#京都みなみ会館　夏頃
#沖縄市民小劇場あしびなー　6/28（月）~29日（火）



予告編＝＞https://youtu.be/PSTPwvC94ao