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現代の反映がない映画は観客の心を掴めない?=キー局製作のテレビ映画はもう無理 [映画&ドラマ感想]

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現代の反映がない映画は観客の心を掴めない?=キー局のテレビ映画はもう無理

ここしばらく映画館で見た映画。どれも力作だった。「劇場版 シグナル」「探偵コナン」「バッドガイズ」「21ブリッジ」「エヴァ」「エヴァンゲリオン」「ノマドランド」ジャンルは違えど、退屈させず、エンタテイメントしている、あるいは心に染みる何かがあった。

そんな中で1本だけ、今の時代を理解していない脳天気な、いや、それならばいいが、時代からズレた何をやりたいのか?分からない作品があった。「シグナル」と同様にテレビシリーズからの映画化だが、オープニングで、そのテレビ局のロゴを見た段階で「しまった!」と思った。

その局、かなり以前からドラマも映画もダメ。物語に対する理解がない。映画会社でも特撮が得意。時代劇が得意。ヤクザものが得意と向き不向きがあるように、この局はドラマより、バラエティが向いているのかもしれない。今回の作品もコメディ的設定であるのに、真面目に物語が進行。しかし、観客が共感する要素がない。そこに昔ながらのラブストーリーを持ち込む。敵側もバラエティのようなキャラで、主人公は強いので全然、ハラハラしない。何がやりたいのか?

多分「Mr.&Mrs.スミス」のようなドラマにしたかったのだと思うが、あちらはライトコメディ。それを「平凡な主婦になるのが夢」というヒロインの純愛にする。そちらに行ってどうするの?そこに誰が共感するの? むしろ男に頼らず自立する女性に、今の観客は憧れるのではないか? 不満をあちこちに感じる。この作品には現代が反映されていない。いろんなかこの作品から、あるいは古臭い価値観を持ち寄って作れた感がある。現代性をほとんど感じない。

先に上げた面白かった作品群。全て現代の反映がある。以前にも書いたが「家族」「仲間」「諦めない」という要素。「理不尽」「無力」「庶民は*ね!」という抑圧。安倍&菅政権、コロナ、20年続く不況で庶民は追い詰められている。だからこそ、映画の中で反撃したい。大切なものを確認したいと願う。

80年代の映画は「現実逃避型」が人気だった。会社や学校は嫌だけど、真面目に働ければ生活はできた。だが、今の時代は真面目に働いても食えない、いや、働き口がない。そんな時代に現実逃避ではなく、現実が反映された作品に共感する。そして勇気をもらいたいと思う。「鬼滅の刃」も「シグナル」も「半沢直樹」も、まさにその部分が大人気となったのだ。

が、この作品にはそれがない。共感できない強い主人公。生活には困らない。耐えられない悲しみもない。敵は学芸会のような連中。どう見ても主人公は楽勝。エネルギー問題も単なるお飾り設定。製作費はかかっているが、共感のしようがない。ならもっと笑える、軽いコメディにすればいいのに、真面目な話にしている。。。。ズレているとしか思えない。多分、会社体質から考えると、庶民の生活を知らない高い給料をもらっている偉い人たちが、あれこれ口を出して、脚本家がそれを全部入れて無理やりまとめたのではないか?それでいいものは出来ない。ただ、局制作になると、大体そうなってしまう。

今、ヒットしている映画。多くは現代を反映している。そこから今という時代を確認することもできる。それがない映画は観客の心に届かない。自分自身にもそう言い聞かせる。





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