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「シグナル」ドラマ版。見終わる。分析と評論。 [映画&ドラマ感想]

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大きく分けると3つのエピソードで構成されている。①小学生誘拐殺人事件 ②連続女性殺人事件 ③女子生徒暴行事件 ①と③は主人公に関わる事件。昔の刑事ものでも、メインキャラ自身の物語は盛り上がる。が、②は過去の主人公である大山巡査部長自身に関わる物語となり、見るものを離さない。脚本作りが非常にうまい。

①の犯人像も、ブランド品で身を飾る真っ赤な口紅をつける女性。よくぞ、この設定を思いついたな....と思ったが、原作というか、オリジナルの韓国版の脚本は女性だ。女性でないと思いつかない設定。トランシーバーの裏のスマイルシールとか、その辺も女性ならではの発想と思え、同じ脚本家として悔しい思いをする。なかなか男性だと気づかない、ちょっとしたことが伏線やポイントになっている。

また、先のエピソードも①は第1話と第2話で扱っているのだが、2話の途中で小学生誘拐殺人事件は解決する。後半では次のエピソード。それは完結せずに「続く」となる。多くのドラマは60分の最後で完結する。それをしないのは、次の回を見たくさせるためだ。視聴者を安心させないようにしている。なかなかあざとい。

9話はもう号泣しながら見た。全身全霊で応援してしまった。最終回を見る前に30分休憩したほど。ただ、その最終回は意外に盛り上がらない。これから見る人はこの後を読まないように。

大山刑事が殺されることは先に振っている。エピソード②で桜井刑事が殺される。(でも...)昔から刑事物では殉職は盛り上がるエピソード。それが理由か?③では主人公が殺される。が、このエピソードが盛り上がらない。なぜか? 先の2人は見ていて「死なないでくれ!」と願ったが、そんな悲しみを感じない。ここは分析せねば。そして、大山巡査部長が助かるエピソードの背景がイマイチよく分からない。

また、主人公が大山にトランシーバーで連絡したのが全ての始まりとなっているが(その場面はドラマ内にはない)その理由が解明されているないのでは? え? 何で?と思っている内に話が進み、ある意味で解決。大感動の結末にはならなかった。何か?見逃したものがあるのか? タイムリープものは、どうしても齟齬が出ることが多い。韓国版を見てその辺を確かめよう。

その辺を差し引いても、最近では(3年前だけど)かなりおもしろドラマになっている。ただ、韓国ドラマのリメイク。日本オリジナルじゃない。でも、そのドラマをリメイクしようと考えた関テレは偉い。東京キーだと出来ないだろう。今、政治の世界もそうだが、足元が崩れ始めているのに、第1線にいる指導者たちは昔からのプライドを捨てられず、人目を気にして、建前ばかりを繕おうとする。映像の世界も同じ。そのために面白いドラマができない。

原発、消費税、ウイルス、森友事件、をモチーフにしたドラマは作らない。差別、人種問題、政治腐敗、宗教、戦争にも踏み込まない。無難なドラマしか作らないから面白くない。90年代は「恋」が最大の命題だったが、今は「生きる」こと自体が命題。そんな時代にラブストーリーを描いても人々の心には届かない。政治の闇に切り込んだ風に見えるだけの映画でお茶を濁す。多くがそれに気づかず称賛。ドラマ関係者がいかに時代からズレているかを痛感する。

しかし、韓国では刑事ものにタイムリープネタを持ち込んだ。やられた!先月放送のスペシャルはNetflixでは配信されていない。何とか見たい。韓国版も全部見よう。



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