文科省が不合格にした教科書と合格したもの=沖縄戦の記述を比較してみた。 [戦争について]
文科省が不合格にした教科書と合格したもの=比較してみた。
前回紹介した歴史修正主義者の皆さんが作った「日本史」の教科書(文科省検定不合格)は、沖縄戦についての記述が5行しかなかった。対して、検定に合格したこちらの「日本史」はどうか?
沖縄戦に関して見開き2pで説明。もちろん、先の教科書が完全無視した集団自決についても記述。一時期、圧力で削られた「軍の関与」という表現も復活。軍の指示により多くの沖縄県民が自決をさせられたことを説明している。
僕の「ドキュメンタリー沖縄戦」でも集団自決を強いられた体験者の証言を紹介しているが、先の教科書はその事件を完全に無視。それどころか「沖縄県民もよく(戦争に)協力しました」とまで記述。その協力というのが「自決」ということなのか? 軍のために多大な犠牲が出たことを説明せず「よく協力した」と表現するのは、非常に悪辣な意図を感じる。
両社の教科書。沖縄部分を見比べて感じるのは、意外にも今の文科省は正しい判断をしているということ。多くの住民が犠牲になった沖縄戦の実情を隠す教科書は不合格。踏み込んで軍の関与があることまで伝える教科書が合格。一つには「戦争法」を強行採決した安倍政権が退陣したことで「戦争一直線」という流れが変わったのだろう。もちろん、菅政権が正しいということではない。前政権ほど頑なに「戦争するぞ!」という意志はないということ。少なくても戦争肯定の空気が和らいだという気がする。
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