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タレントの死を茶化して笑うファンの心理=想像力の欠如を考える [MyOpinion]

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タレントの死を茶化して笑うファンの心理=想像力の欠如を考える

以前に漫画家さんの飲み会に呼んでもらったことがある。ファンも参加できる会。日頃は作品を通じてしか交流できない作家さんと直接会い、話ができる。ファンにとって貴重な機会だ。僕はお世話になっている漫画家さんに声をかけてもらい参加した。

ファンたちは作品の感想を伝えたり、日頃から感じていた質問をしたり、盛り上がっていた。酒が進み、緊張していたファンたちもリラックス。聞きづらい質問なんかも始める。が、漫画家さんたちは笑顔で答えていた。そんな中、1人のファンが「そういえば漫画家の***さんが、オッちんじゃいましたね〜!」と笑顔で言った。ギャグ漫画の作家が数日前に亡くなったのだ。

それを聞いた漫画家の1人が大きな声で怒鳴りつけた。「何をバカなことをいう!人の死をそんな風に言うな!」そう言うと黙ってしまった。ファンは理由が分からず、でも、怒られたことにはショックを受けているようだ。別の漫画家さんが説明する。

「**先生は滅多なことでは怒らない。こんなことは特別だ。分かるか? 亡くなった**先生とは昔からの友達だったんだ。あなたにとってはギャグ漫画の作家で、死んだことさえ笑いに感じるかもしれない。でも、僕らの仲間だった人だ。その人が死んだんだ。それをバカにしたように言うのは違うだろう?」

そのファンはようやく理解したようだった。本当にその通りなのだが、そこに業界とファンとの境がある。昔、ビートたけしがバイク事故で大きな怪我をしたことがある。その時、多くのファンが「たけし、死に損ないやがった!」と笑った。事故さえも笑いとして捉えてしまう。その漫画ファンも同じようにギャグ漫画の人なので、死んだことも笑いに捉えたのだ。漫画家さんたち。世間がそんなであることは分かる。だが、それを本人たちを前にして死んだことを茶化すのは非常識。冒涜だ。それをファンが分かってなかったのだ。

似たようなことは映画界でもある。ある俳優がワイドショーで酷い批判をされた時、人は「あの俳優。バカだよね〜」とか「芸能界、ホサれればいいよ」とか友達と気楽に話す。が、僕はそんな彼ら彼女らと仕事をする、仲間である。会社で言えば同僚だ。その人たちを僕の目の前で笑い話にしたり、バカにしたりする人がいる。悪意はない。いつものことだ。が、僕が彼らをよく知っていること。心を痛めていることに気づかない。一般の人にとって芸能人のスキャンダルは世間話の一つ。

そんな時、どうするべきか?考える。先の漫画家さんのように怒鳴りつけるべきか? 丁寧に説明すべきか? それとも関わらないようにするべきか? 以前に書いた問題あるFB友達と同様。悪気なく人を傷つける。悪気がなければいいと言うことでもなく、距離感が麻痺している。その背景にあるのは、想像力の欠如だろう。交通事故の被災者に対して事故をギャグにすべきではない。自衛隊の関係者に「違憲だ」と批判するべきではない。いつも悩み苦しんでいることを、その人にぶつけるべきではない。想像力の欠如だ。それが分からぬ人が多い。



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